備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

絶景本棚

わが家の「絶景本棚」

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前回の記事で、本の雑誌社から出た新刊「絶景本棚」をご紹介しましたが、便乗してわが家の「絶景本棚」を公開してみます。
自宅を「絶景」とか言っちゃうのもおこがましいのですが、まあ便乗企画なのでご容赦ください。

とは言え、上記の写真、現在のわが家の本棚はあんまり絶景ではありません。
結婚やら引っ越しやらのタイミングでかなりの本を売り払ってしまったのと、蔵書として残しているうち3分の1くらいは段ボールに詰めて実家へ 預けてしまっているのです。
一番、絶景だったのは結婚直後、ブログのタイトルにも使っている写真を撮った頃でしょうか。

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10年以上前の写真ですが、結婚直後はとんでもなく広い借家にいたため、本棚を置き放題でした。この部屋にはまだ何本か棚がありますし、別の部屋にも本棚が並んでいて、全部で14本の本棚に囲まれて生活していました。引越し屋さんから「何かの商売をしているんですか?」と聞かれたほどです。

その後、転勤のために随分と狭い家へ引っ越し。書庫の格がだいぶ下がりました。

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以上の写真は、棚の一部で総本数は維持していました。

この家で3年ほど過ごしたあと、また引っ越し。
しかし、その次はかなり広い家で、「絶景本棚」復活!と喜んだものですが、それもつかの間、東日本大震災で全て崩壊しました。きれいに並べた状態の写真を撮る間もなく、地震が起きたので、崩壊後の写真しか残っていません。

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実は、この地震でわが家の本棚は全て破壊されて、使い物にならない状態になってしまいました。
当時は、スチール製の「クールラック」という棚を愛用していました。今回、本の雑誌から出た「絶景本棚」のなかでもいくつか写っていましたが、これが実は地震には極端に弱かったのです。
日常使用にはとても丈夫で、パーツごとの買い増しもでき、とても便利な棚だったのですが、震度6弱の衝撃で全てグニャグニャに曲がってしまいました。
幸い、書籍自体の傷みは大したことがなかったのですが、本棚は全て廃棄。
その後数年間、本は全て段ボールに詰めたまま、という生活を余儀なくされてしまったのです。

その後、さらに何度かの引っ越しを経て、中古マンションを買ってようやく今の家へ落ち着いたのですが、この頃には子どもも3人に増えているため、パパの本棚だけで家中を占拠できない状況になっていました。そこで、「手元に残したい本・読みかけの本のみ棚へ並べて、あとは箱に詰めて実家へ預ける」という方針になり、一部屋だけ壁一面を本棚にして、冒頭の光景になっているわけです。

今回は壁のサイズにぴったり合う棚が欲しかったのと、震災に懲りて、高くてもいいから頑丈な棚にしなければ、ということがあり、ネット通販している「本棚屋」さんから購入しました。(http://www.hondanaya.com/
ここの本棚は1センチ単位でサイズをオーダーでき、棚枚数も自由なので、本当に使い勝手がよくて良いです。

さて、今後の人生の目標は、子どもが成長したらさっさと追い出して、子供部屋を本棚部屋にすること。そのときには、また本棚屋さんへ注文をして、実家の本を持ち帰って……ということを夢想していますが、はたして順調にいくかどうか?

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絶景本棚
本の雑誌社
2018-02-22

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何時間でも熟読できる写真集「絶景本棚」(本の雑誌社)

何時間でも熟読できる写真集「絶景本棚」(本の雑誌社)

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本の雑誌社から今月出た新刊「絶景本棚」は、この手の本棚写真集としては最強の布陣です。
特にミステリ好きにとっては、京極夏彦、喜国雅彦、日下三蔵、北原尚彦、森英俊、さらには新井素子!……ホントにこれ、オールスターズですよ。
他人の家へ上がり込むと、お茶の用意を待つこともなく、なにはともあれ、まずは本棚チェックに取り掛かってしまうような人種にとっては、眺めているだけで至福のときを過ごすことができます。

一番期待していたのは京極夏彦の本棚なのですが、連載初期だったためか、ページ数・写真枚数が少なくてちょっとがっかり。しかし、その他の皆さんについては目を皿のようにして蔵書をチェックしてしまいます。
特に喜国雅彦の本棚は惚れ惚れします。1枚の写真の中にいったい何冊、横溝正史「呪ひの塔」が写っているんでしょう。いや、横溝はまだわかります。甲賀三郎「妖魔の哄笑」まで、何種類も揃える必要があるんでしょうか? 装丁の問題? 蔵書をスリム化するのが目標ということですが、いやいや、こんなラインナップを散逸させたらもったいない。さらに充実させた上で、最終的にはミステリー文学資料館がまとめて買い上げるべきでしょう。
また、見ているだけで勉強になります。朝日ソノラマから横溝の児童向けリライトが出ていたなんて知りませんでした。ネットで探してみると、かなり入手は難しいようですね。
「バァナビィ・ロッス 紙魚殺人事件」もバージョン違いが2冊ありますが、これはいったいなんだ? と思って検索してみると、ヒットしたのはやっぱり喜国さんのページ。クイーン「レーン最後の事件」の初訳がこのタイトルだったようです。うーん、確かに稀覯本をめぐる話ではありましたが……

と、喜国さんのダブり本をチェックするだけで何時間もかかってしまいますが(いや、それぞれバージョンが違うので、厳密にはダブり本ではありませんが)、登場している方たちのあいだでかぶっている本を探すのも面白いですね。
発見したのは、
「みうらじゅん大図鑑」……荻原魚雷、喜国雅彦
「南総里見八犬伝」(岩波文庫)……祖父江慎、松村幹彦
「光車よ、まわれ!」……藤脇邦夫、北原尚彦
以上、筆者の蔵書にもあるため、おや、と思って気づいた本です。もっとじっくり探せば、まだまだ見つかるでしょう。
ミステリ関係では、喜国雅彦、北原尚彦、森英俊の3氏はかぶりまくりですが、キリがないので省略。日下三蔵氏もかぶっていると思われますが、あまりの魔窟でよくわかりません。日下氏が編集するアンソロジーは膨大な蔵書を活用しているとばかり思っていましたが、この状態の蔵書をどのように活用できているのか、全く謎です。

という形で、ともかくいくら眺めても飽きない素晴らしい本です。続編もきっと出るだろうと期待しています。

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絶景本棚
本の雑誌社
2018-02-22

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ちなみに、以前、別に出ていた同じような企画「書斎探訪」には、なんと島田荘司の書斎も登場していました。「絶景本棚」ほど写真は多くないのですが、ファンには興味津々でした。

書斎探訪
宇田川 悟
河出書房新社
2012-05-17

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筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
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