20170505スケキヨ072

筋肉少女帯が活動を一時休止した直後に発売された、大槻ケンヂのソロプロジェクト「アンダーグラウンド・サーチライ」。第一弾のタイトルは「スケキヨ」というぶっ飛んだもので、CD屋で発見した時は仰天しました。
しかし、つい最近買ったばかりのような気がしていましたが、もう20年近くも経っているとは。就職したばかりの頃で、帰宅途中に職場近くのショップで手に取ったときのことはよく覚えています。
久しぶりに棚から出してみたら、帯の紙がシミだらけになっていて、歳月を感じます。
こんなアルバム、すぐさま廃盤になるだろうと思って、急いで買ってきたものですが、意外にもかなり長い間、販売されていました。
これが出たときには、筋少の休止は発表されていたんだったっけなあ? 20年前のことなので、あまりよく覚えていません。

というわけで、筋肉少女帯の元ネタ探しに続いて、アンダーグラウンド・サーチライの2枚に行きたいと思います。
(とはいえ、オーケンの作詞曲の限るので、あんまりたくさんはありません)

ワインライダー・フォーエバー

ウィノナ・ライダーとジョニー・デップのスキャンダルを歌ったもの。
ジョニー・デップが腕に彫った「ウィノナ・フォーエバー」の刺青をレーザーメスで消そうとしたところ、うまく消えず「ワインフォーエバー」になってしまった……という話は、ライナーノーツでオーケン本人が解説していますが、曲のタイトルを「ウィノナ・ライダー・フォーエバー」としなかったのは、権利関係の問題で……という話は、どこか別のところに書いてあったような気がします。
【彼氏の腕はシザーズ】
ティム・バートン監督「シザー・ハンズ」のこと。ジョニー・デップ演じるエドワードは腕がハサミの人造人間で、ウィノナ・ライダー演じる女の子に恋をする。「フランケンシュタイン」をモチーフにした名作。
【彼女は昔ヘザーズ】
ウィノナ・ライダーの出世作「ヘザース」のこと。「体育会系VSオタク」というアメリカ映画によく出てくる対立を描いていますが、ガンガンと人を殺していくブラック・コメディ。
【ティーバートン】
ティム・バートンのこと。

猿の左手 象牙の塔

インディーズ時代の筋肉少女帯の曲ですが、メジャーデビュー後は再録せず、アンダーグラウンド・サーチライで久しぶりの登場。インディーズ時代よりも格段に歌がうまくなっているのがわかります。
【猿の左手】
イギリスの古典的ホラー小説であるジェイコブズの「猿の手」から。三つの願い事を叶えてくれる猿の手のミイラを巡る物語。創元推理文庫のアンソロジーが最も手軽に読めます。
怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫)
アルジャーノン・ブラックウッド



【左手】
では、なぜ「猿の手」が「猿の左手」になったかといえば、これはル・グィンのSF「闇の左手」から。
闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))
アーシュラ・K・ル・グィン



埼玉ゴズニーランド

言うまでもなく東京ディズニーランドのパロディ。個人的には無茶苦茶好きな曲。
【警部マックロード】
70年代に放映されたアメリカの警察ドラマ「警部マクロード」から。
警部マクロード DVD-BOX 1
デニス・ウェーバー


【バイオニックジェミー】
70年代に放映されたSFドラマ「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」から。


【水漏りコースケ】
70年代に放映された石立鉄男主演のホームドラマ「水もれ甲介」から。


UNDERGROUND SERCHILIE

この曲の歌詞はもともと大槻ケンヂの自伝的大河小説の第2弾「グミ・チョコレート・パイン チョコ編」(1995年)の「第4章 サタデーナイトフィーバー」に登場していたものです。小説のために書き下ろした詩なのか、もともとの持ち歌だったのかはよくわかりません。作中では「ゾン」という登場人物が演奏します。筆者は町田町蔵がモデルだと思って読んでいましたが、遠藤ミチロウのイメージも入っているようです。
【ミラーボール】
ジョン・トラボルタ主演の映画「サタデーナイトフィーバー」のイメージ。ジョン・トラボルタは70年代にこの映画で一世を風靡したが、やがて失速。しかしクエンティン・タランティーノが「パルプフィクション」(1994年)で起用したことから人気が再燃。「グミ・チョコレート・パイン」が書かれた時期は再ブームの最中でした。
【八つ墓村の格好】
横溝正史の「八つ墓村」に登場する大量殺人犯・田治見要蔵の服装のこと。詰襟の上着、脚にはゲートルを巻き、胸にはナショナルランプを下げ、頭の鉢巻には牛のように2本の懐中電灯を突き立てた姿で村を襲撃し、一晩で32人を殺しました。野村芳太郎監督の松竹映画「八つ墓村」の影響もあり、70年代カルチャーの頻出項目となっています。
なお、昭和13年に実際に起きた津山事件では、犯人の都井睦雄がこの姿で30人を殺しています。筋肉少女帯の最近のアルバム「THE SHOW MUST GO ON」にも、津山事件をモチーフにした「ムツオさん」という曲が収録されています。


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