20170517映画秘宝オールタイムベスト083

今日の記事は、資料的価値は一切ない、駄文です。

筆者が愛読している映画雑誌「映画秘宝」が今月、最新版のオールタイムベストを発表しました。
映画秘宝はこれまでに3回、オールタイムベストを選出しています。
最初は1998年。うわ、もう20年経ってる!というのが個人的には驚きですが、当時はまだ大判の定期刊行物ではなく、不定期刊行のA5版ムックでした。
『映画秘宝期間限定版 ベストテンなんかぶっとばせ!!』というタイトルで、1997年の年間ベストに加え、映画秘宝初のオールタイムベストを掲載したものでした。

改めて、年間ベストを眺めると、20年前なのにちっとも懐かしくないですね。というのは、この年は大好きな映画が集中していて、ほとんどDVDを所有しているうえ、今でもときどき見直しているからです。つまり、筆者の中では現役バリバリの映画ばかりなのです。
ちなみに、こんなラインナップでした。(★印はDVD所蔵)

1.マーズ・アタック★
2.コンタクト
3.アナコンダ★
4.ロスト・ハイウェイ★
5.新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを君に
6.インデペンデンス・デイ★
7.フェイス・オフ★
8.スター・ウォーズ 特別編★
9.ドラゴン危機一発97
10.フィフス・エレメント★

この中で、一番好きなのはやはり「アナコンダ」。つい先日も、『猿神のロスト・シティ』(前回記事で紹介)を読んで興奮し、その勢いで見直していました。筆者が昔からヘビが嫌いで嫌いで仕方なかったのですが、この映画を観てから、映像の中のヘビは大好きになってしまいました(本物は未だに嫌い)。数年後に「スネーク・フライト」が公開された時は、劇場で見た上に、DVDを予約して購入したほどです。

……という話はオールタイムベストに関係ないので、終わりにして、このときに発表されたオールタイムベストは以下のような内容でした。(リンク先はAmazon)

1.ファントム・オブ・パラダイス
2.まぼろしの市街戦
3.燃えよドラゴン
4.ゾンビ
5.時計じかけのオレンジ
6.江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間
7.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱
8.戦争のはらわた
9.ブレードランナー
10.ブルース・リー/死亡遊戯

これは……今にして思えば完全にいっちゃってるベストですね。
20年前の筆者はそれほど映画に詳しかったわけではなく、映画秘宝を読みながら少しずつ映画の勉強を始めた、という状態でした。したがって、ここで選出された映画はほとんど観ておらず、それどころか聞いたことすらなかったりしていたので、その後DVDが発売されると片端から買っていったものです。したがって、このベストに対して特に異論を持てる立場でなかったのですが、改めて眺めると、かなり偏ってます。
今もそうですが、当時の映画秘宝は70年代に青春時代を過ごした人たちの巣窟でした。
そんなわけで、上位はその時代を反映したものになっています。「ファントム・オブ・パラダイス」は筆者も好きな映画で、今でもカーステレオにサントラを入れて聴いていますが、世間的には忘れられつつある一本でしょう。「まぼろしの市街戦」なんかは、ほぼ完全に忘れられているんじゃないでしょうか。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」は、このリストの中では最新作ですが、これももう、忘れられつつある一本ですね。この映画は筆者が高校生の頃にヒットしていたので、リアルタイムで覚えています。

とはいえ、各投票者の挙げた作品を見ていくと、たしかに「オールタイムベスト」というべき、見事の回答が目立ちます。
2003年にタランティーノの「キル・ビル」の影響で、にわかに70年代日本の残酷時代劇が脚光を浴びますが、その6年も前の投票で「子連れ狼/三途の川の乳母車」にかなりの人数が入れており、18位となっています。また、その後リメイクされた「仁義の墓場」「デス・レース2000年」なども挙がっており、こういう人たちの存在があるからこそ、リメイクされたりしているんだな、と思わされます。

次に、映画秘宝がオールタイムベストを発表するのは2008年のことです。創刊100号記念ということで、本誌2008年2月号で特集が組まれました。
この時のラインナップは以下のようなものです。

1.ゾンビ
2.ブレードランナー
3.狂い咲きサンダーロード
4.ワイルドバンチ
5.タクシードライバー
6.マッドマックス2
7.時計じかけのオレンジ
8.スター・ウォーズ
9.エイリアン2
10.ファントム・オブ・パラダイス

97年のベストに比べると、やや垢抜けた感じがします。映画秘宝が選ぶ「オールタイムベスト」としては、順当な内容でしょう。
この頃には投票者にはもう少し若い世代(筆者と同年代)が増えていますが、とはいえ映画秘宝創刊時からのメンバーに対する遠慮なのかリスペクトなのか、「時計じかけのオレンジ」「ファントム・オブ・パラダイス」といった70年代臭が濃厚な作品が残っています。ちなみに、今月発売された最新版では、「時計じかけのオレンジは」30位、「ファントム・オブ・パラダイス」は18位とずいぶん後退し、世代交代を感じます。

最新版については、ここではリストはあげませんが、突然「太陽を盗んだ男」がベストテン内に入っているのが驚きです。順当とは思いますが、前2回では圏外だったので、急に何があったのか気になります。1位が「悪魔のいけにえ」というのも、これまた順当ではあるのですが、やはりこれまで圏外だったので、唐突な印象があります。

それでは最後に、筆者のオールタイムベストをあげておきます。ご興味はないと思いますが、自己紹介を兼ねて。映画秘宝のベストとかぶっていないのは敢えて避けているためで、そのような調整をしなければ「ブレードランナー」「太陽を盗んだ男」は当然、入ってきます。
筆者は75年生まれなので、特に洋画は90年代のものに思い入れが強いです。

洋画編
1.ターミネーター2(ジェームズ・キャメロン監督)
2.宇宙戦争(スティーヴン・スピルバーグ監督)
3.スパイダーマン2(サム・ライミ監督)
4.ヒート(マイケル・マン監督)
5.フェノミナ(ダリオ・アルジェント監督)
6.ビッグ・リボウスキ(ジョエル・コーエン監督)
7.エド・ウッド(ティム・バートン監督)
8.ラビリンス/魔王の迷宮(ジム・ヘンソン監督)
9.デス・プルーフ(クエンティン・タランティーノ監督)
10.キック・アス(マシュー・ヴォーン監督)

邦画編
1.ふたり(大林宣彦監督)
2.鬼畜(野村芳太郎監督)
3.悪魔の手毬唄(市川崑監督)
4.椿三十郎(黒澤明監督)
5.日本のいちばん長い日(岡本喜八監督)
6.仁義なき戦い(深作欣二監督)
7.昭和残侠伝 唐獅子牡丹(佐伯清監督)
8.下妻物語(中島哲也監督)
9.あゝ決戦航空隊(山下耕作監督)
10.亡国のイージス(阪本順治監督)

個人的なベストの解説は、後日改めて。



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