前回に続き、現在刊行中の新訳「水滸伝」(講談社学術文庫)を読みながら、メモとして作成しているあらすじと登場人物です。赤字は百八星の初登場回です。
第四十六回 病関索大閙翠屏山 ?命三火焼祝家店
登場人物:潘巧雲、楊雄、石秀、時遷あらすじ:楊雄は酔って計画を潰してしまったことを、石秀へ詫びる。そして、楊雄は石秀と共に潘巧雲を翠屏山へ連れ出すと、殺してバラバラに切り刻んでしまった。殺人を犯した二人は梁山泊へ逃げるしかないだろうと相談する。すると、すぐ近くで聞いていた男がいた。楊雄の知人の泥棒・時遷だった。時遷も仲間に入りたいと申し出る。三人で梁山泊へ向かう途中、宿へ入った。ここは独龍岡山近くの祝家荘にある祝家店という宿だった。時遷はここで飼っている鶏を捕まえて勝手に食べてしまうが、これは夜明けを告げる鶏で、宿の若い者は激怒する。若い者が叫ぶと、店の奥から数人の男が飛び出してきたが、楊雄たちに張り倒されると、みな門から逃げていった。きっと仲間を呼びに行ったに違いないと考え、祝家店に火を放つと、三人は逃げ出す。途中で大勢の男に包囲され、時遷だけが捕まり、祝家荘へ連行される。楊雄と石秀は更に逃げるが、途中の居酒屋で休憩していると、大男が入ってきた。この大男をみた楊雄は声をかける。
第四十七回 撲天雕双修生死書 宋公明一打祝家荘
登場人物:楊雄、石秀、杜興、扈三娘、李応、石勇、晁蓋、宋江、呉用、李逵あらすじ:大男は楊雄の義兄弟・杜興だった。独龍岡には三つの村があり、それぞれ祝家荘、扈家荘、李家荘という。祝家荘は祝氏三傑と呼ばれる兄弟が降り、扈家荘には扈三娘という娘の英雄がいる。杜興は李家荘の李応に仕えていた。杜興は祝家荘から時遷を解放してもらうと、李応へ掛け合う。李応は祝氏へ手紙を書くが、解放を拒絶される。李応は祝家荘へ攻め込むが、敗れてしまう。楊雄と石秀とはやはり梁山泊へ入り、助けを求めることにする。途中、二人は石勇と出会い、梁山泊へ案内してもらう。晁蓋はこそ泥をはたらいた時遷とその仲間を軽蔑するが、宋江がとりなし、祝家荘へ攻め込むことにする。しかし、祝家荘は道が入り組み、攻略に難儀する。
第四十八回 一丈青単捉王矮虎 宋公明両打祝家荘
登場人物:宋江、花栄、扈三娘、林冲、呉用あらすじ:祝家荘の軍団は、入り組んだ道を提灯のあかりを頼りに指揮していた。花栄が提灯を撃ち落とすと、敵は混乱し、宋江たちはなんとか勝利を得た。しかし、この戦いの中で黄信がさらわれる。宋江は李家荘の李応へ助けを求めるが、梁山泊を警戒する李応は応じない。杜興は、宋江へ祝家荘を攻めるにあたって、祝家の許婚者・扈三娘の応援には注意するよう伝える。祝家荘の軍と戦いになると、扈三娘がやはり現れた。王矮虎は女将と聞いて攻めかかるが、逆に扈三娘に生け捕りにされてしまう。その後も戦いが続くが、宋江軍は敗走する。すると、扈三娘が追ってきたが、立ちふさがった林冲に生け捕りにされてしまう。戻ってきた宋江たちへ、呉用はある計略を話す。
第四十九回 解珍解宝双越獄 孫立孫新大劫牢
登場人物:解珍、解宝、楽和、孫新、顧大嫂、鄒淵、鄒潤、孫立、王矮虎あらすじ:さて話は変わって、登州の山に解珍、解宝という兄弟の猟師がいた。役所の命令で山へ虎狩りに出て、苦労して仕留めた。虎は崖を転がり、毛太公の屋敷へ落ちていった。兄弟は毛太公へ虎を返すよう願うが、逆に捕まえられ、虎を横取りしようとしたとして訴えられてしまう。兄弟が収容された牢の役人は従兄の楽和だった。楽和は親戚・孫新の妻・顧大嫂へ相談に行く。孫新と顧大嫂は相談し、鄒淵・鄒潤の協力を得て牢破りを計画する。鄒淵・鄒潤は協力はしたいが、その後、登州の役人に追われることになるのを憂う。孫新・顧大嫂は梁山泊入を進め、また孫新の兄・孫立が州の役人であることから、追手に配慮してもらうよう掛け合う。一行は牢破りに成功し、また毛太公一家を皆殺しにすると梁山泊目指して、逃亡した。梁山泊についた一行は祝家荘攻めで苦労していることを聞き、お目見えの挨拶がてら加勢することとする。
第五十回 呉学究双用連環計 宋公明三打祝家荘
登場人物:扈成、宋江、呉用、孫立、欒廷玉、石秀、李応あらすじ:扈三娘の兄・扈成は妹の身柄と引き換えに降伏したいと宋江へ申し出る。孫立は祝家荘へやってくると、義兄弟・欒廷玉のもとを訪ね、祝氏三傑に面会する。そして、宋江軍と戦う。石秀はわざと負けたふりをし、孫立に捕まってみせたため、祝氏は孫立を信用するようになる。三度、宋江は祝家荘へ攻め込むと孫立は寝返り、祝氏三傑は殺される。李逵は調子に乗って扈家荘へ攻め込み、村人を皆殺しにしてしまう。さて、李応と杜興は梁山泊へ内通した罪で州の役人に連行されそうになるが、宋江たちに助け出される。李応は村を焼かれ、家族も焼け出されたと知り、梁山泊入りを決意する。こうして大勢の仲間が梁山泊に増えたところで、朱貴の居酒屋へ一人の客が来る。
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