備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

大河ドラマ原作

NHK大河ドラマ原作紹介 昭和48年~昭和52年

大河ドラマ原作紹介の第3回目です。
昭和50年前後は司馬遼太郎絶頂期かもしれません。
約5年おきに作品が大河ドラマとなり、またそのいずれの作品もが代表作として今も読まれ続けています。

第11作 国盗り物語 1973年(昭和48年)

原作:司馬遼太郎『国盗り物語』
紹介するまでもない、司馬遼太郎の代表作。特に前半の斎藤道三編は大変な迫力です。また、後半の明智光秀と織田信長の確執も非常に説得力があり、これを読むと「本能寺の変は起こるべくして起こった」と思ってしまいます。
ドラマは、総集編だけ見ましたが、原作に割りと忠実です。老獪な平幹二朗と、若々しい高橋英樹の対比が見事です。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)

第12作 勝海舟 1974年(昭和49年)

原作:子母澤寛『勝海舟』
終戦を挟んで連載された子母澤寛の大作が原作です。原作を読んだ感想をいえば、実は1巻が一番おもしろいです。勝海舟の親父、勝小吉の破天荒なエピソードが抜群です。小吉が死んでしまったときには、本当にがっかりしたものです。子母澤寛にはこの親子を主人公にした小説「父子鷹」もあり、読んでみたいのですが、今のところ絶版なのが残念です。
ドラマは、当初主役となった渡哲也が病気のため降板し、途中から松方弘樹が海舟を演じました。東映の実録やくざ映画全盛期であり、渡哲也も松方弘樹もすごみのあるシリアスな役ばかり演じていた頃なので、勝海舟の江戸っ子キャラをどう演じたのかちょっと想像ができません。
(リンク先はAmazon)

第13作 元禄太平記 1975年(昭和50年)

原作:南條範夫『元禄太平記』
これは今は絶版で、電子書籍すらありません。

第14作 風と雲と虹と 1976年(昭和51年)

原作:海音寺潮五郎『平将門』『海と風と虹と』
海音寺潮五郎の2作品を原作としていますが、どちらも絶版です。藤原純友を主人公とした「海と風と虹と」のみは、Kindleで無料でダウンロードできます。
海と風と虹と(上)
海音寺潮五郎
グーテンベルク21
2012-12-19
(リンク先はAmazon)

第15作 花神 1977年(昭和52年)

原作:司馬遼太郎『花神』
大村益次郎を主人公とした司馬遼太郎の代表作。新潮文庫のロングセラーです。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)

NHK大河ドラマ原作紹介 昭和43年~昭和47年

20170124新・平家物語032
大河ドラマ原作紹介の第2回目です。
今回も5年分の原作をご紹介します。
前回は、一部が入手困難でしたが、今回ご紹介する5作の原作は、いずれも歴史小説の名作として現在に至るまで途切れることなく読み継がれています。

第6作 竜馬がゆく 1968年(昭和43年)

原作:司馬遼太郎『竜馬がゆく』
大河ドラマでは初の司馬遼太郎原作。連載が完結したのは66年なので、出来たてほやほやで大河ドラマになったわけです。
改めて紹介するまでもなく、司馬遼太郎の代表作として今もよく読まれています。
(リンク先はAmazon)

第7作 天と地と 1969年(昭和44年)

原作:海音寺潮五郎『天と地と』
大河ドラマは初のカラー放送となった「天と地と」の原作は海音寺潮五郎です。現在はこれも文春文庫で版を重ねています。大河ドラマが放映された頃は角川文庫に収録されていましたが、1990年には角川春樹監督で映画化もされました。振り返ってみると、これももうずいぶん昔の話になりました。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)

第8作 樅ノ木は残った 1970年(昭和45年)

原作:山本周五郎『樅ノ木は残った』
伊達騒動で従来悪役とされた原田甲斐を主役に据えた物語。昔の大河ドラマは、短い話でも原作にしたんだなあ、と思っていましたが、よく考えると最近の「風林火山」や「天璋院篤姫」の方が、原作はもっと短いですね。
これも新潮文庫のロングセラーです。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)

第9作 春の坂道 1971年(昭和46年)

原作:山岡荘八『柳生宗矩』
「春の坂道」は、大河ドラマの原作用に山岡荘八が描き下ろしたものです。平成に入ってからの「炎立つ」や「琉球の風」と同じような趣向です。現在は、「柳生宗矩」と改題して、講談社の山岡荘八歴史文庫に収録されています。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)

第10作 新・平家物語 1972年(昭和47年)

原作:吉川英治『新・平家物語』
原作は吉川英治の戦後の代表作です。講談社の吉川英治歴史時代文庫でずっと版を重ねており、著作権が切れてからは新潮文庫にも収録され、電子書籍も多数出ています。
講談社版で全16冊、新潮文庫版で全20冊という非常に長大な小説であり、歴代大河ドラマ原作の中では、山岡荘八の「徳川家康」に次ぐ長さです。筆者は、新潮文庫版の刊行にあわせて、毎月一冊ずつ一年以上かけてボチボチと読んでいったので、飽きることなく最後まで読めました。
講談社版のほうが定番ですが、新潮文庫版や地図や系図などの資料がついており、また章の切れ目で一冊が終わるように編集されているため、読みやすいです。講談社版は一つの章が次の巻にまたがっているところがいくつかあります。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)

NHK大河ドラマ原作紹介 昭和38年~昭和42年

歴代NHK大河ドラマの原作小説をご紹介します。
やはり大河ドラマの原作に選ばれるだけあり、歴史小説の名作がずらりと並びます。
読書の参考になれば幸いです。

NHK大河ドラマは昭和38年にスタートしました。第1回目の今回は第5作までご紹介します。
50年以上も昔のことなので、入手困難な作品もあります。

第1作 花の生涯 1963年(昭和38年)

原作:舟橋聖一『花の生涯』
記念すべき第一作目は、井伊直弼の生涯を描いた「花の生涯」です。井伊直弼というと安政の大獄が有名で、どちらかというと悪役で登場することが多いため、一作目の主人公というのが意外です。
舟橋聖一の原作は現在は祥伝社文庫に収録されており、入手可能です。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)

第2作 赤穂浪士 1964年(昭和39年)

原作:大佛次郎『赤穂浪士』
第2作目は時代劇のド定番、忠臣蔵です。忠臣蔵、赤穂浪士を描いた小説は数多ありますが、大佛次郎の小説「赤穂浪士」は戦前から何度も映画化、ドラマ化が繰り返されている、これまたド定番です。
これまでいろいろな版が発行されてきましたが、現時点では全て品切れで、古本または電子書籍でなければ入手できません。一番最近は、新潮文庫に収録されました。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)

第3作 太閤記 1965年(昭和40年)

原作:吉川英治『新書太閤記』
緒形拳が一躍、人気俳優となったことで有名な「太閤記」は、吉川英治『新書太閤記』が原作です。こちらは、現在も講談社・吉川英治歴史時代文庫で読むことができます。文庫全11冊もある長い小説ですが、若き日に重点を置いており、実質的に天下を取る小牧・長久手の戦いまでで話は終わります。
吉川英治は著作権が切れているため、電子書籍が大量に発行されており、激安、あるいは無料で読めるものもあります。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)

第4作 源義経 1966年(昭和41年)

原作:村上元三『源義経』
尾上菊之助と藤純子が共演し、これが縁となって結婚したことで有名な第4作「源義経」は、村上元三が原作です。村上元三は、このドラマが放映された頃は非常に人気のある時代小説家でしたが、今はあまり読まれていません。「源義経」もいくつかの版がありますが、全て品切れです。一番最近は、学陽書房人物文庫に全4冊で収録されました。
源義経〈1〉 (人物文庫)
村上 元三
学陽書房
(リンク先はAmazon)

第5作 三姉妹 1967年(昭和42年)

原作:大佛次郎
栗原小巻がブレイクした第5作「三姉妹」は、大佛次郎原作となっていますが、特定の原作があったわけではありません。幕末を舞台にしたいくつの小説からエピソードを集め、オリジナルの物語としています。
スポンサーリンク
profile

筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
ブログ更新通知:https://twitter.com/squibbon19

プロフィール

squibbon