201711女王蜂137

当ブログでもたびたび引用している角川文庫版の横溝正史。
かつてその表紙を飾っていた杉本一文画伯の装画は今も根強い人気があり、横溝正史のビジュアル面を支配していると言ってもよい状態です。
筆者もこの表紙には魅せられていた一人です。中学生のころ、あれだけ熱心に横溝正史を読みながら、「シナリオ悪霊島」や春陽文庫版の人形佐七をスルーしていたのは、やはり「表紙が杉本一文じゃない」ということが大きかったように思います。
個人的なベストは、冒頭に掲載した「女王蜂」。本編も大好きですが、大道寺智子と思われる表紙の女性のあまりの美しさに、時を忘れて眺め続ける……そんな中学1年生でした。

ともかく、杉本一文装画の虜になっていたのは筆者だけではないでしょう。
横溝正史シリーズの表紙絵を集めた画集が欲しいというのは、ファンの悲願でした。
「もし出るなら、こんな本だったらいいな」と、長年にわたって妄想と期待を膨らませていましたが、これがついに現実のものとなるようです!


(リンク先はAmazon)

11月22日発売予定ということで、Amazonでの予約受付が始まっています。
発行するアトリエサードはゴシックアートや少女画など、マニアックな画集をいろいろ出している出版社です。販売を請け負っている書苑新社の新刊は大型書店でも入荷しない場合が少なからずあると思われます。確実に入手したい場合は、近所の本屋やネット書店などで事前に予約したほうが間違いないでしょう。

角川文庫版の横溝正史はドラマ化・映画化などにあわせた異装版が多く、また『悪霊島』『恐ろしき四月馬鹿』『病院坂の首縊りの家』などは単行本の表紙も杉本一文が描いており、全てのバージョンをコンプリートするのはかなり難易度が高いのですが、はたして漏れなく収録されるのか?
内容に関する情報も現時点では「横溝正史の表紙絵を収録している」ということ以外には無く、Amazon商品ページにある「160点収録128ページ」で税込3456円となると、あまりにハイレベルなものを期待するとがっかりしそうですが、はてさて。
とは言え、ひとまずこの機会を逃す一生後悔することになる可能性もあるため、なんとか手に入れたいものです。
無事に入手できたら、また内容については改めてレポートしたいと思います。

また、この本の刊行にあわせて新宿でイベントも開催されるようです。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=124236349
杉本一文と喜国雅彦によるトークもあるようですので、お時間の都合のつく方は参加されてはいかがでしょうか。本画集の発売情報はこのイベント案内で知りました。喜国さんはおそらく日本で一番熱狂的な杉本一文ファンではないかと思われますので、楽しみなイベントです。(喜国さんの熱狂ぶりは以下のツイート参照)


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