備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

あらすじ

『水滸伝』備忘録 あらすじと登場人物(五十一回~五十五回)

201711水滸伝142

前回に続き、現在刊行中の新訳「水滸伝」(講談社学術文庫)を読みながら、メモとして作成しているあらすじと登場人物です。赤字は百八星の初登場回です。

第五十一回 插翅虎枷打白秀英 美髯公誤失小衙内

登場人物:宋江、王矮虎、扈三娘、雷横、晁蓋、呉用、朱仝
あらすじ:梁山泊では仲間が増えた宴が広げられ、宋江は王矮虎に扈三娘を娶らす。そして、晁蓋、呉用と共に全員の役割分担を決める。朱貴の居酒屋を訪れたのは雷横だった。宋江は梁山泊入りを勧めるが、雷横は丁重に断り、帰っていった。雷横は?城県へ帰ると李小二にさそわれ、白秀英の芝居を見にいく。ところが、芝居小屋で暴れてしまい、白秀英に訴えられて役所へ連行される。枷をはめられた雷横を挟んで雷横の母親と白秀英とが喧嘩をはじめ、怒った雷横は白秀英を殺してしまう。雷横は裁判にかけられる。牢役人はなんと朱仝だった。朱仝は雷横を逃し、このことにより滄州へ流刑となる。しかし、朱仝は滄州では牢へ入れられず、役所の仕事を手伝うようになる。そして、長官の五歳の坊ちゃんに懐かれ、面倒を見るようになった。そんなある日、坊ちゃんと祭へ行くと、雷横と出くわした。雷横は梁山泊へ入り、宋江へ事の経緯を伝えたため、朱仝も梁山泊へ迎えようと呉用が使わされたのだった。ところが、同行していた李逵に坊ちゃんが殺されてしまう。怒った朱仝は李逵を追い、ある屋敷へたどり着く。そこは柴進の屋敷だった。そこで聞かされた話は、朱仝をなんとしても梁山泊へ迎えるため、呉用と雷横とが李逵に坊ちゃんを殺すよう指示していたのだった。朱仝は話を聞き、梁山泊へ入るためにはある条件があると言う。

第五十二回 李逵打死殷天錫 柴進失高唐州

登場人物:朱仝、柴進、李逵、柴皇城、高廉、呉用
あらすじ:朱仝の条件は李逵を殺すことだった。李逵は指示を受けて殺しただけだと反論し、柴進は李逵を屋敷へとどめて、呉用たちと梁山泊へ行けばよいと勧める。宋江はすでに朱仝の家族を梁山泊へ迎え入れているということだった。朱仝は梁山泊へ入った。柴進の屋敷で李逵が暮らすようになってしばらく経った頃、高唐州に住む柴進の叔父・柴皇城から病に伏せていると手紙が来た。州の長官・高廉は高?の従兄で、やりたい放題しており、その義弟の殷天錫は叔父の花園を取り上げようとしていた。柴皇城からその話を聞いた李逵は殷天錫を殴り殺してしまう。李逵は逃げるが、柴進は捕まり、牢でひどい目に遭う。逃げた李逵は梁山泊へ助けを求める。梁山泊は三千人の軍隊を高唐州へ向かわせる。高廉は妖術を使って梁山泊軍を撃退する。宋江も妖術で対抗するが、何度も敗退してしまう。すると、呉用がある人物を呼ぶよう提言する。

第五十三回 戴宗智取公孫勝 李逵斧劈羅具人

登場人物:宋江、呉用、戴宗、李逵、公孫勝、羅真人
あらすじ:呉用は妖術を打ち破るためには公孫勝を連れくる必要があると訴えた。神行法の使い手、戴宗が李逵を伴に連れて公孫勝を探しに行くことになった。神行法を使うときは生臭いものを食っては行けないのに、李逵は言いつけを守らず、道中で酒や肉をこっそり食っていた。それに気づいた戴宗は李逵の足が止まらないようにいたずらの術をかける。そんなこんなの騒動を起こしつつ、公孫勝を居所を探り当てた。しかし、公孫勝は老母の面倒と、師匠の羅真人との関係を理由に梁山泊行きを断る。李逵は公孫勝が羅真人ばかり気にかけていることに腹立て、夜中に羅真人の道場を尋ねるとまさかりで叩き切ってしまった。すると、首からは白い血が流れた。翌日になると、羅真人は何食わぬ顔で道場に座っていた。羅真人と思っていたのはひょうたんで、妖術によって騙されていたのだった。李逵は妖術によってさんざんなお仕置きを受ける。

第五十四回 入雲龍関法破高廉 黒旋風探穴救柴進

登場人物:公孫勝、羅真人、李逵、湯隆、宋江、高廉、高?、呼延灼
あらすじ:羅真人は公孫勝へ秘術を授けると、山から降りることを許した。戴宗は神行法で一足早く梁山泊へ帰っていき、公孫勝と李逵は二人で旅をした。居酒屋で休憩している時、李逵が一人買い物に出ると、道端でハンマーを振り回す芸をしている大男がいた。李逵はその芸を見かねて、ハンマーを手に取ると、弾丸のように操ってみせた。大男は平伏し、鍛冶屋の湯隆と名乗った。李逵は湯隆を弟分とした。三人が梁山泊へ合流すると、宋江は兵を出した。高廉はまた妖術で挑もうとしたが、公孫勝がその術を破り、大勝した。高廉は近隣の二州の長官へ救援を求めた。二州の軍が到着すると、宋江たちは逃げた。高廉は宋江を追って細い道へ入り込み、ふと気づくと周囲を梁山泊軍に包囲されていた。こうして高廉は最期を迎えた。さっそく柴進の牢へ救出に向かうと、柴進は牢番の差配で井戸の中へ匿われているが生死はわからないという。李逵が井戸のしたへおり、無事に柴進を救い出した。一方、高?は従兄の高廉が殺されたことを知ると、討伐軍の将として呼延灼を派遣する。

第五十五回 高太尉大興三路兵 呼延灼擺布連環馬

登場人物:呼延灼、韓滔、彭?、凌振、宋江、呉用、湯隆
あらすじ:呼延灼は援軍として韓滔、彭?を呼び寄せた。準備が整うと、三軍は梁山泊目指して出発した。しかし、彭?は生け捕りされた。呼延灼と韓滔とは連環馬軍で一気に梁山泊軍を攻め立て、宋江たちは梁山泊へ逃げ帰った。高?は梁山泊の砦を落とすため、砲術の名手である凌振を呼び寄せる。さっそく、凌振は梁山泊を砲撃し、小さな砦を破壊した。呉用は策を練り、まず凌振を生け捕りにした。凌振にも梁山泊の仲間になるよう勧めると、都に家族を残しており、それが心配だという。宋江たちは家族を救い出すことを約束し、宴会を始める。連環馬軍をいかに破るかみなで悩んでいると、湯隆が名案があるという。

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201711水滸伝142

前回に続き、現在刊行中の新訳「水滸伝」(講談社学術文庫)を読みながら、メモとして作成しているあらすじと登場人物です。赤字は百八星の初登場回です。

第四十六回 病関索大閙翠屏山 ?命三火焼祝家店

登場人物:潘巧雲、楊雄、石秀、時遷
あらすじ:楊雄は酔って計画を潰してしまったことを、石秀へ詫びる。そして、楊雄は石秀と共に潘巧雲を翠屏山へ連れ出すと、殺してバラバラに切り刻んでしまった。殺人を犯した二人は梁山泊へ逃げるしかないだろうと相談する。すると、すぐ近くで聞いていた男がいた。楊雄の知人の泥棒・時遷だった。時遷も仲間に入りたいと申し出る。三人で梁山泊へ向かう途中、宿へ入った。ここは独龍岡山近くの祝家荘にある祝家店という宿だった。時遷はここで飼っている鶏を捕まえて勝手に食べてしまうが、これは夜明けを告げる鶏で、宿の若い者は激怒する。若い者が叫ぶと、店の奥から数人の男が飛び出してきたが、楊雄たちに張り倒されると、みな門から逃げていった。きっと仲間を呼びに行ったに違いないと考え、祝家店に火を放つと、三人は逃げ出す。途中で大勢の男に包囲され、時遷だけが捕まり、祝家荘へ連行される。楊雄と石秀は更に逃げるが、途中の居酒屋で休憩していると、大男が入ってきた。この大男をみた楊雄は声をかける。

第四十七回 撲天雕双修生死書 宋公明一打祝家荘

登場人物:楊雄、石秀、杜興、扈三娘、李応、石勇、晁蓋、宋江、呉用、李逵
あらすじ:大男は楊雄の義兄弟・杜興だった。独龍岡には三つの村があり、それぞれ祝家荘、扈家荘、李家荘という。祝家荘は祝氏三傑と呼ばれる兄弟が降り、扈家荘には扈三娘という娘の英雄がいる。杜興は李家荘の李応に仕えていた。杜興は祝家荘から時遷を解放してもらうと、李応へ掛け合う。李応は祝氏へ手紙を書くが、解放を拒絶される。李応は祝家荘へ攻め込むが、敗れてしまう。楊雄と石秀とはやはり梁山泊へ入り、助けを求めることにする。途中、二人は石勇と出会い、梁山泊へ案内してもらう。晁蓋はこそ泥をはたらいた時遷とその仲間を軽蔑するが、宋江がとりなし、祝家荘へ攻め込むことにする。しかし、祝家荘は道が入り組み、攻略に難儀する。

第四十八回 一丈青単捉王矮虎 宋公明両打祝家荘

登場人物:宋江、花栄、扈三娘、林冲、呉用
あらすじ:祝家荘の軍団は、入り組んだ道を提灯のあかりを頼りに指揮していた。花栄が提灯を撃ち落とすと、敵は混乱し、宋江たちはなんとか勝利を得た。しかし、この戦いの中で黄信がさらわれる。宋江は李家荘の李応へ助けを求めるが、梁山泊を警戒する李応は応じない。杜興は、宋江へ祝家荘を攻めるにあたって、祝家の許婚者・扈三娘の応援には注意するよう伝える。祝家荘の軍と戦いになると、扈三娘がやはり現れた。王矮虎は女将と聞いて攻めかかるが、逆に扈三娘に生け捕りにされてしまう。その後も戦いが続くが、宋江軍は敗走する。すると、扈三娘が追ってきたが、立ちふさがった林冲に生け捕りにされてしまう。戻ってきた宋江たちへ、呉用はある計略を話す。

第四十九回 解珍解宝双越獄 孫立孫新大劫牢

登場人物:解珍、解宝、楽和、孫新、顧大嫂、鄒淵、鄒潤、孫立、王矮虎
あらすじ:さて話は変わって、登州の山に解珍、解宝という兄弟の猟師がいた。役所の命令で山へ虎狩りに出て、苦労して仕留めた。虎は崖を転がり、毛太公の屋敷へ落ちていった。兄弟は毛太公へ虎を返すよう願うが、逆に捕まえられ、虎を横取りしようとしたとして訴えられてしまう。兄弟が収容された牢の役人は従兄の楽和だった。楽和は親戚・孫新の妻・顧大嫂へ相談に行く。孫新と顧大嫂は相談し、鄒淵・鄒潤の協力を得て牢破りを計画する。鄒淵・鄒潤は協力はしたいが、その後、登州の役人に追われることになるのを憂う。孫新・顧大嫂は梁山泊入を進め、また孫新の兄・孫立が州の役人であることから、追手に配慮してもらうよう掛け合う。一行は牢破りに成功し、また毛太公一家を皆殺しにすると梁山泊目指して、逃亡した。梁山泊についた一行は祝家荘攻めで苦労していることを聞き、お目見えの挨拶がてら加勢することとする。

第五十回 呉学究双用連環計 宋公明三打祝家荘

登場人物:扈成、宋江、呉用、孫立、欒廷玉、石秀、李応
あらすじ:扈三娘の兄・扈成は妹の身柄と引き換えに降伏したいと宋江へ申し出る。孫立は祝家荘へやってくると、義兄弟・欒廷玉のもとを訪ね、祝氏三傑に面会する。そして、宋江軍と戦う。石秀はわざと負けたふりをし、孫立に捕まってみせたため、祝氏は孫立を信用するようになる。三度、宋江は祝家荘へ攻め込むと孫立は寝返り、祝氏三傑は殺される。李逵は調子に乗って扈家荘へ攻め込み、村人を皆殺しにしてしまう。さて、李応と杜興は梁山泊へ内通した罪で州の役人に連行されそうになるが、宋江たちに助け出される。李応は村を焼かれ、家族も焼け出されたと知り、梁山泊入りを決意する。こうして大勢の仲間が梁山泊に増えたところで、朱貴の居酒屋へ一人の客が来る。 

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前回に続き、現在刊行中の新訳「水滸伝」(講談社学術文庫)を読みながら、メモとして作成しているあらすじと登場人物です。赤字は百八星の初登場回です。講談社学術文庫版「水滸伝」は第二十二回までが1巻、第二十三回からが2巻の収録です。

第四十一回 宋江智取無為軍 張順活捉黄文煩

登場人物:侯健、欧鵬、蒋敬、馬麟、陶宗旺
あらすじ:一同で黄文炳に復讐しようと考えていたところ、現れた侯健の情報により、黄文炳の屋敷に火を放つ。黄文炳は生け捕りとなって殺された。宋江は梁山泊入りを決意する。一同が梁山泊へ向かう途中、欧鵬、蒋敬、馬麟、陶宗旺という四人の豪傑も合流する。全員で梁山泊へ向かい、宋江を頭領として宴が催される。ところが突然、宋江は山を降りて行かなければ行けないところがあると言い出す。

第四十二回 還道村受三巻天書 宋公明遇九天玄女

登場人物:宋江、宋清、李逵
あらすじ:宋江は父と弟とを迎えに行ったのだった。ところが、弟の宋清は、宋江が戻ってきたら逮捕しようを役人が見張っているから、早く去れと言う。やはり追手が迫ってきた。宋江は通りかかった廟へ逃げ込む。追手は廟の中を調べようとするが、一陣の風が吹き上がったため、祟を恐れて追手は廟を出る。すると、廟の中へ二人の子どもが姿を表し、女神の使いだと名乗る。宋江は廟の裏へ導かれ、そこには満天の星が輝き、爽やかな風が吹く美しい道があった。その先で女神に出会い、宋江は三巻の天書を受け取る。女神は呉用以外の人には見せてはいけないという。夜が明けると、宋江は李逵たちに助けられる。宋江は父を連れて梁山泊へ入る。すると、公孫勝も母を迎えに行きたいと言い出し、百日で戻る約束で旅立つ。それを見ていた李逵は、自分も母を迎えに行きたいと言い始める。

第四十三回 仮李逵剪径劫単人 黒旋風沂嶺殺四虎

登場人物:李逵、宋江、朱貴 
あらすじ:宋江は李逵に「酒を飲まない、武器を持たない、お母さんをすぐに連れ帰る」という条件を出して送り出す。それでも李逵が旅先でひと暴れするのではないかと心配した宋江は、朱貴が同郷と聞き、李逵を見守るよう頼む。郷里の村外れで朱貴と李逵は会い、朱貴の弟・朱富の居酒屋で酒を飲む。そのあと、村へ向かう李逵は朱貴の忠告も聞かず山道を行き、追い剥ぎに出会う。ところが、その追い剥ぎは「われこそは黒旋風李逵だ」と李逵の名を騙る。李逵は怒って男を殺そうとするが、李鬼というその男は「病の母を養うために追い剥ぎをした」と弁解するため、李逵は許し、金も与える。さらに道を進むと一軒の家があったため、李逵はその家で食事の提供を受けようとする。家の女が支度をしていると、男が帰ってきて「ホンモノの李逵にあってしまった。うまく騙して金を巻き上げた」というのが聞こえる。怒った李逵が李鬼を殺すと、女は逃げてしまった。李逵は李鬼の肉を肴に飯を食い、家に火を放って立ち去った。李逵は村へ入り、家へ帰ると、母を背負って梁山泊へ戻ろうとする。兄の李達は反対するが、それを押し切って家を飛び出す。途中の山中で母のために水を汲みに谷へ降り、戻ってくると母は虎に食べられてしまっていた。李逵は嘆きながらも四頭の虎を退治する。山を降りてきて出会った猟師に虎退治の話をすると、みな大喜びで、村の金持ち・曹太公の家へ招かれ歓待を受けた。ところが、そこを李鬼の妻が覗き、夫を殺した李逵だと告発する。李逵は役人の李雲に捕まる。李逵が捕まったと噂を聞いた朱貴は朱富と一計を案じ、護送の行列へ酒を振る舞い、そこへしびれ薬を混ぜておいた。李雲は酒を飲まないため、薬を混ぜた肉を食わせた。全員が倒れたところで李逵を解放すると、李逵は村へ戻り、曹太公と李鬼の妻を殺した。やがて、しびれ薬の効き目が切れた李雲が追ってきた。

第四十四回 錦豹子小径逢戴宗 病関索長街遇石秀

登場人物:李逵、李雲、朱貴、朱富、戴宗、楊林、鄧飛、孟康、裴宣、楊雄、石秀、潘巧雲
あらすじ:追ってきた李雲へ朱富は、李逵の護送に失敗したらもう役所へは帰れないでしょう、と共に梁山泊入りすることを説得する。そして全員で梁山泊へ戻った。ところで、百日で戻ると約束した公孫勝がまだ戻らない。神行法の使い手・戴宗が様子を見に行くことになった。戴宗が神行法で旅を続けると、急に声をかけられた。それは楊林という男だった。楊林は公孫勝から戴宗の話を聞いて、梁山泊入りを希望していたのだった。戴宗は楊林も神行法で同行させることにする。途中の山中で山賊に出会うが、互いを豪傑と認め合う。山賊は鄧飛と孟康で、裴宣を頭領にした砦を築いていた。戴宗と楊林は砦で歓待を受けた。裴宣たちも梁山泊入りを希望していた。戴宗と楊林は引き続き公孫勝を探し回ったが見つからない。すると、処刑を終えたばかりの牢役人・楊雄が人々に祝福されながら歩いているのを見かける。そこへ現れた張保が因縁をつけ、喧嘩になる。すると、通りかかった大男が楊雄の助太刀を買って出る。楊雄が張保を追って去っていってもまだ暴れている大男を戴宗はなだめる。大男は石秀だった。戴宗・楊林・石秀は酒屋に腰を据えて飲み始める。そこへ楊雄が大勢の兵を率いて戻ってきたため、戴宗と楊林は驚いて逃げてしまった。石秀と楊雄は意気投合して義兄弟となる。楊雄には巧雲という妻がいた。巧雲の父・潘公は石秀と肉屋を開く相談をする。石秀は楊雄の家へ泊まり込んで肉屋をはじめた。

第四十五回 楊雄酔罵潘巧雲 石秀智殺裴如海

登場人物:石秀、楊雄、潘巧雲、裴如海、王公 
あらすじ:楊雄の妻・潘巧雲は家へ出入りしていた僧侶の裴如海と深い仲になる。楊雄が留守の晩は逢引し、夜が明けると寺の頭陀に外で合図をさせることにした。石秀は毎晩、調理場で寝ていたが、外で頭陀が木魚を叩いているのを怪しみ、秘密に気づく。楊雄に忠告し、潘巧雲の浮気の証拠を押さえる方法を考える。ところが、酔った楊雄が潘巧雲を詰ったため、逆にこれは石秀の陰謀だと吹き込まれてしまう。石秀は楊雄に恥をかかさぬよう、いったん家を出る。そして、頭陀を殺して衣服と木魚を奪うと計略を働かせ、裴如海の間男の現場を押さえ、こちらも殺してしまう。そこへ粥屋の王公じいさんが通りかかり、死体の近くで転んで血まみれになってしまう。

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筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
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