2019年1月6日に「レ・ミゼラブル」のドラマが放映されます。
ディーン・フジオカ主演で、舞台を現代へ移して……というと、昨春に放映された連続ドラマ「モンテ・クリスト伯」を思い出しますが、同じフジテレビでプロデューサーも同じ方のようなので、同じようなものを狙っているのでしょう。
筆者は以前にこんな記事も書いたくらい、「レ・ミゼラブル」は好きな小説です。
「レ・ミゼラブル」原作を読むなら、おすすめの文庫はどれ? 各社版徹底比較!
そんなわけで、割と期待して放映を待っているのですが、公式サイトで予告編を見ると、あまりにも原作とかけ離れていてちょっと驚きますね。間違って別のドラマの予告を見ているんだろうかと、何度も確認してしまいましたよ。
https://www.fujitv.co.jp/lesmiserables/
とりあえず、原作とドラマ、それぞれの登場人物をつないでみましょう。
ジャン・バルジャン……馬場純(ディーン・フジオカ)
ジャベール……斎藤涼介(井浦新)
ミリエル神父?……徳田浩章(奥田瑛二)
ファンティーヌ……不破唯(山本美月)
コゼット……不破梢(清原伽耶)
マリユス……碓氷慎(松下洸平)
テナルディエ夫妻……田辺夫妻(金子ノブアキ・長谷川京子)
エポニーヌ……田辺瑛里華(福田麻由子)
予告と公式サイトから推測できるのはこのくらいです。
ドラマでは、馬場純が少年時代に斎藤涼介の父親を殺してしまう、という設定が用意されているようですが、原作にはこのようなエピソードは全くありません。
ジャン・バルジャンはもともとは貧しさ故に無知な荒くれ者となり、20年近くも牢につながれますが、ミリエル神父と出会ったことで改心し、真人間として再出発し、マドレーヌ氏と改名して市長にまで上り詰めます。
ところが、ジャベール警部によってマドレーヌの正体がジャン・バルジャンだと暴かれ、再び牢へ入れられます。ここから再び脱獄。困窮のどん底にいるファンティーヌ、コゼットの母娘を救い、その後はコゼットを自分の娘として育て上げていく……という物語です。
ジャン・バルジャンが要所要所で、荒くれ者だったころの超人的な怪力を披露し、危機を切り抜けていくというアクションシーンが読みどころ(本当に)。
しかし、ドラマではずいぶんと違いますね。
ジャベールがジャン・バルジャンに執着する理由は、長大な原作を読むとそれはそれで納得できるのですが、2時間ドラマに収めるためには過去に因縁があり、復讐のため、とする方がわかりやすいのでしょうか。
他の登場人物では、マリユスはコゼットと愛し合い、最後には結ばれます。原作では終盤はこの2人の恋愛がメインのテーマとなってきます。
テナルディエはかつてのコゼットの雇い主で、ひどく虐待していたため、ジャン・バルジャンがコゼットを買い取ります。エポニーヌはその娘で、やはり性格が悪く、この一家が常にジャン・バルジャン、コゼットの敵として立ちはだかり続けるのですが、最後には少女らしい、愛らしさを隠し持っていたことがわかります。
というわけで、予想外に原作に忠実だった「モンテ・クリスト伯」とは違って、人間関係の大枠は原作を維持しているでしょうけれど、エピソードは自由に作り変えているものと思われます。
原作ファンとしては、それはそれでちょっと楽しみです。
手っ取り早く原作を読むなら、原作を半分くらいのボリュームにダイジェストした角川文庫版がおすすめです。
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ミリエル神父?……徳田浩章(奥田瑛二)
ファンティーヌ……不破唯(山本美月)
コゼット……不破梢(清原伽耶)
マリユス……碓氷慎(松下洸平)
テナルディエ夫妻……田辺夫妻(金子ノブアキ・長谷川京子)
エポニーヌ……田辺瑛里華(福田麻由子)
予告と公式サイトから推測できるのはこのくらいです。
ドラマでは、馬場純が少年時代に斎藤涼介の父親を殺してしまう、という設定が用意されているようですが、原作にはこのようなエピソードは全くありません。
ジャン・バルジャンはもともとは貧しさ故に無知な荒くれ者となり、20年近くも牢につながれますが、ミリエル神父と出会ったことで改心し、真人間として再出発し、マドレーヌ氏と改名して市長にまで上り詰めます。
ところが、ジャベール警部によってマドレーヌの正体がジャン・バルジャンだと暴かれ、再び牢へ入れられます。ここから再び脱獄。困窮のどん底にいるファンティーヌ、コゼットの母娘を救い、その後はコゼットを自分の娘として育て上げていく……という物語です。
ジャン・バルジャンが要所要所で、荒くれ者だったころの超人的な怪力を披露し、危機を切り抜けていくというアクションシーンが読みどころ(本当に)。
しかし、ドラマではずいぶんと違いますね。
ジャベールがジャン・バルジャンに執着する理由は、長大な原作を読むとそれはそれで納得できるのですが、2時間ドラマに収めるためには過去に因縁があり、復讐のため、とする方がわかりやすいのでしょうか。
他の登場人物では、マリユスはコゼットと愛し合い、最後には結ばれます。原作では終盤はこの2人の恋愛がメインのテーマとなってきます。
テナルディエはかつてのコゼットの雇い主で、ひどく虐待していたため、ジャン・バルジャンがコゼットを買い取ります。エポニーヌはその娘で、やはり性格が悪く、この一家が常にジャン・バルジャン、コゼットの敵として立ちはだかり続けるのですが、最後には少女らしい、愛らしさを隠し持っていたことがわかります。
というわけで、予想外に原作に忠実だった「モンテ・クリスト伯」とは違って、人間関係の大枠は原作を維持しているでしょうけれど、エピソードは自由に作り変えているものと思われます。
原作ファンとしては、それはそれでちょっと楽しみです。
手っ取り早く原作を読むなら、原作を半分くらいのボリュームにダイジェストした角川文庫版がおすすめです。
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