備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

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『水滸伝』備忘録 あらすじと登場人物(三十六回~四十回)

201710水滸伝136

前回に続き、現在刊行中の新訳「水滸伝」(講談社学術文庫)を読みながら、メモとして作成しているあらすじと登場人物です。赤字は百八星の初登場回です。講談社学術文庫版「水滸伝」は第二十二回までが1巻、第二十三回からが2巻の収録です。

第三十六回 梁山泊呉用挙戴宗 掲陽山嶺宋江逢李俊

登場人物:宋太公、宋江、劉唐、呉用、晁蓋、李俊、李立、童威、童猛、薛永
あらすじ:宋江は屋敷を取り囲んだ軍団へ袖の下を渡しもてなすと、翌朝、自ら役所へ出頭した。宋江は江州へ流刑となった。二人の護送役人と共に江州を目指す途中、梁山泊の近くを通りかかった。役人が宋江を奪われるのではないかと恐れたため、宋江は裏道を行くことを提案する。ところが、そこに劉唐が待ち構えていた。呉用と晁蓋は宋江は引き留めようとするが、宋江は江州の牢へ入るといって、立ち去ろうとする。呉用は江州にすむ戴宗あてに紹介状を宋江に渡す。宋江たちは旅を続け、江州の近くまで来た。通りかかった居酒屋へ入り酒を飲むと三人とも昏倒してしまった。しびれ薬が混ぜられていたのだ。店主は三人を調理場へ引き釣り、人肉饅頭を作ろうとする。すると、たまたま店へ来た大男が宋江だと気づき、慌てて解放する。大男は李俊、居酒屋は弟の李立、大男の子分は童威と童猛だった。宋江は李俊の家で数日もてなされた。さらに江州を目指すと、途中の掲陽鎮で槍や棒の技を披露している膏薬売りがいた。演技が終わっても誰も金をやろうとしないため、宋江が五両を出した。すると、それを見た別の男が宋江へ殴りかかってきた。

第三十七回 没遮欄追赶及時雨 船火児閙潯陽江

登場人物:宋江、薛永、李俊、童威、童猛、張横、穆弘、穆春
あらすじ:宋江と大男の喧嘩が始まろうとすると、一人の教頭が大男を引き剥がしあしらったため、大男は逃げていった。この教頭は薛永と名乗った。さっそく薛永と宋江とは酒を飲んで親交を深めようとしたが、どこの居酒屋でも入店を断られる。街を牛耳っている大男が二人の相手をしないよう、お触れを出していたのだ。路頭に迷った二人は、街外れの屋敷で泊めてもらう。ところが、実はこの屋敷は大男の実家だった。それを知った宋江と薛永は慌てて逃げ出す。大男は二人を追いかけ、川岸へ追い詰められた二人は通りかかった船に助けを求める。ところが、この船の船頭も別のならず者で、二人は追い詰められる。すると、そこへ通りかかった別の船に李俊たちが乗っており、助けられる。船頭は張横と言い、李俊たちの仲間だった。張横は今は江州にいる弟の張順と二人で山賊稼業をしていたと話す。宋江が江州へ行くと聞き、張順あての手紙を託す。そして、宋江たちを追いかけていた大男も彼らの仲間で、穆弘と穆春の兄弟だった。宋江たちは穆家の屋敷へ招かれ、穆太公にも挨拶し、盛大にもてなされた。薛永はそのままこの屋敷で世話になることにし、宋江はまた江州目指して旅を続けた。やがて江州に到着すると、牢獄に収監された。獄中では看守たちに賄賂をばらまき、よい待遇を受けたが、牢役人にだけは何も渡さなかったため、牢役人は腹を立て、この新入の囚人へ会いに来る。

第三十八回 及時雨会神行太保 黒旋風闘浪里白跳

登場人物:宋江、戴宗、李逵、張順
あらすじ:牢役人は新入りの囚人になぜ賄賂を渡さないのかと問い詰めるが、やがてこの囚人が宋江だと知ると平伏する。実はこの牢役人こそが戴宗だったのだ。戴宗は御札を足に貼り付けて、一日に何百里も移動することができる。二人が親交を深めていると、下っ端の牢番が酔って暴れていると報告が入る。この牢番は李逵で、宋江が名乗ると平伏する。三人は酒を飲んで親交を深める。李逵は店の魚が不味いと騒ぎ、新鮮な魚を宋江へ食べさせようと、川へ行く。そこで魚の仲買人と喧嘩になり、川へ放り込まれる。実はこの仲買人が張順だった。張順は李逵が宋江たちの仲間だと知ると川へ入って救助し、仲直りする。改めて四人で読み始めると、若い娘が登場し、歌を披露する。しかし、李逵はそれをうるさがって、張り倒してしまう。

第三十九回 潯陽楼宋江吟反詩 梁山泊戴宗伝仮信

登場人物:宋江、戴宗、李逵、張順、黄文炳、蔡九、朱貴、呉用、蕭譲、金大堅
あらすじ:娘はすぐに回復し、宋江は詫びに金を渡す。宋江は別れ際に張順から魚をもらったが、それを食べたせいで腹を壊してしまい、六日間ほど寝込む。回復してから戴宗、李逵らの家を訪ねようとするが、誰も見当たらず、仕方なく一人で居酒屋で飲んでいると、自分の境遇に涙を流してしまい、詩を吟じて壁に書きつけ、「宋江作」と署名する。さて、江州の補佐官・黄文炳は長官の蔡九が蔡京の息子と知り、なんとか取り入ろうとしていた。この黄文炳は宋江の詩をたまたま見かけ、謀反を思わせる内容に驚いて詩を書き留めた。その後、蔡九が占いに謀反の兆しが出て心配をしているのを聞くと、この詩を見せた。蔡九は戴宗を呼び、宋江を捕まえるよう命じる。戴宗は神行法で慌てて牢へ向かうと、宋江に捕まりそうになったら、気が狂っているふりをするよう知恵をつける。しかし、宋江は捕まってしまい、取り調べの場でも狂っているふりを続けたが、拷問に耐えかねて謀反の詩を書いたことを自白してしまう。さて、蔡九は黄文炳の機転で謀反を防げたことを喜び、中央政府の蔡京へ報告して黄文炳を出世させようとする。中央政府への報告役には神行法を使ってあっという間に遠くまで行ける戴宗が選ばれた。戴宗は李逵に獄中の宋江の面倒を見るよう言い残して旅立つ。戴宗は途中、酒屋へ入って食事を摂ると、体がしびれて倒れてしまった。そこは朱貴の酒屋だった。朱貴は戴宗の持っていた手紙から宋江が囚われていることを知り、またこの手紙を持っているのが戴宗だと知り驚く。戴宗が息を吹き返すと事情を聞き、梁山泊へ行って呉用と対策を練る。いったん手紙を蔡京へ届けた上で、宋江を護送するようにと言うニセの返事を持ち帰ることになった。そこで蔡京の筆跡を真似るのが上手い蕭譲と、ハンコを彫る名人の金大堅を梁山泊へ拉致し、仲間入りさせ、ニセの手紙を作成した。戴宗がそれを持って飛び去ると、呉用が「しまった」と声を挙げた。

第四十回 梁山泊好漢劫法場 白龍廟英雄小聚義

登場人物:呉用、金大堅、蔡九、黄文炳、戴宗、宋江
あらすじ:呉用によれば、蔡京が息子あてに使うはずのないハンコをうっかり作ってしまったということだった。はたして、ニセの手紙は黄文炳に見破られてしまう。宋江と戴宗は処刑されることになった。処刑場へ二人が引き立てられると、見物人に紛れ込んでいた梁山泊の豪傑たちが暴れはじめ、宋江と戴宗を救出する。戴宗の仲間も合流し、こうして二十九人の豪傑が一堂に会する事となった。

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201710水滸伝136

前回に続き、現在刊行中の新訳「水滸伝」(講談社学術文庫)を読みながら、メモとして作成しているあらすじと登場人物です。赤字は百八星の初登場回です。講談社学術文庫版「水滸伝」は第二十二回までが1巻、第二十三回からが2巻の収録です。「金瓶梅」の原型として有名な武松・潘金蓮・西門慶のエピソードは2巻の冒頭にあります。

第三十一回 張都監血濺鴛鴦楼 武行者夜走蜈蚣嶺

登場人物:武松、張蒙方、蒋門神
あらすじ:武松は鴛鴦楼で酒盛りをしていた張都監、張団練、蒋門神の三人を斬り殺し、さらに張都監の夫人や玉蘭まで始末した。そして壁に血で自分の名を大書するとその場を逃げた。その途中の廟で一休みすると疲れから寝入ってしまった。すると気がつくと追い剥ぎと思われる四人組の男に縄で縛り上げられてしまい、村まで引っ張られてしまった。村に着くととある家へ押し込まれた。そこはなんと張青と孫二娘の家だった。四人組は慌てて武松の縄を解いた。一方、孟州では武松の引き起こした事件が発覚し、捜索の命令が発せられた。張青は武松に、魯智深や楊志が立てこもる宝珠寺へ逃げ込むことを勧める。しかし、宝珠寺への道中に役人に捕まる恐れがある。孫二娘の提案で、頭を剃り行者の姿となることにした。武松は逃げる途中、夜の山中の庵で道士が女を横に抱き笑っているのを目撃する。出家の分際でふざけたやつだと、道士に闘いを挑む。

第三十二回 武行者酔打孔亮 錦毛虎義釈宋江

登場人物:武松、孔亮、孔明、宋江、花栄、燕順、王英、鄭天寿
あらすじ:武松は道士を斬り殺した。囚われていた女に話を聞くと、ここは蜈蚣嶺という場所で、道士は庵を勝手に占拠していたのだった。武松は女を逃がすと庵に火を放ち、また旅を続けた。道中で居酒屋へ入ると主人は肉は売り切れて酒しかないと言う。ところがその後で入ってきた客の前にはたくさんの料理が並び宴会を始める。主人によれば、これは客が自分たちで食料を持ち込んだものだというのだが、武松は激怒する。宴会をしていた男たちと喧嘩になり、そのうちの一人を殴って川へ放り込む。皆が逃げ出すと、武松は料理や酒を平らげてしまった。そうこうしていると、先ほど川へ放り込まれた男が濡れた服を着替え、大勢の手下を連れて戻ってきた。武松は屋敷へ連れ込まれ、そこで先ほどの男のその兄からこてんぱんに殴られる。すると、屋敷の中から別の男が出てきて事情を聞く。そして、武松を顔を見ると、驚いた。なんと宋江だったのだ。武松を殴っていた兄弟は弟が孔亮、兄が孔明と言い、白虎山にあるこの屋敷に宋江は匿われていたのだ。孔亮と孔明は武松が宋江の義兄弟と知り、平伏した。二人はしばらくこの屋敷に滞在し、旧交を温める。宋江は清風寨の武官・花栄からこちらへ来ないかと招かれていると話し、魯智深のいる宝珠寺へ行こうとしている武松にも同行を勧める。しかし、武松は宝珠寺へ行くことを決意し、清風寨へ向かう宋江とはそこで別れる。宋江は一人で山へ入っていくが、山賊に捕まってしまう。山賊たちは宋江をスープにして大王へ献上しようと話し合う。この山には三人の大王がおり、それは燕順、王英、鄭天寿だった。三人は一緒に山にこもって強盗をはたらいていた。しかし、囚われたのが宋江だと知ると、三人はガバッと平伏した。かねがね宋江の高名を聞き及んでいたのだった。そして宴会を開いてもてなした。そうこうしていると、麓の手下から籠が通りかかったと報告が入った。好色な王英は籠には女が乗っているのに違いないと手下を連れて駆け下りていった。案の定、籠には女が乗っていた。宋江、燕順、鄭天寿の三人は王英の好色を戒め、女の素性を尋ねると、清風寨の文官・劉高の妻だという。宋江は劉高が花栄の同僚と知り、女を助ける。その際、自分のことは?城県の商人だと告げる。一方、妻を山賊にさらわれた劉高は激怒し、部下へ取り戻してくるよう命じる。部下の一団が山へ向かうと、そこへ妻が降りてきた。部下たちは自分たちが助け出したことにしないと具合が悪いと妻へ話し、妻は劉高へ開放してもらったのではなく助け出されたのだと話す。宋江はこの一件があってからしばらく経ってから山をおり、清風寨へ向かう。

第三十三回 宋江夜看小鰲山 花栄大閙清風寨

登場人物:宋江、花栄、劉高、黄信、慕容彦達
あらすじ:宋江は清風寨を訪れ、花栄と再会した。花栄は劉高の妻が助けられた話を聞くと、「あいつの口を塞ぐ絶好の機会だったのに!」と嘆く。劉高は清風寨の正知寨に任命され、横暴に振る舞っているのだという。宋江はそんな花栄をたしなめる。一ヶ月ほど滞在したある日、元宵節の提灯見物に出かけた。そこで劉高夫妻に出くわすと、妻は宋江を指差し「あれが自分をさらった山賊の首領だ」と夫に告げた。直ちに兵卒は宋江を捕まえた。宋江は?城県の商人・張三で山賊ではないと主張するが、劉高は取り合わない。花栄は劉高に手紙を出し、「あの男は提灯見物に訪れただけの親戚の劉丈だ」と手紙を書くが、このことがますます事態を悪化させた。花栄を力づくで宋江を奪い返す。宋江は、このままでは劉高は自分を捕縛する命令を出すだろうから、今夜中に清風寨から逃げると告げる。しかし、これを察した劉高にまたもや捕まってしまう。さて、青州の長官・慕容彦達はこの報告を聞き、兵馬都監の黄信に調査を命じる。黄信は劉高の言葉を信じ、山賊と手を組んだ花栄も捕縛し、青州の役所へ護送する。

第三十四回 鎮三山大閙青州道 霹靂火夜走瓦礫場

登場人物:宋江、花栄、劉高、黄信、慕容彦達、燕順、王英、鄭天寿、秦明
あらすじ:黄信と劉高とが役所へ宋江・花栄を護送する途中、山中の前途に潜んでいる者がいた。黄信が挑みかかると、それは燕順、王英、鄭天寿の三人だった。黄信は戦ったが歯が立たず、捕まるのを恐れて馬を返した。一方、劉高はそのまま捕まってしまい、山の寨へ連行される。三人は宋江と花栄が護送されていると聞き、救出に駆けつけたのだった。一同は宴会を開き、劉高はその場で殺された。慕容彦達は花栄が山賊側についたと報告を受けて、青州指揮本部の秦明を呼ぶ。秦明は清風山を攻めるが、山賊たちの散々に翻弄される。ついに、山賊たちはダムを作って川をせき止め、秦明軍を追い込んだ場所へ放流したため、兵士のほとんどは流され、秦明も捕まった。しかし、宋江と花栄は秦明を豪傑と知って丁重にもてなす。秦明もかねて宋江の高名を耳にしていたため、慕容長官にとりなそうと言う。宋江たちは秦明も自分たちの仲間になるよう勧めるが、秦明は役所へ帰っていった。ところが、城へ入ろうとする門が閉ざされ、「裏切り者」と罵声を浴びせられる。前夜に何者かが秦明の姿をして城の中でめちゃくちゃに暴れていたのだった。このことによって秦明の妻もすでに処刑されていた。秦明が清風山へ帰ると、実はこれは宋江たちの計略だった。秦明を役所へ帰さないための策で、自分たちに帰順するよう説き、ついに秦明もそれを受け入れる。秦明は更に黄信も仲間へ入るよう誘う。

第三十五回 石将軍村店寄書 小李広山射雁

登場人物:宋江、花栄、黄信、秦明、燕順、王英、鄭天寿、呂方、郭盛、石勇、林冲、劉唐、朱貴、晁蓋、呉用
あらすじ:黄信は清風寨の門を開き、宋江たちの軍団を受け入れる。清風寨は占拠された。しかし、花栄・秦明・黄信の謀反に対してに大軍が討伐に来るとの報に、宋江の手引で全員が梁山泊へ逃れることにする。そのさい、怪しまれないよう「山賊討伐軍」と旗を掲げ、梁山泊討伐へ向かっているふりをした。宋江と花栄とが軍を進めていくと、行く手にそれぞれ百人ほどの軍団を引き連れた二人の将が現れ、対決をはじめた。しかし、力は拮抗し決着がつかない。二人の戟の紐が絡まっているのをみて、花栄は弓を放ち、紐を断ち切る。驚いて闘いを中断した二人は、呂方・郭盛と名乗った。対影山をめぐって争っていたのだったが、花栄の言葉で仲直りする。この二人も梁山泊行きの仲間に加わることになった。さらに先へ進む途中、居酒屋で石勇という豪傑と知り合う。石勇は宋江の弟・宋清が書いた手紙を持って、宋江の元へ行こうとしている道中だった。手紙を読むと、父が亡くなったという内容だった。宋江は慟哭し、周囲が止めるのも聞かずに急いで故郷へ向かって帰っていってしまった。さて、別に行動していた豪傑たちの合流し、揃って梁山泊へ近づくと、林冲・劉唐が行く手を遮った。一同は宋江の手紙を示し、事情を話すと、まず朱貴の酒屋で梁山泊へ入る手続きをするよう告げられる。梁山泊で一同は歓待を受ける。花栄は宴会の中で、呂方・郭盛の戟の紐を矢で断ち切った話をしたが、晁蓋に信じてもらえない。飛んでいる雁の群れの先頭から三羽目を射落とすと予告して矢を放つと、見事に命中し、花栄は喝采を受ける。翌日も宴会は開かれ、一同は義兄弟の契りを結ぶ。一方の宋江は家へ帰り着くが、なんと父親は生きていた。宋江はなかなか帰ってこないため、父が宋清にウソの手紙を書かせていたのだった。宋江は事情を聞き、父に平伏する。その夜、「宋江を出せ」と、父の屋敷を集団が取り巻いた。


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第二十六回 ?哥大閙授官廰 武松闘殺西門慶

登場人物:武松、潘金蓮、王婆、西門慶、?哥、何九叔
あらすじ:何九叔はひと目で武大が毒殺されたと悟ったが、西門慶が絡んでいるため、毒殺と断じれば西門慶からどんな目に遭わされるか知れず、逆にいい加減な死因をでっち上げれば、弟の武松からどんな目に遭わされるかわからない。困った末、気を失ったふりをしたのだった。いったんは毒殺に気づかなかったことにし、しかし火葬のあとで骨だけは保管して、武松に尋ねられたら証拠として差し出せるようにした。やがて武松が旅から戻り、武大の家を訪れると位牌が備えてあった。胸の病で死んだと聞かされるが、不審に思い祈り続けると、武大の亡霊が現れたため、やはり死因は怪しいと感じる。武松は調査を始め、何九叔や?哥の証言から潘金蓮と西門慶が武大を毒殺したと知る。武松は役所へ訴えるが、西門慶が賄賂をばらまいているため、取り合ってもらえない。このため、武松は自分の手で始末をつけることに決める。武大の家へ潘金蓮を訪れ、王婆と隣近所から四人の人を集めてもらい、宴会を広げる。宴会が盛り上がったところで、武松は暴れ始め、潘金蓮と王婆とに白状させる。宴会に参加していた住民にそれを書き取らせると証拠として残し、潘金蓮を殺してしまう。さらに西門慶のもとへ駆けつけ、これも殺してしまう。

第二十七回 母夜叉孟州道売人肉 武都頭十字坡遇張青

登場人物:武松、孫二娘、張青
あらすじ:武松は、潘金蓮と西門慶の首をぶら下げ、陽谷県の役所へ自首した。役人は武松の義侠心に感服していたため、供述書を書き換えて罪を軽くした。武松は孟州の牢屋へ護送されることになった。護送に付きそう二人の役人は武松に何かと良くした。護送は暑い季節だった。途中の居酒屋で女に誘われ、武松と二人の役人は酒を飲み食事を取った。出された肉饅頭に毛が入っていたため、武松は人肉ではないかと女主人をからかう。女はしびれ薬を盛った酒を三人に飲ませ、役人二人は倒れるが、武松は飲むふりをしただけだった。このため、女が倒れたふりをしている武松を運ぼうとすると、武松は逆に女を捕まえる。そこへ、一人の男が飛び込んできて許しを請う。女は孫二娘、男はその夫で張青を名乗った。二人は旅人を殺して、その肉を牛肉として売って生活している山賊だった。日頃から、流刑になった人には豪傑が多いから、殺してはいけないと言っていたのに、孫二娘はからかわれた腹いせに殺そうとしてしまったのだった。武松は事情は承知したと言い、二人の役人を助けるよう命じる。

第二十八回 武松威鎮安平寨 施恩義奪快活林

登場人物:武松、張青、孫二娘、施恩
あらすじ:武松は張青と親交を深めてから、また護送役人と共に孟州へ旅立った。安平寨という牢に入った武松は、囚人たちから看守へ賄賂を贈らないと酷い目に遭うと忠告を受けるが、武松は一蹴する。このため棒で叩かれる罰を受けそうになるが、その場に居合わせた若い役人が典獄へ何か囁いたため、武松は罰を免れ、それどころかその後、厚い待遇を受ける。これは実は棒叩きに居合わせた若い役人、施恩の差配だった。施恩はかねがね武松の高名を聞いており、ぜひ相談したいと思っていることがあった。しかし、牢につながれた武松の体がなまっているだろうと、なかなか相談事を打ち明けない。武松が重い石を放り投げて力を示すと、ようやく話をはじめた。

第二十九回 施恩重霸孟州道 武松酔打蒋門神

登場人物:武松、施恩、蒋忠(蒋門神)
あらすじ:施恩は牢獄周辺の快活林という街で商売をしていたが、新しく赴任した軍司令官が連れてきた蒋門神という男に力づくでシマを奪われてしまった。なんとか武松の力を借りて蒋門神を撃退したいというのが施恩の願いだった。武松は快諾し、施恩と兄弟の契りを結ぶ。施恩は武松をもてなすが、食事ばかりで酒を飲まそうとしない。武松は、蒋門神と戦う前にはむしろベロベロに酔った方が良い、虎を退治した時も酔っていたと話すと、施恩は承知し、快活林へ向かう途中の居酒屋でしこたま酒を飲ませる。快活林へ着いた武松は蒋門神の居酒屋へ行くと、因縁をつけて大暴れする。さわぎを聞いて駆けつけた蒋門神も武松にボコボコに殴られ、三つの約束をさせられる。

第三十回 施恩三入死囚牢 武松大閙飛雲浦

登場人物:武松、施恩、張蒙方
あらすじ:三つの約束とは、すぐに全てを施恩へ返すこと、施恩へ詫びること、快活林を離れること、だった。施恩は店を取り戻し、武松とともにしばらく平和に暮らした。そんなある日、孟州の都監である張蒙方から武松を招きたいという使者が来た。張都監から取り立てたいという話をされ、武松は忠誠を誓う。ある日、張都監の屋敷で宴会が開かれ、武松も同席を許される。張都監はお気に入りの侍女・玉蘭を武松の妻にどうかと勧める。その夜、玉蘭が「泥棒!」と叫ぶ声が屋敷に響く。武松は泥棒を追って裏の花園へ駆けつけるが、遅れて駆けつけた七、八人の兵卒に捕われ、泥棒扱いされてしまう。張都監はカンカンに怒り、武松の弁解を一切聞かない。武松の部屋を捜索すると、金銀財宝が出てきた。張都監は府の長官をはじめ役人たちへ賄賂をばらまき、武松は死刑を宣告されてしまう。実は、蒋門神の上司が手を回し、武松を罠にはめていたのだった。施恩は牢役人に事情を話し、武松がとらわれている牢へ出入りする。やがて、府の長官も真相を悟ったため死刑は免れ、棒叩きのうえ恩州へ流刑となった。護送途中の武松に施恩は餞別を渡し、涙ながらに別れる。武松は飛雲浦の橋へ差し掛かると、護送役人を蹴り落とし、刺し殺す。さらに、張都監にはめられたことを知ると、復讐のため孟州城へ取って返す。

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筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
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