20170502太陽を盗んだ男067

1979年の映画「太陽を盗んだ男」はカルト的な人気を誇る映画ですが、筆者が初めて観たのは、池袋新文芸坐でのリバイバル上映でした。
DVDではなく、大画面で出会うことができたのは非常に幸せなことだったと思っています。特に後半のアクションはDVDで見るとやや物足りなく感じてしまいます。

それはともかくとして、この映画はロケ中心で撮影されており、70年代末の東京の様子が克明に記録されています。Googleアースとストリービューとを使って現在の姿と比較してみます。

まず冒頭の原子力発電所。これは、実際には原発ではなく横須賀火力発電所です。
screenshot009002空撮

screenshot004001発電所
Googleアースで眺めると、一部の建物がなくなっていますが、おおむね撮影当時と変わらない姿です。

次に、沢田研二の自宅アパート屋上。
screenshot010003自宅
背景に新宿ビル群があり、アパートの真下には中央線が走っています。ビルの見える角度などから、JR大久保駅の北と推定されますが、目を凝らしてGoogleアースを探し回っても、該当する建物は見当たりません。撮影当時からオンボロビルでしたので、建て替わっているのでしょう。

バスジャック事件。
screenshot011004坂下門
これは、半永久的に景色は変わりません。皇居の坂下門です。

次に、これも不動の景色、国会議事堂。伝説的なゲリラ撮影のシーンです。
screenshot012005国会
ストリートビューでは、ずばり同じ角度の画像はありませんでしたが、映画と全く同じ位置に警察官が立っていました。門の脇の樹木もずいぶん生長しています。

中盤、歌舞伎町近辺を歩き回るシーン。
screenshot015
このあたりは、ここ数年でガラッと景色が変わりました。

池上季実子と沢田研二が出会うシーン。新宿住友ビルです。
screenshot000012737

008ビル

ビルの敷地内となるためか、ストリートビューではこの辺りを見られませんでした。
池上季実子の後ろに謎のオブジェが見えますが、Googleアースにもそれらしきものが見えます。この位置から、沢田研二が壁を押さえていた位置も推定して、書き込んでみました。

池上季実子と沢田研二が入った喫茶店。新宿大ガード西の交差点脇です。ストリートビューで見ると、今は回転寿司になっているようです。
screenshot001009新宿大ガード

捜査が進み、沢田研二が電話をかけていた東急百貨店へ警察車両が駆けつけるシーン。
screenshot003010東急百貨店
渋谷にある東急百貨店本店の現状とあまりに雰囲気が違うため、あれ?と思い調べてみると、なんとこの外観は渋谷ではなく、東急百貨店日本橋店のものでした。現在は閉店して、コレド日本橋が建っています。隣接する日本橋西川ビルは今も現在です。三菱銀行の看板が写っていますが、この場所には現在も三菱東京UFJ銀行が入居しています。
万札を空中へばらまいたりなど、外回りの撮影は、全て日本橋で行われたようです。

原子爆弾を押収されてしまったあと、池上季実子と再会。背景に写っている景色から、代々木のこのあたりと推定されます。(電信柱に住所表示が見えます)
screenshot006

さていよいよ、早朝の壮絶なカーチェイス。スタートは竹橋のパレスサイドビル脇です。発進する車の背景にビル名が写り込んでいます。
screenshot007010パレスサイド

菅原文太が車をジャンプさせたのは、そのすぐ北にあるこの位置。このシーン、大好き。
screenshot008012ジャンプ

カーチェイス途中。「日進ハム」の看板を手がかりに、一ノ橋ジャンクション付近と特定できます。
screenshot014013日進ハム
カーチェイスはこの後も延々続きます。背景の看板などから、位置を特定できそうな場面もいくつかありますが、キリがないのでこのくらいで。

次に、一気に終盤へ飛んで、菅原文太が「ろうりんぐすとおんずなど来おおん!」(注)と怒った、武道館近くのビルの対決シーン。
(注:大槻ケンヂ『オーケンの、私は変な映画を観た!!2』キネマ旬報社参照)
screenshot016014屋上
科学技術館の屋上のようです。
「行くぞ、九番」と飛び降りるときに写っている外壁もこの建物のものです。
screenshot017015九番

さて、上記の他にもほとんどのシーンがロケなので、東京の景色はたくさん写っているのですが、特定できなかったり、ストリートビューで確認できなかったりが多いため、今回のご紹介はこのくらいにします。

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