
アルバムタイトルはアングラ風を狙ったものですが、「蟲」という文字に乱歩を感じるのは筆者だけではないでしょう。名曲揃いで、個人的には初期の筋少では最高傑作だと思っています。
1.風車男ルリヲ
【パノラマの島】大槻ケンヂがことのほか気に入っている乱歩の短編「パノラマ島奇談」より。
【月の裏のクレーター】
同じ言葉が3曲目「デコイとクレーター」、6曲目「僕の宗教へようこそ」にも出てきます。
2.少年、グリグリメガネを拾う
歌詞全体はドラッグで飛んでいる景色を表現しているようです。「グリグリメガネ」という言葉に元ネタがあるのかはわかりませんが、なんとなく藤子不二雄Aの漫画「まんが道」の満賀道雄、あるいは内田雄一郎のメガネをイメージしてしまいます。「花火」のあとがきによれば、ドラッグ体験にあこがれて作って曲ということです。
4.サボテンとバントライン
個人的な感想ですが、酒鬼薔薇事件の犯人が中学2年と知ったとき、この曲を連想しました。むろん、事件が起こるより7年も前に発表された曲です。全体的に西部劇風でまとめられています。
【バントライン】
「OK牧場の決斗」で有名なアメリカ西部開拓時代の保安官ワイアップ・アープが使用したとされる拳銃。
【真夜中のカウボーイ】
歌詞カードには「カウボーイ」とありますが、日本での公開タイトルは「真夜中のカーボーイ」。しかし、現代は「Midnight Cowboy」なので、「カウボーイ」の方が正解です。アメリカンニューシネマの代表作とされています。西部劇ではありません。
5.夜歩くプラネタリウム人間
【夜歩く】アルバム「SISTER STRAWBERRY」には「夜歩く」という曲が収録されています。横溝正史の金田一耕助シリーズ3作目、もしくはジョン・ディクスン・カーのデビュー作がこのタイトルです。
【サルガッソー海】
バミューダ三角地帯と並び、70~80年代に子どもたちを震え上がらせた魔の海域。メキシコ近海ですが、風がほとんどなく、サルガッソーという藻のような海草に覆われているため、一度入り込んだ船はなかなか脱出できず、遭難事件が多発すると言われています。(実際には根拠ゼロ)
6.僕の宗教へようこそ
「少年とネコ」というモチーフが「サボテンとバントライン」と共通します。【リュックサックに子ネコをつめた】
2枚目のアルバム「SISTER STRAWBERRY」に収録された「キノコパワー」にも「リュックサックに子猫を詰めて」という表現が出てきます。
【アンテナ】
この記事を読んでいる方には説明するまでもなく、「釈迦」や「いくじなし」にもアンテナ売りが出てきます。
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