「笠原和夫傑作選」の刊行を記念して、映画「仁義なき戦い」に関した本をズラズラっとご紹介します。点数が多いので、内容について簡単に。詳しいことはリンク先のAmazonでレビューを御覧ください。
実際の事件について
全ての原点である原作。広能昌三のモデルである美能幸三の手記を元に「広島戦争」を描いたルポルタージュです。角川文庫で長らくを版を重ねていましたが、今は電子書籍しか販売されていないようです。
第一部で梅宮辰夫が演じた若杉寛のモデル・大西政寛と、第二部で北大路欣也が演じた山中正治のモデル・山上光治の評伝。広島ヤクザのなかでも特に伝説に語られる2人です。
モデルになった人物・事件を紹介していく内容。ビジュアル満載なので、皆さんの尊顔を拝めます。ひとりひとりの人物について詳細に紹介しているため、実際の事件について書かれた本を読むときも参考になります。
上記の本の姉妹編的な内容です。実際の事件が映画ではどのように脚色されて描かれているのかが詳細に分析されており、シリーズのファンには興味深い内容です。
「学ぶ」というところに「そんなものを学ぶ必要が??」とツッコミを入れたくなってしまいますが、タイトル通り、「仁義なき戦い」に始まる東映実録路線の映画を参照しながら現実のヤクザ抗争史を綴っていきます。
関係者への配慮から、映画化にあたっては人物名や事件の背景などかなり脚色されることも多く、勉強になります。
映画化
映画になった経緯については、さまざまに語られていますが、まずは当事者たちの証言。当ブログで何度も何度も紹介している笠原和夫のインタビュー集。こちらの記事で詳しく紹介しています。→笠原和夫を「読む」
「昭和の劇」と同じく鈴木一誌の装丁で、本棚に並べるとこんなにかっこいい2冊はありません!
というのはともかく、深作欣二のインタビュー集です。
鈴木一誌の装丁でもう1冊。タイトル通り、笠原和夫が作成した取材録を書籍化したものです。
今回刊行された「笠原和夫傑作選」の見返しに取材録のカラーコピーが掲載されていますが、その全貌がこの本には収録されているというわけです。
関係者へのインタビューの記録、自作の人物関係図や年表、取材からシナリオ執筆に至る時期の日記など、てんこ盛りの内容。映画本のコーナーではなく、「歴史史料」のコーナーにでも置きたくなるような本です。
2003年にNHKのETV特集で放映された同タイトルの番組を書籍化したもの。筆者も見ましたが非常に良い内容でした。番組自体は「仁義なき戦い」ブルーレイ版BOXに特典ディスクとして収録されています。
「仁義なき戦い」シリーズのプロデューサーである日下部吾朗の回顧録。
東映京都撮影所所長として任侠路線をスタートさせ、社長として実録路線を驀進させた岡田茂の自伝。東映ファン必読です。
ファンブック
「仁義なき戦い」のファンブックは大量に出ていますが、一番最初に出たのがこれで、なおかつその後、これを超えるものは現れていません。20年経った今も版を重ねている大ロングセラーです。ファン必携。
関連記事:
国書刊行会「笠原和夫傑作選」収録作品解説(第1回)
国書刊行会「笠原和夫傑作選」収録作品解説(第2回)
国書刊行会「笠原和夫傑作選」収録作品解説(第3回)
国書刊行会「笠原和夫傑作選」刊行開始!
笠原和夫 シナリオコレクション
笠原和夫を「読む」国書刊行会「笠原和夫傑作選」収録作品解説(第1回)
国書刊行会「笠原和夫傑作選」収録作品解説(第2回)
国書刊行会「笠原和夫傑作選」収録作品解説(第3回)
国書刊行会「笠原和夫傑作選」刊行開始!
笠原和夫 シナリオコレクション
関連コンテンツ