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数ある金田一映画の中でも、随一の傑作と世評高い市川崑監督・石坂浩二主演の東宝映画「悪魔の手毬唄」(1977年)。
筆者も熱烈に愛してやまない映画です。
中学生の頃(平成元年頃)にテレビ放映をビデオへ録画しながら見たのが最初でしたが、それから何度見たことか。特にラストシーンは、ほぼ原作どおりでありながら、情感たっぷりに仕上げられ、強い余韻を残します。あまりに何度も見たので、村井邦彦作曲のテーマ音楽を含めて、脳内で完全に再現できるほどです。

さて、このラストシーン。
原作では京都駅ですが、映画では岡山の総社駅という設定になっています。
総社駅を選んだのは、金田一耕助の問いかけに対する磯川警部の返事を「そうじゃ」と駅名で示したかったから……という「駄洒落説」がよく唱えられていますが、筆者は単純に撮影場所が総社駅なんだろうと思っていました。
ところが、このシーン、総社駅ではなく、静岡県・大井川鐵道の家山駅で撮影されているのです。
ってことはやっぱり駄洒落説が正解か……。

というのはともかく、大井川鐵道といえば現在、未就学児を持つ全国の家庭から熱い注目を浴びている路線です。そう、リアル「きかんしゃトーマス」を走らせているところなのです。

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筆者も先日、家族で出かけてきました。
詳細は妻のブログをご参照いただくとして、今回は新金谷駅-千頭駅間の往路はSL川根路号、復路はトーマス号に乗車しました。

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川根路号はC11形190号を使用しています。
「悪魔の手毬唄」の撮影に使用されている車両は、映像で確認できる通りC11形227号なので、型は同じですが別の車両です。
それでは、石坂浩二演じる金田一耕助が乗車したC11形227号は、今はどこでどうしているのかといえば、実は!トーマスに改装されている車両こそが、ずばり227号なのです。
というわけで、トーマス号は全国のチビッコだけでなく、全国の金田一ファンからも熱い注目を浴びているというわけなのです。

などと言いつつ、実は筆者はトーマス号のベースがC11形227号だということは、今回の旅行から帰って、初めて知りました。
中学生の頃から何度も何度もビデオで見ていた蒸気機関車が、今やトーマスになっていたとは……。ビックリしました。
行く前に知っていたら、映画と同じ角度で写真を撮ったりしてみたかったな、というのがちょっと残念。
とはいえ、子どもを3人連れているので、パパひとりがオタク魂全開で行動するのは、どのみち無理だったわけですが。
「悪魔の手毬唄」のアノ機関車に乗れた、ということだけで充分に満足な体験でした。

なお、映画「悪魔の手毬唄」に関しては、近々、下記のような書籍が刊行されます。
さすが映画秘宝。よくわかっているセレクションです。この情報を知った時はまさに狂喜して、目下、発売日を待ち焦がれている状況です。
ツイッターを眺めていると、執筆した関係者なのか、チラホラと入手したという情報を見かけますが、現時点で筆者は未見です。果たして、トーマス号の話は書いてあるのかどうか?
いずれにせよ、とても楽しみな本です。

(リンク先はAmazon)

また、C11形227号はトミカも発売されています。
もちろん、トーマス仕様ですが、「悪魔の手毬唄」ファンにとっては、これは「金田一耕助が乗車した機関車のトミカ」です。
トミカはマニア向けのものもいろいろ発売していて、例えばバットモービルのトミカや、「カリオストロの城」カーチェイスのトミカなどありますが、これもその一つと考えて良いでしょう。
筆者はそうとは知らず、新金谷駅で子どものおみやげとして買いましたが、自分用にも買うべきものでした。いや、難癖をつけて取り上げるか?(←鬼)




ついでにいうと、プラレールもあります。筆者はこっちは持っていませんが、よく考えると自宅で「悪魔の手毬唄」のサントラを流しながら走らせることも出来るわけだ。トーマスの曲なんか流すもんか。
子どものクリスマスプレゼントにかこつけて、いずれ買いたいと思います。



悪魔の手毬唄[東宝DVD名作セレクション]
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悪魔の手毬唄総劇伴集
村井邦彦
富士キネマ
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