201810悪魔の手毬唄267

金田一耕助映画のコレクションとして、「シナリオを集める」ということもあります。
筆者も手元にあれこれ揃えつつ、結局、全然読んでいません……。
笠原和夫とか黒澤明とか向田邦子とか、シナリオを読むのは結構好きなのですが。
ひとまずどんなシナリオが入手可能なのかだけでも、ご紹介しておきます。

70年代にブームとなった金田一耕助映画については、かなりが「キネマ旬報」に掲載されています。
特に市川崑監督作は、ほぼ全て掲載されました。
5本しかないのに、「ほぼ」というのがどういうことかというと、「獄門島」は解決編の手前までしか掲載されなかったのです。雑誌の刊行が映画の公開前だから、という理由で解決編は翌月に刊行予定の2号先で、ということになっていたのですが、どういうわけか結局掲載されなかったようです。

それはともかくとして、「キネマ旬報」の金田一映画シナリオ掲載号は以下のとおりです。
(Amazonで販売ページを発見できたもののみ、リンクを張っています)

市川崑監督作品
「犬神家の一族」(No.692 1976年10月上旬号)
「悪魔の手毬唄」(No.704 1977年3月下旬号)
獄門島(No.716 1977年9月上旬号)……途中まで
女王蜂(No727 1978年2月上旬号)
病院坂の首縊りの家(No.761 1979年5月下旬号)

その他
「悪魔が来りて笛を吹く」(No.752 1979年1月下旬号)
「悪霊島」(No.821 1981年10月上旬号)……解決編手前まで
     (No.823 1981年11月上旬号)……解決編

「悪霊島」は、「獄門島」と同じく、公開前に発行された号には解決編手前までの掲載となり、2号後で無事に解決編も掲載されました。

上記作品のうちいくつかは、別の刊本もあります。
まず「犬神家の一族」は、公開時に「犬神家の一族 シナリオ決定稿」のタイトルで角川書店から単行本(といっても小冊子といった雰囲気)として発行されたり、各種のシナリオ傑作選にも収録されています。さらに、2006年にセルフリメイクされた際には、DVD「犬神家の一族 完全版 1976&2006」の特典として、市川崑監督の手書きメモ入り撮影用台本の縮小復刻版がついていました(新旧両方)。これはなかなか貴重な特典で、筆者はこれを目当てに購入しました。
「悪魔の手毬唄」もその年のシナリオ年鑑に収録されています。
また「悪霊島」は言わずと知れた角川文庫「シナリオ悪霊島」がありますね。

他の金田一耕助映画としては、中尾彬が主演したATG映画「本陣殺人事件」は月刊「シナリオ 1975年10月号」に収録されています。

以下、ご紹介した雑誌の書影をいくつか。シナリオだけでなく、パンフレットよりもはるか内容の充実した特集を読むのも楽しいです。

201810犬神家の一族268

201807悪魔が来りて笛を吹く248

201810悪霊島269

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