備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

スキー

ボーゲンヘルパーの威力

20210206095437(1)

さて、スキーが大好きな我が家としては、昨シーズンは記録的な雪不足のためほとんどスキーへ行けず、ストレスをためまくっていたのですが、今年は大雪!
災害レベルの降り方だっため、単純に喜んでいるのもいかがなものかと思わなくもないのですが、それでもやはりスキー好きにはありがたいシーズンとなりました。

そんなわけで、週末ごとにスキーへでかけていたところ、初めて板を履いた幼稚園児の三男がめきめき上達。初心者コースであれば全く問題なく滑ることができるレベルになりました。
長男は中級コースでも平気で滑れるようになっていますし、三男がこれだけ上達すれば、いよいよ初心者向けのスキー場を脱して、もっと楽しいゲレンデへ行けるようになるかもしれない!

そう期待したのですが、ところが、問題は次男。
小学2年生ですが、もともと運動は苦手で、なかなか根気強く練習するということをしません。
弟がすいすい滑っている隣で、立っているのもおぼつかない状態。練習しようにもすぐに飽きてしまって、ほんの僅かな距離すら滑ることができません。
せっかく今後の家族スキーに期待が膨らんだところで、これは由々しき事態です。

そこで、妻の提案で「ボーゲンヘルパー」を購入しました。
クリップで板の先端を固定して、自然と「ハ」の字になるようにする補助器具です。
近所のスポーツデポ(アルペン)で売っていました。

しかし当初、私としてはこれに懐疑的でした。
こんなもんで本当に滑れるのか?
とはいえ、これが最後の頼みの綱と握りしめ、次男1人を特訓のため六甲山スノーパークへ連れてきました。

なんとかうまく滑ってくれ。
祈りながら、次男の板へボーゲンヘルパーをはめ、一発目の滑りがこちら。


ええええ~っ!
なんと、いきなり普通に滑れているではありませんか。
滑り始める前に次男には「足を開いたら止まって、閉じたら滑るよ」とだけ、口頭で指導したのですが、それ以外、何も練習していません。要するに、その前週、立っていることすらまともにできなかった状態から、突然コレです。
自転車の補助輪のようなもので、かなり強力な武器だったということがよくわかりました。

そんなわけで、翌週、改めて大きなスキー場へ連れていったところ、こんな感じ。
姿勢は悪いものの、すいすい滑っていて、本人もしっかり楽しんでいます。
はじめはうまくできなかったターンもバッチリできるようになって、初心者コースであればなんの不安もない状態になりました。


楽しく滑っているうちにコツも掴めたようで、撮影はしていませんが、この日の最後は、器具を外してもなんとか滑れるようになりました。
感涙……

そんなわけで、お子さんがなかなか上達しない、というとき、これはおすすめです!
我が家が買ったのは、スポーツデポ(アルペン)で売っている「ボーゲンヘルパー」ですが、これはAmazonでは扱っていないようです。
Amasonの類似商品としては以下のものがあります。
機能的には全く違いは無いようです。



子連れですべるならショートスキーがおすすめ

DSC_0004

我が家は毎年冬になると、とにかくスキーへ行かなければ、ということでシーズン中の休日計画を立てているわけですが、今年は記録的な暖冬ということで全ての計画がご破算。かろうじて一度だけ、リフトが2本しか運行していないスキー場へ出かけたのみという惨状です。
10年くらい前のように東北に住んでいれば、暖冬とは言ってもスキーができないなんてことはあり得ませんが、今は関西在住。全面的に雪がない、という絶望的なシーズンです。

その今シーズン一回だけのツアーで思いがけないことが起きました。
なんと、板の滑走面がベロンと剥がれしまったのです。
一昨年はゲレンデでブーツのかかとが砕けたし、やはり20年近くも同じ道具を使い続けるというのは無茶ですね。

しかし実を言うと、板が使い物にならなくなって、ちょっと嬉しいところもあったのです。
というのは、この20年前に買った板はやたら長くて、中級バーンをかっ飛ばすには安定していて快適なのですが、そんな滑り方をしていたのは独身時代でおしまい。
ここ10年間はひたすら子どもを後ろから抱きかかえ、緩斜面を一緒にボーゲンで滑るということばかりやっているので、長い板だと小回りがきかず、かなりやりづらいと感じていたのです。
妻は以前から120センチくらいの短い板を持っていたので、私もその板を借りて滑ることの方が多くなっていました。
小5の長男はそれなりに滑れるようになってきたの問題ないのですが、そろそろ次男・三男もちゃんと練習させようという時期になってきたため、私の板も短いものに買い替えたいと思っていたのでした。

子どもと一緒にスキーをするときは、やはり短い板の方が楽です。
先に書いたとおり、後ろから抱えて練習させることも多いですし、一人で滑っていてもすぐに転ぶので、そうなると起こしに行かなければならない。さらにそんなとき、こっちがうっかり下にいると斜面を登らねばならない。
長い板だと一苦労ですが、短い板ならすいすいといけます。

そんなわけで、滑走面がベロンと剥がれた翌日には、近所のSPORTS DEPOで板を物色しておりました。
暖冬の影響でスキーが流行らなかったせいか、あるいは2月ともなればすでに販売面ではシーズン終了ということなのか、型落ちのサロモン「SHORTMAX」(125センチ)を激安で入手。
思いがけない安さで、ゲレンデにはなかなか行けないものの、まあおかげでこんな値段でサロモンの板を買えたのだからヨシとするかな。
とはいえ、最低でもあと一回は、この板を持って滑りに行きたいものだと、休日の予定とゲレンデの積雪情報とをにらめっこしている毎日です。

スキーが登場する映画おすすめ紹介

201812スキー300
 
映画にスキーが登場することは割と珍しいです。
マリンレジャーを描いた映画は山のようにあるのに、冬のレジャーの代表であるスキーの方はなぜ?と思われるかもしれませんが、これには事情があります。
筆者もスキーは大好きなのですが、いつも思います。スキー場っていうのは、基本的に悪天候の場所に作られているんですよね。
スキー場のガイドなどを見ていると、澄み切った青空の下に純白のゲレンデが広がる写真ばかり見かけますが、実際にはそんな気持ち良いタイミングというのはシーズンを通してそれほど多くはありません。というか、そんなふうにずっと晴れていたら雪なんか降らないので、スキーは出来ないわけです。
ずっと雪が降り続き、吹雪になることも珍しくない。大規模なスキー場というものは、そういう場所に開発されています。

一方、映画撮影というのは天候が非常に重要です。
ハリウッドが映画産業の中心地となったのは、天候が安定しているから、ということが最大の事情だったりします。
したがって、悪天候のスキー場で気持ちいい晴天の画を狙うとなれば、ずっと「天気待ち」をすることになり、コストがかかります。
また、スキーは基本的に上から下へ向かって一方向にしか進めないため、滑走シーンでリテイクしようと思うと、そのたびにリフトで上がり直すことになり、これまた時間を食います。
というわけで、一本まるまるスキーという映画はもちろん、劇中にスキー場がちょこっと出てくる程度の映画すら、なかなかお目にかかれないということになります。

しかし、スキー好きとしては映画でもスキーを見てみたい。
そんなことを考えながら、探し回ってようやく見つけたスキー映画をいくつかご紹介します。
DVD紹介のリンク先はAmazonです。



言わずと知れたスキー映画の代表格。
1987年の映画なので、若い方はあまり見たことがないかも知れませんが、スキー好きが見てもかなり楽しめる名作です。
志賀高原がメインの舞台ですが、バックカントリーで万座まで走破するのがクライマックスとなっています。
カービングスキーが登場する前なので、ファッションを含めて、今のスキー装備との違いも面白く見られます(と言っても、この頃のファッションのままのおじさん・おばさんも未だによく見かけますけどね)。



古い映画になりますが、1966年の東宝映画。加山雄三主演、若大将シリーズの一本です。
加山雄三はスキーで国体に出場したこともあるほどの腕前であり、一時期、越後湯沢にスキー場を所有していたこともあります(加山キャプテンコースト。現在は閉鎖)。
時代が時代だけに、「私をスキーに連れてって」に比べるとかなりワイルドなスキーを見られます。
若大将は大学スキー部の主将という設定であり、世界中の山を巡りますが、クライマックスは苗場。加山自身がスタント無しでコースを滑る姿を空撮で捉えた映像は見ごたえがあります。
苗場までオープンカーで向かったり、ゲレンデで突然をギターを掻き鳴らしながら歌い始めたりなど、「若大将」らしいシーンも楽しめる映画です。



市川崑が監督した記録映画「東京オリンピック」はよく知られていますが、その8年後、1972年に開催された札幌オリンピックでも、篠田正浩監督による記録映画が作られています。
これも、現代の冬季オリンピックに比べると装備や会場の整備が全く異なっていてかなり面白い映像ですね。スケートも屋外でやっており、1975年生まれの筆者としてはなかなか衝撃的でした。
アルペンスキーの様子もたっぷりと収録されており、滑り方や板の長さが現代とはあまりに違うので、興味深く見られます。



いきなり、スキーとはぜんぜん関係なさそうな映画ですが、1974年・若山富三郎主演シリーズの最終編です。クライマックス、雪山での決闘シーンは山形蔵王で撮影されています。
襲いかかる柳生軍団は斜面をスキーで滑ってきて、迎え撃つ拝一刀はソリ仕様に改造した乳母車に仕込んだ機関銃で応戦する……というデタラメなシーンですが、スキー好きであれば興奮すること間違いなし。登場するスキーヤーの人数では邦画最大規模と言ってよいでしょう。



最後にこちらを。
映画というわけではなく、エクストリームスキーの映像を延々収録したものです。
これが本当に命知らずの、目を瞠るような過激なスタントばかりです。
筆者は15年ほど前、スキー用品店店頭のモニターに映し出されたこの映像に釘付けになってしまい、「このDVDが欲しい!」と調べ回って、ようやくこのDVDだと突き止めました。
暇つぶしに馬鹿げた映像を見たいときは、うってつけ。真似しようという気は全く起きません。

以上、筆者が気に入っているスキー映画をご紹介しました。
スポンサーリンク
profile

筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
ブログ更新通知:https://twitter.com/squibbon19

プロフィール

squibbon