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デュマ

ドラマ「モンテ・クリスト伯」登場人物名は原作をどう生かしているか。

ドラマ「モンテ・クリスト伯」について、前回の記事(原作ファンとしてドラマ「モンテ・クリスト伯」を擁護する)は第2回までの感想でしたが、第3回も原作ファンもニヤリとさせるシーン満載で、とても楽しめました。

その話の前に、登場人物名について気づいたことを書いてみます。
19世紀フランスを舞台にした原作を現代日本へ置き換えるに当たり、役名はもちろん全員、日本名になっていますが、なかなかうまく原作の人物名を活かしています。(原作の名前の表記は翻訳によって違うため、ここではWikipediaに準じています)

エドモン・ダンテス  → 柴門暖(さいもんだん
ファリア神父  → ファリア真海(ふぁりあしんかい)
フェルナン → 南条幸男(なんじょう)
ダングラール → 神楽清(かぐら
ィルフォール → 入間公平(いるま)
ノワルティエ → 入間貞吉(いるまていきち)
モレル → 守尾(もりお)
カドルッス → 寺角類(てらかどるい)
ベルトゥッチオ → 土屋(つちや
エデ → 江田愛梨(えだ

ということで、原作の名前から何文字か引用しつつ、現代的な名前をつけています。この辺、原作ファンとしてはニヤニヤしっぱなしです。
で、肝心のメルセデスはというと「すみれ」。
ぜんぜんかぶってないやんか、と言いたくなりますが、名字が「目黒」

ルセデス → 目黒すみれ(ぐろ)

一文字だけですが、なんとかクリアしています。

このように、登場人物表を作って見るだけで、いかに原作をきちんと追いながら話を進めているかがわかります。
第3回も原作のエピソードを細かく組み直して、よく気を配っていました。ディーン・フジオカ好きの妻は「急に話が怖くなった」と言っていましたが、怖いポイントはほぼ原作通りなのです。

まず、冒頭のボートでの遭難は、原作ではフェルナンの息子・アルベール(青年)が山賊のヴァンパにさらわれるエピソードが該当します。モンテ・クリスト伯によって救出され、アルベールがお礼に自宅へ招き、そこで伯爵はフェルナン、メルセデスと再会します。
ドラマには、すみれの登場を待つ間、壁に貼られている似顔絵を眺めるシーンがありますが、これは原作でも壁にかけられた肖像画を見て、現在の姿を想像するシーンがあり、これを再現したものです。
入間の妻がアレルギーの発作を起こすシーンは、原作ではヴィルフォールの妻が乗った馬車が暴走するエピソードに該当します。
入間が神楽の妻とのあいだにできた子を庭へ埋め、それを土屋が目撃していたというエピソードは原作そのままです。

さて、原作と異なる点は晩餐会のメンバー。原作では南条(フェルナン)は参加しておらず、その他の人物が何人が招待されています。
また、江田の役柄は、原作で伯爵の手足となって動き回っている何人かの手下の役を一人にまとめているようです。原作でも復讐のために重要な役目を務めますが、それよりも伯爵に寵愛される愛人という印象の方が強いです。
この辺、どのような意図があっての改変なのか、今後の展開に期待です。

なお、晩餐会では魚料理が出ていましたが、原作でもここで出された料理は魚です。こんな細かいところまで原作へのリスペクトが感じられて、原作ファンとしては嬉しいところです。

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原作ファンとしてドラマ「モンテ・クリスト伯」を擁護する

4月19日から放映の始まったドラマ「モンテ・クリスト伯」。
以前にこちらの記事で書いたように大好きな小説なので、ドラマもどんな出来なのか見てみました。
これはなんと、ビックリするくらい原作に忠実ですね。
いや、舞台を現代の日本へ置き換えている時点で「忠実」とは言えないかも知れませんが、舞台や人物の設定以外は、原作へのリスペクトが感じられ、とても好感を持ちました。

ところが、ネットで感想を見ているとあまり評判は良くないようです。
Googleで「モンテ・クリスト伯」と検索すると、小説ではなくドラマの情報ばかりヒットする状況ですが、並んでいるのは
「『モンテ・クリスト伯』支離滅裂すぎでもはやギャグ」
「ディーン『モンテ・クリスト伯』初回5.1%! 「想像を絶するダメ演技」と酷評相次ぐ」
なんていう記事が目立ちます。
これはまずい!
せっかく見始めたドラマが打ち切りになってはたまりません。
というわけで、緊急で擁護する記事を投稿することにします。(ちなみに第2話まで見た時点での感想です)

まず、視聴者の多くが突っ込んでいる最大のポイント。
投獄前と脱獄後とで、全然顔が変わっていないのに、誰も暖に気づかないのはおかしい、というもの。
はい、これは、確かにそのとおりです。弁護の余地なし。
……と言ってしまうと話が終わってしまうのですが、しかし考えてみてください。
第2話以降、ディーン・フジオカがずっと老けメイクをしていたとしたら、そんなドラマ見たいですか?
ドラマに求められるのはリアルな描写ではありません。主演スターのファンを満足させることも重要です。となると、それぞれの場面に適したディーン・フジオカの「かっこよさ」を引き出すことが優先されます。
暖が守尾社長のもとを訪れ、なんとか自分に気づいてもらおうと話を振るのに全く気づいてもらえない……というシーンをもって、「親しい人にもわからないくらい変貌している」というエクスキューズは済ませています。したがって、視聴者にはその事実を前提として受け入れ、余計な突っ込みをしないことが求められるわけです。
皆さん、ぜひ次回以降は「暖の容貌は変わってしまった」という事実を受け入れた上でドラマをご覧ください。

次に、やはり現代日本を舞台にしていることへの違和感。
これもしかし、筆者としてはむしろ、かなり頑張って変換していることに感心しました。
「ナポレオンの手紙」が「テロリストの手紙」に。
実際、19世紀フランスの王党派にとって、ボナパルト党はテロリストだったんでしょう。
ナポレオンの手紙は、受取人であるノワルティエ氏の息子・検事代理のヴィルフォールによって燃やされますが、ドラマでもヴィルフォールに該当する入間公平がライターの火で燃やしてしまうので、「おお、ここまで再現!」とちょっと感動しました。
現代日本においては、土牢に十年以上も放り込まれたあげく、さらにそこから脱出するなんていう展開は全く不可能ですが、テロ事件に関係したとして他国へ送致されたとなると、まああり得なくもないでしょう。いや、あり得ないか。

獄中で出会うのはファリア神父ですが、やっぱり神父が出てくるんだろうか、と思っていたら名前が「ファリア真海」! これも原作へのリスペクトと言えます。
脱獄方法も原作と全く同じ。
ただ、細部では少し異なる部分があります。
原作では、神父の死体を自分のベッドへ寝かせて身代わりにしますが、ドラマでは穴の中のまま。これでは、看守に見つかってしまうのでは、と少し心配になりました。
原作では海へ投げ込まれる際、重りは縄で足に結ばれていますが、ドラマでは鉄の鎖。よくぞ息が切れる前に外せたもんです。
……と、いろいろ書いていると擁護記事でなくなってきそうですが、そういう細かいところ以外は、現代的な形に変換しつつも正確に原作をなぞっていて、感心しています。

原作では財宝はモンテ・クリスト島の洞窟に隠されており、これを探し出すだけで100ページくらい費やしていますが、ドラマではシンガポールの銀行へ行って、暗証番号を伝えるだけであっさり受け取ってしまいます。まあ、この辺は長い原作を適度に端折るためには許容範囲内かと思います。
守尾社長への恩返しも、原作では非常に劇的な展開をしますが、ドラマではあっさり。とは言え、これはエピソードとしてちゃんと挿入しているだけでもエライもんです。
事件の真相も、獄中で神父が推測した話を、脱獄後にカドルッスに会って確認しますが、ドラマでも同じく、寺角が真相を語ります。なかなか細かいところまで気を配っています。

第2話の終わりではクルーザーに乗って姿を現し、正体不明の財力を見せつけます。
この「クルーザー」、単に金持ちの象徴として出てきているわけではありません。
原作でも、帆船を買い取り、それを乗り回しているのです。そこを再現しているものと思われます。

さて、次は第3話。いよいよ復讐の幕開けです。
原作の面白さは、緻密に計算された復讐の段取りと、それを叶えるために湯水のように金を使っていくゴージャスさです。無尽の財力で敵を追い詰めていく姿が、読者には「痛快」と映ります。
この辺はドラマでも期待できそうです。
ただ気になるのは、原作では投獄から復讐の開始まで23年も経っているのですが、ドラマでは14年です。
フェルナンとメルセデスのあいだに出来た息子・アルベールは青年に成長していますが、ドラマで南条とすみれとのあいだに生まれた娘(息子じゃない!)は、まだ子供と思われます。
アルベールほどガッツリと伯爵にからむわけにいかないので、その辺、どうするつもりなんだろう?

もしかすると第3話以降で急に原作から離れていってしまうかも……という不安を抱きつつも、今のところはかなり楽しんで鑑賞しております。





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「一人は皆のために、皆は一人のために」という合言葉で有名なアレクサンドル・デュマの「三銃士」。
何度も映像化されてしますし、ミュージカルなどの原作にもなっています。児童向けの世界名作全集などにも必ずと言ってよいほど収録されている作品です。
筆者は大人になってから初めて読みました。それも、まだ5年くらい前のことで、わりと最近です。
実は小学生の頃にも岩波少年文庫版で読もうとしたことがあるのですが、読み始めてすぐに「全然おもしろくない」と思って、そのままになっていたのでした。
そんなわけで、これまでの人生は「三銃士」を面白いという人に対してずっとコンプレックスを抱いていて、アニメも人形劇も、一切観ることはありませんでした。

ところが。
とある本の中で褒められているのを見て、急に読みたくなり手にとったのですが、
……これはむちゃくちゃ面白い! 現代のエンターテインメントと比べても全く遜色のない、華やかでスリリングなチャンバラ小説です。。
逆に、小学生の時にいったいなぜつまらないと思ったのか、まるきり理由がわからなくなりました。
こんなことなら、三谷幸喜の人形劇もチェックしておくべきだった!

というわけで、未読の方にはぜひ一読をおすすめしますが、この小説もいろいろとバージョンが出ています。それぞれの特色をご説明しておきます。

その前に。
冒頭にも紹介した「一人は皆のために、皆は一人のために(un pour tous, tous pour un)」という合言葉ですが、実は邦訳でこの部分が直訳されているものは一つもありません。
筆者が読んだものは「四人はつねに一体となって協力する」と、語呂の悪い言い回しになっていますし、他の翻訳でも「四人は一つ、切っても切れぬ」「四人一体」など、かなり自由に意訳されています。
ふつうに直訳した方が、読者にも「あ、あの有名な合言葉だ!」とわかりやすいと思うのですが、なぜ揃いも揃ってこんな風になっているのか、よくわかりません。
「三銃士」といえば、4人が剣を合わせ、声高らかに「一人は皆のために、皆は一人のために」と叫ぶものだ、というイメージをお持ちの方、残念でした。児童向けのダイジェスト版を除いて、直訳はありません。なおかつ、このシーンでは各々片手を挙げて宣誓するのみで、剣を合わせたりはしません。

さて、いきなり読む気を削ぐようなことを書いてしまいましたが、いやいや「三銃士」の魅力はその程度では全く損なわれませんのでご安心ください。
それでは、数ある翻訳から、何を基準に選べばよいのか。

「ダルタニャン物語」

まず最初におすすめしたいのは、復刊ドットコムから刊行されている鈴木力衛訳の「ダルタニャン物語」です。
「三銃士」は文庫本で2冊ほどの小説なのですが、実はこれは「ダルタニャン物語」という長い長い大河小説の最初のエピソードに過ぎません。「三銃士」のあとに「二十年後」「ブラジュロンヌ子爵」と続くのですが、それぞれ「三銃士」の倍以上の長さがあるため「ダルタニャン物語」全体では全11巻という長さになっています。
「三銃士」で友情の絆を固めたダルタニャン、アトス、ポルトス、アラミスの4人が、時には対立しつつも切っても切れぬ関係を続け、多くの敵や陰謀と戦い続ける物語です。

今のところ、このシリーズ全てを邦訳したのは鈴木力衛のみです。以前は講談社文庫で刊行されていましたが、それが絶版になったあと復刊ドットコムから単行本で復刊されています。
全11冊のぞれぞれにオリジナルの書名がつけられていますが、この1~2巻が「三銃士」に該当します。




筆者は、シリーズを全部読むつもりで取り掛かったので、この復刊ドットコム版で読みました。
鈴木力衛の翻訳はWikipediaで調べたところ、昭和27年が初刊のようで、現在流通しているものは昭和43年に改訳されています。わりと古いといえば古いのですが、全く気にせず楽しむことができます。
「ダルタニャン物語」を全部読むつもりであれば、選択肢はこれしかないのですが、デメリットとしては単行本なので価格がずいぶん高いということがあります。1冊買う価格で文庫なら上下巻とも揃えてお釣りが来ます。したがって、とりあえず「三銃士」だけ読みたい、という方には向かないでしょう。
どこかの文庫で、まとめて復刊し直してくれると読みやすくなっていいのに、と思うのですが。
ちなみに「三銃士」にこれほど人気があるのに、続編をこれほど読みづらいのは日本くらいで、洋書ではシリーズ全てがペーパーバックで何種類も出ています。フランス語や英語が読める方は、そちらへチャレンジするのも手でしょう。復刊ドットコム版を揃えるよりもかなり安くなります。

(英語版ペーパーバック。いずれもリンク先はAmazon)
The Three Musketeers (Oxford World's Classics)
Alexandre Dumas
Oxford Univ Pr (T)



Twenty Years After (Oxford World's Classics)
Alexandre Dumas
Oxford Univ Pr (T)




文庫版のおすすめ

次に、とりあえず「三銃士」だけ読みたい、という方のために文庫版をご紹介します。
現在入手可能なものは岩波文庫と角川文庫の2種類のみです。(いずれもリンク先はAmazon)

生島遼一・訳


竹村猛・訳


これもWikipediaによれば、生島遼一訳の初刊は昭和22年、竹村猛訳の初刊は昭和36年。どちらも結構な古さです。
生島遼一は岩波文庫版のスタンダールやフローベールなどを訳しており、フランス文学の翻訳家として定評があります。また、竹村猛はデュマの作品ではほかにダイジェスト版ではありますが、岩波少年文庫版の「モンテ・クリスト伯」を訳しています。
実力の拮抗している翻訳家対決ですが、どっちの訳文が読みやすいかといえば、実はどっちも読みやすいです。
その証拠に、生島遼一訳のダイジェスト版は岩波少年文庫から出ており、竹村猛訳は全訳のまま文字遣いだけ少し改めて、偕成社文庫に収録されています。つまりどちらも児童文庫に流用されているのです。
そんなわけで、どちらで読むかは「お好みで」ということになります。

児童向けのおすすめ完訳本

次に、児童向けとして刊行されている完訳を2つご紹介します。

まず、偕成社文庫版は、上述の通り角川文庫版と同じ翻訳の文字遣いを改めたものです。
さらにもうひとつ角川文庫版とは違う点があり、それは挿絵が収録されていることです。
竹村猛・訳
(リンク先はAmazon)


児童書でおすすめはもう一点、福音館古典童話シリーズから出ている朝倉剛訳です。
おすすめのポイントは、まず初刊が昭和45年で、他の翻訳と比べて新しい点。またそもそも児童向けを意識して翻訳されているため、読みやすい文章です。
また、なによりこの本がすばらしいのは、その挿絵です。
筆者は原書の挿絵というものが好きなため、当ブログでこれまで紹介した「レ・ミゼラブル」や「海底二万里」でも、おすすめポイントとして挿絵を重視しています。ただし、それらには原書初版に付された言わば公式の挿絵というものがありました。
しかし、「三銃士」にはそのような位置づけの挿絵は無いようで、偕成社文庫版と福音館古典童話シリーズ版とでは異なった挿絵が使用されています。また、福音館版の挿絵を描いた画家の経歴を見ると「三銃士」が刊行されたときにはまだ生まれていません。つまり、ずっと時代が下ってから描かれた挿絵と思われます。
とはいえ、この福音館版の挿絵はとても素敵で、作品世界の理解に大いに役立つとともに、挿絵だけを眺めていてもうっとりするほどです。

朝倉剛・訳


そんなわけで、「三銃士」の全ての翻訳の中で、個人的にはこの福音館版が最も気に入っているのですが、デメリットとしては、やはり価格が高い。上下揃えると5000円くらいになってしまいます。また、解説によれば僅かに省略した部分がある版を翻訳の底本にしているとのことです。

自分で読むにはやはり価格の点が引っかかってきますが、「お子さんへプレゼント」ということをもし考えているのであれば、福音館版でキマリでしょう。一生、大切にできる本だと思います。
現に、筆者の手元にある福音館版は、子どものころ親に買ってもらったものです。
冒頭に書いたとおり、岩波少年文庫版を途中で放り出していたくせに、こんな高い高い福音館版をどういう経緯で買ってもらったのか全然覚えていません。それをまた読まずにこの年まで放置していた親不孝者です。しかし、30年近く経ってから、ようやくその真価に気づくことができたので、ヨシとしましょう。今更ながら、この高い高い本を買ってくれた両親に感謝感謝です。
筆者の息子がもし「三銃士」を読みたいと言い始めたら、この本をそのままプレゼントして済ませるつもりでいます(やはり親不孝者)。

児童向けダイジェスト

最後に、児童向けダイジェストをご紹介しましょう。
「三銃士」は抜群の面白さで一気読みできますが、とはいえ、文庫本上下巻の長さはあります。海外の小説をあまり読まない方には敷居が高いかもしれません。
映画や舞台などで「三銃士」を見て、原作にも触れておきたい、という程度であれば、ダイジェストを読んでみるというのもアリです。
児童向けダイジェストはかなりたくさんの種類が出ていますが、最もおすすめは講談社青い鳥文庫から出ている藤本ひとみによるものです。



藤本ひとみはもともとコバルト文庫などで少女小説を書いていましたが、その後、主にフランス史を題材とした歴史小説を書くようになりました。
フランスの歴史を背景に華やかでスリリングな世界を描いた「三銃士」を紹介するのに、これほどうってつけの方はいません。
児童向けに書かれたものですが、藤本ひとみファンはもちろん、一般の方が読んでも間違いなく楽しめます。
ただし。本書には一点だけ重大な問題あります。
実は「一人は皆のために、皆は一人のために」の宣誓シーンが省略されているのです。そこだけちょっと残念。まあ、原作ではそれくらい、わりと軽く扱われているセリフなんですけどね。

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筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
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