
松本清張原作・野村芳太郎監督の映画「鬼畜」(1978年松竹)は、筆者が最も好きな邦画の一つです。
緒形拳の迫真の演技に圧倒されることももちろんですが、個人的にこれほど入れ込んでしまう理由として、75年生まれの筆者がちょうど物心がついた時期に撮影された映画であり、画面に映っている昭和末期の街並みや服装などに、たまらない懐かしさを感じてしまうということもあります。
そんなわけで今回は、映画「鬼畜」のロケ地が、今はどんな風になっているのか、GoogleストリートビューとGoogleアースとを駆使して見ていきたいと思います。
今回は、小川真由美が東武東上線に乗って緒形拳の住む川越へ出かける冒頭のシーン。
まずは、小川真由美の最寄りだった埼玉県寄居町の男衾駅。


左が劇中の男衾駅。右が現在の男衾駅。
駅舎は建て替わっているようですが、 雰囲気は昔のままです。電話ボックスまで同じ位置にあります。
鉄橋。


次に、川越へ向かう電車の空撮。




地形や道路の形から推測して、上は東武東上線が国道254号線と交わる辺り、下は森林公園駅と東松山駅のちょうど中間あたりと思われます。
次に川越市内。これは容易に位置を特定できます。


川越市駅。駅舎が建て替わっても面影は残っています。


蔵のある街並み。駅から時の鐘へ向かうルートです。


時の鐘付近。決戦前に腹ごしらえしたラーメン屋「勝山」は、「大八勝山」として今も健在です。
約10年前に、実際に川越でロケ地巡りをした時は、隣に「フジパン」の看板が見えているパン屋も、おしゃれな店に様変わりして営業していましたが、ストリートビューで現況を見ると、何やら工事中でした。
というわけで、映画を見ていない方には何のことやらさっぱりわからない写真ばかりですが、次回、後編に続きます。
映画「鬼畜」のロケ地をGoogleストリートビューで巡る(後編)
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