201803デル・トロ189

日本では3月1日から公開されているギレルモ・デル・トロ監督の新作「シェイプ・オブ・ウォーター」。デル・トロ作品初のアカデミー作品賞・監督賞を今年受賞しました。

さて、ここ十年くらい子守優先の休日を過ごしていて、まともに映画館へ行けない筆者は、当然まだ見ていないわけですが、メイキング本だけはしっかり買いました。
DU BOOKSから発行されている『ギレルモ・デル・トロのシェイプ・オブ・ウォーター 混沌の時代に贈るおとぎ話』です。



さて、さっさと買ったのにはわけがあって、と言うのはなぜかデル・トロ関係の本は「限定何千部」という形で刊行されていることが多いのです。
ブルーレイで作品を見てからのんびりメイキング本を買いに行ったのでは遅すぎる。場合によっては劇場公開時点ではもう売り切れてしまっていたりします。
「パシフィック・リム」のときがそうでした。
筆者は予告見た時点で「これはメイキング本を買うべき映画だな」と確信していたため、本が出てすぐに買いましたが、限定3000部が世間ではあっという間に売り切れ、もともと3000円くらいだったはずの本が、Amazonでは転売屋が暗躍し、3万円くらいの値がつけられていたりしました。
こんな馬鹿な騒動に巻き込まれなくてよかった、と本当に胸をなでおろしたものです。
今回もデル・トロ作品としては最大級の前評判で、なおかつアカデミー賞まで取ってしまったので、ファンは一刻も早く買っておいたほうがよいでしょう。Amazonではすでに転売屋の活動が始まっていますが、まだ在庫が残っている書店はあるはずですよ! 大型書店に問い合わせてみましょう。
内容はあんまりじっくり読んでしまうとこれから見る映画に差し支えがありそうなのでサラッと眺めただけですが、いつも通り特撮やCGの裏側、美術設定資料などファンには興味深い内容が満載です。

なお、今月末にはやはりDU BOOKSから「パンズ・ラビリンス」のメイキング本も出る予定です。これは何と限定2000部とのことなので、売り切れ必至。転売屋の暗躍確実なので、欲しい方は今のうちに予約しておいた方が間違いないでしょう。



「パンス・ラビリンス」については、筆者はデル・トロ作品の中で最も愛している映画で、何度も見直しても頭がクラクラしてしまうのですが、実はDVDが出たときにメイキング盤が付属した限定BOXを買い損ねていて、これは未だに悔やんでいます。このDVDが出た頃はすでに結婚していて、妻からオタク卒業へ向けたトレーニングを施されていた時期にあたるため、うっかり発売日をチェックしていなかったわけです。それにしても、あんなに早くに売れきれるとは想定外でした。
という苦い経験があるため、デル・トロ関係の商品にはいつも敏感に反応してしまっているわけです。

さてついでに、これまでに出たデル・トロ関係の本をまとめて置きましょう(ノベライズ以外)。筆者も全部買っているわけではありませんが。
 
パシフィック・リム ビジュアルガイド (ShoPro Books)
小学館集英社プロダクション
2013-07-24


問題の転売価格高騰本。3年後に下記の普及版が再発売されました。こっちはずっと重版しているのか、品切れにはならないようです。どちらも内容は変わらないようですが、普及版の方は値段は据え置きのまま随分と安っぽい装丁になってしまったので、やっぱり最初の限定版の方がありがたみがあります。






これまた、わりとあっという間に売り切れてしまって、今や高値でしか手に入れられない本です。筆者は迷っているうちに店頭から消えてしまったので、まあいいや、と諦めました。特定の映画についての本ではなく、それまでに公開されたデル・トロ作品全般のアイデアノートや設定画を公開したものです。店頭ではビニールパックされていて立ち読みできなかったので、詳しい内容は存じませんが、Amazonのレビューを見ると大変な好評価です。

暗黒のメルトダウン (上) (ストレイン)
ギレルモ・デル・トロ
早川書房
2012-09-07


「ヘルボーイ」や「パンズ・ラビリンス」などですでに熱狂的なファンがついていたものの、「パシフィック・リム」の大ブレイク前、という時期に発表された吸血鬼ホラー小説。文庫では全6冊のシリーズになっています。デル・トロ自身が執筆したのかアイデアを提供した程度なのか、その辺はよくわかりませんが、ファンなら読んでおいて損はないエンタメです。のちにテレビドラマ化されましたが、筆者は見ていません。



一昨年の「クリムゾン・ピーク」のメイキング本。これはなぜかまだ売り切れてません。



これは少し珍しい本で、デル・トロの自宅・通称「荒涼館」に収められたコレクションを紹介しているものです。アメリカではコレクションを陳列する展覧会を開催したそうで、そのガイドブックを書籍化しています。クリーチャーのフィギュアや絵画など、個人の収蔵品とは思えないとんでもないコレクション。ハリウッド人気監督の財力を見せつけられます。世界中のオタクの究極の夢を手に入れた男と言って良いでしょう。
発行元のサイトで、内容の一部を閲覧できます。
http://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK168

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