備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

亜愛一郎

『亜智一郎の恐慌』の亜愛一郎ネタ探し

亜愛一郎のご先祖様を思わせる亜智一郎が活躍する『亜智一郎の恐慌』という短編集があります。この中に現れている亜愛一郎ネタを気づいた分だけ拾ってみます。
ちなみに、泡坂妻夫の別シリーズのネタもちょこちょこと書かれていますが、今回はそれは省略し、亜愛一郎シリーズとリンクするネタに限ります。リンク先は当ブログ「亜愛一郎辞典」の該当項目です。

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雲見番 → 亜愛一郎は雲や昆虫を主な専門としているカメラマン。(雲見番拝命)
緋熊重太郎 → 緋熊五郎 (雲見番拝命)
経師屋橋之助 → 経師屋橋之助 (雲見番拝命)
宮前座 → 宮前市 (雲見番拝命)
地震 → 『亜愛一郎の狼狽』第一話「DL2号機事件」は宮前市を襲った大地震の話題で始まる。(雲見番拝命)
藻湖猛蔵 → 藻湖刑事 (雲見番拝命)
鈴木正團 → 鈴木正麻呂 (雲見番拝命)
古山奈津之助 → 古山奈津 (雲見番拝命)
普賢菩薩 → 古山奈津の背中には普賢菩薩の刺青があった。(雲見番拝命)
耳成新兵衛 → 耳成 (地震時計)
「ふつ」の字紋 → 最終話「亜愛一郎の逃亡」に登場する「フツ国」の紋章と同じ。(地震時計)
有江屋 → 有江屋 (地震時計)
桝金 → 桝銀 (ばら印籠)
上岡菊敬 → 上岡きくけこ (薩摩の尼僧)
「歩いてしなしなしている亜」 → 最終話「亜愛一郎の逃亡」に「歩いている亜」「歩いて寝ている亜」など大量の回文が登場する。(大奥の曝頭)

読んでいるあいだは、もっとたくさんのネタが登場していたように感じましたが、改めてまとめてみるとそれほどでもないですね。
『泡坂妻夫引退公演』に収録された「亜智一郎」ものについては、後日またまとめてみます。

亜愛一郎辞典〈ま-わ行〉

《凡例》
・複数作品に登場する項目は青字とした。
・実在する項目については「★」印を付けた。
・各項目の説明は、登場する作品内での記述を総合した。
・ネタバレは無いよう注意を払ったが、亜愛一郎シリーズを読了している方を対象として作成している。
・ネタバレ回避のため、最終話「亜愛一郎の逃亡」に登場する人物は一部を省略した。
・創元推理文庫版を参照して作成した。
・「ホロボの神」は、単行本収録版は《単》、「幻影城」掲載の初出版は《幻》を付した。
・新たな発見があれば随時更新する。

〈ま〉

ますぎん【桝銀】
酒屋。
※「火事酒屋」


まるせるしゅうぉっぶ【マルセル シュウォッブ★】
フランスの小説家。「黄金仮面の王」という短編がある。(乱歩の長編「黄金仮面」というタイトルもこれが元ネタ)
※「掌上の黄金仮面」


まんど【満戸】
花盛線の駅。
※「砂蛾家の消失」


まーてるのあおらべる【マーテルの青ラベル★】
高級コニャック。
※「G線上の鼬」「赤の讃歌」


〈み〉

みぎうでやま【右腕山】
人が肘枕で寝ている姿に似た山。南国にある。
※「右腕山上空」


みそらがおかしんだんち【美空が丘新団地】
たぬきの茂平こと二毛茂平の肝煎りで開発された4階建ての団地。通称・お化け団地
※「曲がった部屋」


みついかめお【三井亀夫】
帽子の持ち主。
※「ねじれた帽子」


みついしぎんこう【三石銀行】
西上野支店が強盗被害に遭った。
※「掌上の黄金仮面」「争う四巨頭」


みどころ【水所団地】
調布の先にある団地。
※「G線上の鼬」


みなとをみるひ【港を見る灯】
加茂珠洲子の曲。
※「珠洲子の装い」


みふねすぽーつびーさんびゃくごじゅうしーしー【ミフネスポーツB350cc】
オートバイ。
※「ホロボの神《幻》」「意外な遺骸」


みまり【美毬】
銀蔵の妻。
※「火事酒屋」


みみなり【耳成】
右腕山中学校天文部1年生。通称「ミミ」。
※「右腕山上空」


みやじりし【宮後市】
以前は温泉街として賑わった町。
※「亜愛一郎の逃亡」


みやまえくうこう【宮前空港】
宮前市にある空港。空港に降りる飛行機の全てがプロペラ機で、週に数える程しか便がない。前年の震度7の大地震で滑走路が亀裂を生じた。
※「DL2号機事件」「珠洲子の装い」


みやまえけいさつしょ【宮前警察署】
宮前市の警察署。署長は江戸幕府旗本の末裔で、趣味は生け花。
※「DL2号機事件」


みやまえし【宮前市】
50年に一度、大地震に見舞われる九州の町。前年の震度7の地震では市の三分の二までが甚大な被害を受けた。
※「DL2号機事件」「掌上の黄金仮面」「珠洲子の装い」


〈む〉

むかいざいばつ【向井財閥】
羽並市の財閥。
※「掌上の黄金仮面」


むしゃのひがしのこうじじろうざえもん【武者東小路次郎左衛門】
双宿中学校の教師。歴史学者。
※「飯鉢山山腹」


むしゃのひがしのこうじたろうざえもん【武者東小路太郎左衛門】
歴史学教授。大竹譲の友人。
※「ねじれた帽子」


むしょうこ【霧昇湖】
北海道釧路の近くにある湖。
※「双頭の蛸」


むろのはじめ【室野肇】
釣りが趣味の会社員。
※「砂蛾家の消失」


〈も〉

もこけいじ【藻湖刑事】
警視庁西上野署の刑事。拳銃の名手。
※「掌上の黄金仮面」


もとおおぜ【元大銭】
花盛線の駅。
※「砂蛾家の消失」


もときちょう【基木町】
金堀町の隣町。市電の始発駅。
※「黒い霧」


もりのさるおまつりの【もりのさる おまつり の】
池本銃吉作 一荷聡司画の絵本。青蘭社刊。
※「掘出された童話」


もろじゅく【双宿】
府館線沿いにある海が近い町。
※「掘出された童話」「歯痛の思い出」「飯鉢山山腹」「亜愛一郎の逃亡」


もろじゅくちゅうがっこう【双宿中学校】
双宿にある中学校。
※「飯鉢山山腹」


〈や〉

やしまうに【屋島ウニ】
双宿の水産加工会社。
※「飯鉢山山腹」


やまねきょうじゅ【山根教授】
昆虫学者。
※「三郎町路上」


やまのうえげか【山の上外科】
青蘭市の外科。
※「火事酒屋」


ヤーマ【ヤーマ】
ホロボ島酋長の息子。
※「ホロボの神《単》」


〈よ〉

よこかわけいじ【横川刑事】
北海道警の刑事。
※「双頭の蛸」


よっこ【ヨッ子】
鐘田を振った女の子。
※「ホロボの神《幻》」


よつやしんたろう【四谷新太郎】
四谷乱筆の甥。
※「球形の楽園」


よつやしんたろう【四谷若菜】
四谷新太郎の妻。
※「球形の楽園」


よつやらんぴつ【四谷乱筆】
蠍町の大富豪。
※「球形の楽園」


よろ【寄呂】
釧路市郊外の町。
※「双頭の蛸」


〈り〉

りんこ【りんこ】
加茂珠洲子の愛称。
※「珠洲子の装い」


りんこりんす【りんこリンス】
りんこちゃんみたいな髪の色になるリンス。
※「珠洲子の装い」


〈る〉

るじり【留尻】
霧昇湖近くの地名。
※「双頭の蛸」


るじりしょうがっこう【留尻小学校】
留尻にある小学校。
※「双頭の蛸」


〈ろ〉

ろくはら【六原】
パチンコ経営者の息子。
※「ホロボの神《幻》」


〈わ〉

わたぬきいわお【綿貫岩男】
最近、山を売って金持ちになった。通称「たぬきの岩さん」
※「意外な遺骸」


わるさーぴーさんじゅうはち【ワルサーP38★】
ドイツの軍用拳銃。
※「掌上の黄金仮面」


亜愛一郎辞典〈な-は行〉

《凡例》
・複数作品に登場する項目は青字とした。
・実在する項目については「★」印を付けた。
・各項目の説明は、登場する作品内での記述を総合した。
・ネタバレは無いよう注意を払ったが、亜愛一郎シリーズを読了している方を対象として作成している。
・ネタバレ回避のため、最終話「亜愛一郎の逃亡」に登場する人物は一部を省略した。
・創元推理文庫版を参照して作成した。
・「ホロボの神」は、単行本収録版は《単》、「幻影城」掲載の初出版は《幻》を付した。
・新たな発見があれば随時更新する。

〈な〉

なかいし【半石】
花盛線の駅。
※「砂蛾家の消失」


なかがみやすきち【中神康吉】
ホロボ島独立守備歩兵隊大和田隊の元隊員。
※「ホロボの神《単》」


なかざときょうじゅ【中里教授】
植物学者。中里ララの父。
※「ホロボの神《幻》」


なかざとなな【中里奈那】
武者東小路次郎左衛門の妻。
※「飯鉢山山腹」


なかざとらら【中里ララ】
歌手。
※「G線上の鼬」「珠洲子の装い」「赤島砂上」「球形の楽園」「双頭の蛸」「赤の讃歌」


なすけいじ【那須刑事】
妃護警察署の刑事。
※「意外な遺骸」


なべなしなべな【ナベナシナベナ】
学名が廻文になっているナベナ。
※「意外な遺骸」


なるやま【成山】
東大助教授。地質学者。
※「DL2号機事件」


〈に〉

にいろふじこ【新色藤子】
人気絶頂で自殺した女優。
※「藁の猫」


にうしまや【ニウ島屋】
「屋島ウニ」を逆から読んだもの。
※「飯鉢山山腹」


にしたきお【西多喜男】
鐘田、六原の仲間。
※「ホロボの神《幻》」


にじゅういっせいき【二十一世紀】
暴走族グループ。
※「ねじれた帽子」


にじゅうろくや【二十六屋】
サラ金業者。
※「飯鉢山山腹」


にんげんしゃ【人間社】
「週刊人間」を発行する出版社。
※「掘出された童話」「双頭の蛸」「赤の讃歌」


〈は〉

はいはんとせらす【ハイハントセラス★】
アンモナイトが棒のように伸びた珍種。
※「藁の猫」


はこざききょうこ【箱崎京子】
箱崎幸男の妻。
※「赤島砂上」


はこざきゆきお【箱崎幸男】
会社員。
※「赤島砂上」


はこもりいつこ【箱森伊津子】
「輝け加茂珠洲子大賞ショウ」の参加者。
※「珠洲子の装い」


ばすとあさの【バスト浅野】
サンプロダクション所属の芸人。ヒップ大石の相方。
※「右腕山上空」


はださんぞう【羽田三蔵】
宮前警察署の刑事巡査。
※「DL2号機事件」


はなみえき【羽並駅】
中枢新幹線の距離数分割方式によって設置された田んぼの真ん中の駅。
※「掌上の黄金仮面」


はなみし【羽並市】
向井と千賀井という二つの財閥に牛耳られる、市になったばかりの町。
※「掌上の黄金仮面」


はなみだいがく【羽並大学】
羽並市の大学。
※「球形の楽園」


はなもりせん【花盛線】
富高線の花盛から西に伸びる盲腸のような短い線。
※「砂蛾家の消失」


ばぶるとれみー【バブル・トレミー】
シャンソンの天才的作曲家。
※「G線上の鼬」


はまおかこうじ【浜岡孝二】
タクシー運転手。
※「G線上の鼬」


はらはまぐんそう【原浜軍曹】
ホロボ島独立守備歩兵隊大和田隊の通信兵。
※「ホロボの神《単》」


ばりかんちょう【バリカン町】
朝日響子の住む町。
※「三郎町路上」


ばーおうごんかめん【バー黄金仮面】
羽並市に近日開店予定のバー。店名はマルセル・シュウォッブの小説のタイトルからいただいた。
※「掌上の黄金仮面」


〈ひ〉

ひがしのせんせい【東野先生】
ミミズの研究家。
※「亜愛一郎の逃亡」


ひぐまごろう【緋熊五郎】
柴の運転手。ひょろりとした青白い男。酔っ払い運転をして柔道少女を撥ねた過去を持つ。
※「DL2号機事件」


ひげ【氷解】
県警捜査一課を指揮している真っ黒な髭の大男の刑事。
※「右腕山上空」


ひごさんがくたい【妃護山岳帯】
仙波山を擁し温泉の噴出する地域。
※「意外な遺骸」「赤の讃歌」


ひさと【陽里】
盛栄堂病院の看護婦。
※「病人に刃物」


ひさま【久間】
花盛線の駅。
※「砂蛾家の消失」


ひっぷおおいし【ヒップ大石】
サンプロダクション所属の芸人。バスト浅野の相方。
※「右腕山上空」


ひびのしちょう【日比野市長】
妃護市の市長。
※「意外な遺骸」


ひびののぶみつ【日比野信光】
日比野市長の息子。
※「意外な遺骸」


ひめおおくさしでむし【ヒメオオクサシデムシ】
江戸時代に南米から渡ってきた種との雑種のシデムシ。美空が丘新団地で爆発的に増えた。
※「曲がった部屋」


ひょうたんぐも【ヒョウタングモ】
①飛行する蜘蛛。②瓢箪の形をした雲。トレミー氏瓢状雲など。
※「三郎町路上」


〈ふ〉

ふかんせん【府館線】
府参で東海道線に接続する駅。
※「掘出された童話」「歯痛の思い出」


ふくろちょう【袋町】
美空が丘新団地のある町。
※「曲がった部屋」


ふざん【府参】
東海道線の駅。府館線に接続。
※「掘出された童話」


ふじかみまんじ【藤上万次】
三石銀行強盗犯の一人。
※「掌上の黄金仮面」


ふじさわまるせる【藤沢マルセル】
藤沢市街の一番外れにある古い帽子屋。
※「ねじれた帽子」


ふたげさくこ【二毛佐久子】
二毛敏胤の妻。
※「曲がった部屋」


ふたげとしたね【二毛敏胤】
二毛茂平の息子。
※「曲がった部屋」


ふたげもへい【二毛茂平】
九州・宮前市出身の政治家。
※「曲がった部屋」


ふるぶくろ【古袋】
美空が丘新団地の建つ集落。日本一長い私道がある。
※「曲がった部屋」


ふるやまなつ【古山奈津】
暴力団の女組長。通称、普賢の奈津。
※「赤島砂上」


ふーじにー【フージニー★】
フーディーニ。奇術師。
※「亜愛一郎の逃亡」


〈へ〉

へげたうお【ヘゲタウオ】
二十度前後の水温に棲息する淡水魚。
※「意外な遺骸」「赤島砂上」「双頭の蛸」「火事酒屋」


べれったのなげき【ベレッタの嘆き】
主役が拳銃という、ガンマニアのための映画。
※「掌上の黄金仮面」


べんてんいわ【弁天岩】
かつて飯鉢山にあった岩。
※「飯鉢山山腹」


へんめりー【ヘンメリー★】
スイス製のライフル。
※「掌上の黄金仮面」


〈ほ〉

ほたのかいがん【保多の海岸】
粥谷東巨の作品。晩年の力作。
※「藁の猫」


ほてるにゅーぐらんどうまもと【ホテルニューグランド馬本】
馬本に一軒だけある木造のビジネスホテル。
※「意外な遺骸」


ほてるにゅーぐらんどさそり【ホテルニューグランドサソリ】
蠍町のホテル。
※「球形の楽園」


ほてるにゅーぐらんどせいらん【ホテルニューグランド青蘭】
青蘭市の木造二階建ての小さなホテル。
※「火事酒屋」


ほてるにゅーぐらんどみやじり【ホテルニューグランド宮後】
旅館「有江屋」を改装した宮後市のビジネスホテル。
※「亜愛一郎の逃亡」


ほてるにゅーぐらんどみやまえ【ホテルニューグランド宮前】
宮前市で一番安いホテル。
※「DL2号機事件」


ほてるにゅーぐらんどよろ【ホテルニューグランド寄呂】
寄呂のビジネスホテル。
※「双頭の蛸」


ほろぼとう【ホロボ島】
南方の島。
※「ホロボの神《単》《幻》」


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profile

筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
ブログ更新通知:https://twitter.com/squibbon19

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