20170512悪霊島077

今回は横溝正史原作の角川映画「悪霊島」(1981年:篠田正浩監督)のロケ地を探してみたいと思います。
70年代後半から大量に作られた横溝映画の中で、個人的には最も気に入っているのがこれです。
鹿賀丈史の金田一耕助が抜群に好きなのですが、とはいえ、この映画の感動の半分以上はラストに流れるビートルズ「Let it be」に負っているようにも思います。その点で、現在販売されているDVDでは、他アーティスト歌唱バージョンへ差し替えられているのが残念でなりません。
ビートルズの著作権がいつ切れるのかよく知りませんが、そのときには真っ先にこの映画の劇場公開版をソフト化すべし、と考えています。それまで頑張って生きるぞ!

それはさておき、ストーリーの説明抜きで、どんどん行きます。

冒頭、新宿の高層ビル群。写っているのは新宿三井ビルディングと、その奥に新宿野村ビルです。
screenshot000001新宿

メインタイトル。男性が落下している崖は瀬戸内海の島ではなく、日本海に浮かぶ隠岐島の摩天崖です。
screenshot001002摩天崖

隠岐の摩天崖で撮影したシーンは劇中に多々あります。例えばこの辺です。
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また冒頭付近へ戻って、金田一耕助と磯川警部が再開するシーン。岡山県笠岡港のフェリー乗り場です。金田一がもたれている石柱は今も健在で、その横に観光案内板もあります。
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モグリの産婆が殺された現場。広島県竹原市の町並み保存地区です。さすが、今も撮影当時のまま保存されています。
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刑部島の港。瀬戸内海の大崎下島です。これも、撮影当時から全く変わっていません。
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さて、一気に終盤へ飛んでしまいますが、鍾乳洞。これは岡山県新見市の満奇洞です。ストリートビューでは見られませんが、ネットで検索すると洞内の写真はいくらでも見られます。他サイトから引用するわけには行かないので、実際の景色は省略します。
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というわけで、あっという間に、ラストシークエンスですが、まずは主人公の乗る警察車両の前を横切る金田一耕助。笠岡港フェリー乗り場のすぐ近くです。
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最後の、遠ざかる金田一耕助の後ろ姿。これは確実にこの場所だという根拠はないのですが、周りのお店の名前などから調べて、恐らくこの位置だろうと思います。やはり笠岡港フェリー乗り場すぐ近くの路地です。ストリートビューでくるっと振り向いていただくと、冒頭で金田一耕助もたれていた石柱が見えます。
劇中での金田一耕助の動きとも一致している場所です。
今回ご紹介した中で、最も景色が変わっているのはこのショットですね。
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何の説明なく非常に駆け足で進めてしまいましたが、このページを見ているのは方は当然、映画「悪霊島」をご覧になっているはず、という前提で画像やストリートビューのリンクだけ掲載しました。
西日本中心とはいえ、かなり広い範囲でシーンごとに異なる場所でロケをしており、複雑な撮影をこなしていたことが伺えます。
例によって、撮影場所を特定できないものもたくさんあり、それらは省略しています。劇場公開時のパンフレットには、ロケ地がいくつか明記されており、その一つとして金田一耕助が野犬に襲われるシーンの撮影は滋賀県の余呉で行われたとあります。しかし、山中ということもあり、場所は見当もつきません。

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