はじめに

以前の記事で学習漫画「日本の歴史」の選び方をご紹介しました。

学習漫画「日本の歴史」買うならおすすめはこれ!人気5大シリーズを比較

今回はその「世界の歴史」編です。
ところが、世界の歴史に関しては、日本の歴史ほどたくさんの種類は出ていないんですよね。
また、読者の方も日本の歴史ほど熱心ではない印象があります。
おそらく「日本の歴史」は小学生から学習するものの、「世界の歴史」となると本格的に学ぶのは高校に入ってからであり、大学受験対策として勉強する人が多いため、「高校生になっても学習まんが??」というイメージがあるためではないでしょうか。

これについて筆者は「歴史については高校生でもマンガで勉強すべし」と考えています。
というのは、筆者自身も大学受験のときは学習漫画で世界史を覚えたんですよね。
教科書の文字を追うだけでは膨大な人名を覚えるのは不可能。物語に落とし込んで視覚的に理解できるマンガは、歴史学習にうってつけです。これで流れを理解した上で、教科書や資料集で細部を詰めていけば受験勉強は一丁上がりです(ホントです)。

というわけで、「世界の歴史」も「日本の歴史」と同じく、小学生のうちに買って大学受験まで繰り返し読んで大事に手元へ置いておくのがおすすめですが、それでは何を買えば良いのか?
今のところ、有力なシリーズは次の4社です。




学研はこれまで全12巻で刊行されていたシリーズをリニューアルし、増補改訂版として新たに全13巻シリーズに生まれ変わります。2023年7月刊行予定です。




では、シリーズを一つ一つご紹介していきます。

学習漫画「世界の歴史」人気4大シリーズ

集英社 学習まんが 世界の歴史 全22巻セット




公式サイト:http://kids.shueisha.co.jp/sp/sekainorekishi/
実は「世界の歴史」の学習漫画を一番最初に発行したのは集英社です。筆者が大学受験のときに読んでいたというのは、集英社から出た最初のバージョンでした。以前は、世界史のマンガは集英社以外に選択肢がなかったわけです。
それから何度か改訂されているため、イラストはずいぶんと洗練されてきました。
集英社版はパイオニアらしく、「学習」と「漫画」とのバランスが取れた内容です。高校で学習する世界史の流れに沿っており、物語のあいまに挟まれる解説やコラムも充実しています。小学生から高校生まで、楽しみながら学習できる内容です。
セットの特典は時期によって変わります。以前に出たセットの在庫が残っていることもあるので、Amazonでチェックしてみてください。

なお、集英社からは同じシリーズとして「中国の歴史」も全11巻という本格的なボリュームで刊行されています。
中国史の学習漫画は集英社版が唯一です。西洋史以上に日本文化には深く影響しているものであり、また「三国志」「項羽と劉邦」「楊貴妃」など馴染みの深いエピソードも満載なので、学校での授業や受験とは別に、読んでおくとよいでしょう。筆者が子どものころに、こちらの旧バージョンが刊行され、親に買ってもらって何度も繰り返し読んでいました。



KADOKAWA 角川まんが学習シリーズ 世界の歴史 全20巻

2021年2月に発売された新シリーズです。
公式サイト:https://mangagakushu.kadokawa.co.jp/sekainorekishi/

「日本の歴史」では後発ながら最も人気があるシリーズとなってしまったKADOKAWAの学習まんが。いよいよ世界史のシリーズが発売されました。
全20巻のうち11冊が近現代史という、大学受験まで使える内容です。
世界史の学習まんがでは唯一、B6ソフトカバーのコンパクトな装丁です。全20冊の大ボリュームと手頃な価格で、世界史分野でも人気シリーズとなることと思われます。
本編のみの定番セットとは別に、別巻1冊を加えた特典付き全21冊セットも発売されています。
2022年末発売セットの特典は
・特典1
【世界史まるみえゲーム[1929~45]】
二択問題に答えて楽しくゲームを進めるうちに、第二次世界大戦の5つの国の動きがしぜんに身につく!
・特典2
【ユーラシア大冒険すごろく】
マルコ=ポーロ・イブン=バットゥータ・鄭和・天正遣欧少年使節の、13~16世紀の4組の冒険者たちのユーラシア旅行をすごろくで体験!
・特典3
【世界の偉人 名セリフ付箋】
ブッダ・ルイ14世・チャーチルの名セリフが入った付箋3本セット…キミならどう使う?
とのことです。本編の内容は定番セット同じです。

小学館 学習まんが 世界の歴史 全21巻セット


2018年に刊行された新しいシリーズです。
全17巻の本編と、全4巻のイスラム世界編で構成されており、従来はそれぞれセットとなっていますが、全21巻のセットが発売されました。

このシリーズの一番の特徴は、「山川出版社」が監修しているという点ですね。
小学館の本なのに山川出版社ってどういうこと? と思われるかも知れませんが、山川出版社は歴史書の刊行で有名な出版社です。日本の高校で最も使われている日本史、世界史の教科書も山川出版社が発行しており、大学受験用学習参考書も歴史については山川出版社が一強です。
というわけで、高校生にとっては安心感のあるブランドですが、では小学生には難しすぎるのか?
これが、内容を読むと全くそんなことはありません。むしろ、マンガとしては各社の中でも最も小学生でも読みやすい内容なのではないかと感じました。
小学生のうちから親しみつつ、大学受験対策としても外さない。そんなシリーズに仕上がっています。

2018年に刊行された本編に加え、2021年末にイスラム諸国のみをまとめた別巻も出ました。
これは大学受験どころか、社会人が読んだ方がよい状態になっています。
全4冊で「イスラム世界」「オスマン帝国」に特化した内容です。
本編、イスラム世界編、それぞれのセットもあります。

学習まんが世界の歴史全巻セット
小学館
税込17,993円
2018-11-29



 



学研 学研まんがNEW世界の歴史 14巻セット

公式サイト:https://gakken-ep.jp/extra/manga/world/

学研版はフルカラーの美麗なイラストが特徴のシリーズです。
これまでは本編全12巻でしたが、7月にリニューアルされ、全13巻の増補改訂版となります。
本編ではロシアによるウクライナ侵攻までをカバーし、またこれまでも充実していた巻末資料がさらにブラッシュアップされます。もともと学習参考書の出版社である学研の強みを生かした内容です。
初回版のセットには以下の特典が付きます。
・特典1「ツタンカーメンの棺風缶ペンケース」
・特典2「プロジェクターペン」
・特典3「ヒエログリフひらがな早見表下敷き」
・特典4「寝る前5分暗記ブック」
・特典5「世界の歴史年表」
世界の歴史の重要事項をまとめた年表です。日本の歴史年表と照らし合わせて使えます。人類の登場からロシアのウクライナ侵攻まで収録した、2枚組です。

まとめ

というわけで、「世界の歴史」となると4社とも大学受験まで意識した作りになっていますが、その上で特徴をまとめるとこんな感じでしょうか。
集英社……小中学生にも親しみやすく、高校レベルの解説も充実。
KADOKAWA……2021年2月発売の最新シリーズ。近現代が充実。「日本の歴史」シリーズはシェアナンバー1なので、世界の歴史も期待されます。
小学館……山川出版社の監修で、大学受験まで安心。小学生にも読みやすい。他社よりも安い価格設定。2022年末には日本の歴史も山川出版社監修の新版が刊行されました。
学研……マンガ部分は小中学生向けだが、巻末資料は高校生向け参考書レベル。2023年7月に増補改訂版にリニューアル。

無料 試し読み電子書籍

ぞれぞれのシリーズのイラストの雰囲気について、実際のところを確認されたい場合は、各公式サイトで試し読みをでき、また無料のお試し版を電子書籍(Kindle)で読めものもあります。以下はKindleダウンロードページヘのリンクです。






学研版は、現時点で第1巻を無料公開していますが、ずっと無料で配信し続けるのかはわかりません。

おまけ

「日本の歴史」と同じく、集英社から以前出ていたバージョンの「世界の歴史」は集英社文庫でも読めます。実はこれ、大人が世界史を再学習する本として、隠れたロングセラーになっているのです。



高校生にもなって、児童書で勉強するのはちょっと……という方は、こちらの文庫版をおすすめします。元版は15年以上前に刊行されていますが、歴史の大きな流れはその程度で変わったりはしません。

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