備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

江戸川乱歩入門 その6 春陽文庫版(短編)

今回は春陽文庫の「江戸川乱歩文庫」についてご紹介します。
黒い背表紙に赤い文字、インパクトのある表紙絵を書店でご覧になったことがある方も多いと思います。
児童向けや中絶作品など、特殊なものを除いて、全ての小説が収録されています。
小説のみを読破しようとするのであれば、最も手軽なシリーズです。筆者も、この文庫で読んでいます。

しかし、いろいろ問題もあります。
一番大きいのは「校訂がいいかげん」ということ。
最近、一部の巻のみ新装版が刊行され、その巻末には春陽堂書店版「江戸川乱歩全集」(昭和29~30年)を底本にしているということが書かれています。したがって、乱歩作品の定本とされる桃源社版で削除された文章が残っていたりするのですが、一方で、戦前に検閲で削除された部分がそのまま復活していなかったりもするようです。
創元推理文庫や光文社文庫のように、編集方針が明記されている全集に比べると、信用度はかなり低いシリーズです。

とはいえ。
この文庫で乱歩を読んだ筆者からすれば、「うさんくさいところを含めて乱歩」という気もします。
実際には、乱歩は非常に几帳面な人でしたが、通俗長編などは結末を考えずに書き飛ばしたりもしており(その後で自己嫌悪に陥ったりしますが)、あまり細かい校訂など意識せず、勢いで読んでしまうのが正しい乱歩の読み方ではないかと思います。
そういう意味では、最も肩が凝らずに素直に楽しめるシリーズが春陽文庫版なのです。

新装版が今後も続くのか、目下不明で、その辺も春陽堂らしいのですが、とりあえず旧版に沿って収録作品をご紹介します。冊数が多いため、今回は短編のみ。

全30冊のうち、最初の9冊が短編集です。
これはもともと「江戸川乱歩名作集」というタイトルで刊行されていましたが、昭和62年にカバーを改めて「江戸川乱歩文庫」となりました。ただし本文は「江戸川乱歩名作集」と全く変わっていません。
「陰獣」「ペテン師と空気男」「偉大なる夢」は、他のシリーズでは長編として扱われていることもありますが、このシリーズでは中編という扱いで短編集に入っています。

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陰獣
盗難
踊る一寸法師
覆面の舞踏者

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パノラマ島奇談
白昼夢

火縄銃
接吻

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鏡地獄
押絵と旅する男
火星の運河
目羅博士の不思議な犯罪

屋根裏の散歩者
疑惑

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何者
D坂の殺人事件
一人二役
算盤が恋を語る話
恐ろしき錯誤
赤い部屋
黒手組

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人間椅子
お勢登場
毒草
双生児
夢遊病者の死
灰神楽
木馬は回る
指環
幽霊
人でなしの恋

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月と手袋
地獄風景
モノグラム
日記帳

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心理試験
二銭銅貨
二廃人
一枚の切符
百面相役者
石榴
芋虫

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ペテン師と空気男
堀越捜査一課長殿
防空壕
妻に失恋した男


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偉大なる夢
断崖
兇器

表紙画像をご覧いただくとわかるとおり、『ペテン師と空気男』『偉大なる夢』は、現時点では新装版が出ていません。
編集方針は底本同様よくわからず、なぜこのような組み合わせなのか説明できませんが、個人的には『心理試験』の巻に傑作が集中しているように思いますので、最初に読む一冊におすすめです。

関連記事:
江戸川乱歩入門 その1 名作短編集のおすすめ
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江戸川乱歩入門 その3 少年探偵団シリーズ
江戸川乱歩入門 その4 長編のおすすめ
江戸川乱歩入門 その5 創元推理文庫版
江戸川乱歩入門 その7 春陽文庫版(長編)
江戸川乱歩入門 その8 光文社文庫「江戸川乱歩全集」
江戸川乱歩入門 最終回 講談社「江戸川乱歩推理文庫」

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江戸川乱歩入門 その5 創元推理文庫版

今回からは「乱歩全作読破」を狙う方のため、順次、各シリーズ、全集の特色をご紹介していきます。
初回は創元推理文庫版です。

乱歩の全集は生前没後を含めて何度か刊行されていますが、創元推理文庫版は生前最後の全集である桃源社版全集を底本としています。乱歩は自身の作品が改めて刊行されるたびにちょこちょこと筆を加える癖がありましたが、桃源社版全集は生前最後ということで、乱歩作品の決定版テキストと考えられているためです。
この文庫シリーズはさらに、初出掲載誌の挿絵を全点収録するという方針もあり、これもほかのシリーズでは味わえない楽しみです。

というわけで、もっとも読みやすくおすすめできる文庫は創元推理文庫版なのですが、全く残念なことにいまだに完結していません。それどころか10年以上も続刊が止まっているので、将来的に完結するのかどうかも不明です。
要するに、創元推理文庫版だけでは全作読破できない、ということになります。
完結さえしてくれたら、間違いなく決定版なのですが……

ご参考までに、各巻の収録作品は以下のとおりです。(『日本探偵小説全集2 江戸川乱歩集』も、創元推理文庫版乱歩シリーズの一冊に含まれますが、挿絵を掲載している作品は「陰獣」のみとなっています)


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二銭銅貨
心理試験
屋根裏の散歩者
人間椅子
鏡地獄
パノラマ島奇談
陰獣
芋虫
押絵と旅する男
目羅博士
化人幻戯
堀越捜査一課長殿

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孤島の鬼

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二廢人
D坂の殺人事件
赤い部屋
白昼夢
毒草
火星の運河
お勢登場

石榴
防空壕


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蜘蛛男

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魔術師

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黒蜥蜴

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吸血鬼

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黄金仮面

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妖虫

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湖畔亭事件
一寸法師

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影男

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一枚の切符
恐ろしき錯誤
双生児
黒手組
日記帳
算盤が恋を語る話
幽霊
盗難
指環
夢遊病者の死

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百面相役者
一人二役
疑惑
接吻
踊る一寸法師
覆面の舞踏者
灰神楽
モノグラム
人でなしの恋
木馬は廻る

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大暗室

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盲獣
地獄風景

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何者
暗黒星

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緑衣の鬼

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三角館の恐怖

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幽霊塔

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人間豹

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悪魔の紋章

参考までに、今のところ創元推理文庫で読めない作品は以下の通りです。(中絶作や他作家とのリレー小説は除く)
・長編
闇に蠢く
猟奇の果
白髪鬼
恐怖王
地獄の道化師
幽鬼の塔
偉大なる夢
十字路
ぺてん師と空気男

・短編

火縄銃
断崖
兇器
月と手袋
妻に失恋した男


短編はちょうどあと一冊くらいの分量ですが、どれを表題に持ってきたらよいかわからないくらい地味なものばかり残っています。「非代表作選集」と銘打つしかないな、これは。「鬼」や「月と手袋」は本格ミステリとしてよくできていますが。
長編はまだ9作もあり、一部は短いので合本でいけそうですが、まだ先は長いです……

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江戸川乱歩入門 その8 光文社文庫「江戸川乱歩全集」
江戸川乱歩入門 最終回 講談社「江戸川乱歩推理文庫」

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江戸川乱歩入門 その4 長編のおすすめ

初回にも書きましたが、乱歩の本領発揮は短編です。
乱歩の長編は本人も「通俗もの」と呼び、大衆受けを狙って書かれたものがほとんどであり、ストーリーなどはあまり練らずに書かれたものもたくさんあります。また、トリックなどはほとんどが海外ミステリのネタを流用しており、オリジナルといえるものはあまり多くありません。
特に探偵小説のことを知らない読者に向けて、面白おかしく話を聞かせる、というスタンスで書かれており、その売らんかなぶりには乱歩自身が自己嫌悪に陥って、たびたび断筆を繰り返すほどでした。

しかし、大衆は熱狂的に乱歩を支持し、現在に至るもその人気は短編よりもむしろ長編にあります。
改めて読んでみると、やはり乱歩の長編は面白いのです。怪人対名探偵という、懐かしき冒険活劇がここにはあります。
読み始めれば、おそらく全て読みたくなるだろうとは思いますが、とりかえず今回は、乱歩の長編を読むならまず必読の5作をご紹介します。

1.「孤島の鬼」

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これが乱歩の長編ベスト、というのはほぼ定説といってよいでしょう。数多くの通俗長編の中にあって「孤島の鬼」は非常に完成度が高く、謎解きミステリに加え、怪奇趣味を十分に堪能できます。
個人的にも最も思い入れが深い作品です。小学生の頃、少年探偵団シリーズを離れて、初めて読んだ大人向けの長編でしたが、インモラルな雰囲気と強烈なサスペンスとで夢中に読み耽り、ふと気づくと、いつの間にかすっかり日が暮れて、部屋は真っ暗になっていたのでした。
もう30年近く昔のことですが、今でも忘れられない読書体験です。

2.「蜘蛛男」

明智小五郎事件簿 3 「蜘蛛男」 (集英社文庫)
江戸川 乱歩
集英社
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「講談社で連載した通俗もの」の第一作。帝都を跳梁する殺人鬼と明智小五郎が対決する華やかな作品です。
破綻もほとんどなく、通俗ものの魅力はこの一冊で十分にわかります。というか、あとに続く数多くの長編は、ほぼ全部同じパターンが繰り返されます。

3.「黒蜥蜴」


舞台や映画で繰り返し上演される代表作の一つです。
ただし、これら舞台や映画は乱歩の「黒蜥蜴」を下敷きにした三島由紀夫の戯曲が原作となっています。
三島由紀夫の戯曲は文庫では現在入手できず、全集で読むしかありません。

4.「化人幻戯」

化人幻戯 (江戸川乱歩文庫)
江戸川 乱歩
春陽堂書店
(リンク先はAmazon)

戦後の昭和30年に推理小説専門誌「宝石」に連載されたものです。一般的に知名度は高くはないのですが、これは通俗長編ではなく、乱歩の長編では唯一といってもよい本格ミステリです。乱歩自身は「失敗作」と断じていますが、力を込めて執筆したことがよく伝わります。密室トリック、アリバイトリックなどを駆使した作品です。
また、乱歩には珍しい戦後中間小説的な官能描写も注目です。

5.「幽霊塔」

幽霊塔
江戸川 乱歩
岩波書店
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先日、涙香の「幽霊塔」をご紹介しましたが、これの乱歩版です。
翻案なので、ストーリーが破綻することはあり得ませんが、乱歩らしさが濃厚に漂う名作となっています。

以上、長編はいろいろなバージョンが出ていますので、どのシリーズ、全集を買おうか迷うかと思いますが、それぞれの全集のご紹介は、次回以降いたします。

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江戸川乱歩入門 その3 少年探偵団シリーズ
江戸川乱歩入門 その5 創元推理文庫版
江戸川乱歩入門 その6 春陽文庫版(短編)
江戸川乱歩入門 その7 春陽文庫版(長編)
江戸川乱歩入門 その8 光文社文庫「江戸川乱歩全集」
江戸川乱歩入門 最終回 講談社「江戸川乱歩推理文庫」

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江戸川乱歩入門 その3 少年探偵団シリーズ

今回は少年探偵団シリーズの話です。

乱歩といえば怪人二十面相、ということで、大人向けの小説ではなく少年探偵団シリーズを読んでみようという方もいらっしゃるでしょう。
少年探偵団シリーズは、ここ数十年はポプラ社が独占的に刊行してきましたが、2015年に乱歩の死後50年経って著作権が切れたことにより、新潮文庫などからも刊行が始まっています。
とはいえ、少年探偵団シリーズのほぼ全てを読めるのはポプラ社のみです。(光文社文庫の全集にも収録されていますが、これについては、また別の機会にご紹介します)

さて、というわけで少年探偵団シリーズを読むならポプラ社、というわけですが、ポプラ社では現在3つのバージョンが出ています。
1.少年探偵・江戸川乱歩
2.文庫版 少年探偵・江戸川乱歩
3.江戸川乱歩・少年探偵シリーズ(ポプラ文庫クラシック)

それぞれの表紙を見てみましょう。

怪人二十面相 (少年探偵・江戸川乱歩)
江戸川 乱歩
ポプラ社
1998-10-01


怪人二十面相 (少年探偵)
江戸川 乱歩
ポプラ社
2005-02-01




ご覧いただくとわかる通り、「1」はハードカバーの単行本、「2」はその児童向け文庫版(B6ソフトカバー)です。

では、「3」のポプラ文庫クラシックとは何でしょう?
この表紙を見て、「懐かしい!」と思われる方も多いかと思いますが、新装版である「1」が出る前の、旧版単行本の表紙絵を使った文庫版シリーズがこちらなのです。
筆者などはこの旧版にドハマリした世代なので、少年探偵団といえばやはりこの表紙だよな、と思ってしまいますが、とはいえ新装版が出てからもそろそろ20年近くになりますので、現在の20代の方は、新装版の方が親しみがあるのかもしれません。
ちなみに、もっと古い世代は光文社から出ていたシリーズで読んでいるため、ポプラ社の旧版でも違和感があるそうです。北村薫が辻村深月との対談の中で「小林くんが髪を伸ばしているのは受け入れられない」という発言をしていて(「ユリイカ」2015年8月号)、驚くとともに、非常に納得しました。

というわけで、少年探偵団シリーズをひと通り読みたいという場合、子どもであれば「1」か「2」、大人の方は「3」で読んでいけばよいかと思います。

ところで、ポプラ社旧版の「少年探偵」シリーズを図書室で読んでいた方たちは、現在の各シリーズを見て、「あれ? 時計塔の秘密は? 黒い魔女は?」と首を傾げるかもしれません。
そう、現在は旧版での後半の巻が全て絶版となっているのです。
旧版での「黄金仮面」以降の巻は、大人向け小説を子ども向けにリライトしたものですが、全て乱歩以外の作家による代作でした。
だから、なのか、ほかに事情があるのかわかりませんが、現在は前半の少年探偵団シリーズのみが刊行されています。後半は古本屋を探すか、物持ちの良い図書館で借りるしかありません。

関連記事:
ポプラ社 少年探偵江戸川乱歩全集の27巻以降(後半のリライト作品について)
江戸川乱歩入門 その1 名作短編集のおすすめ
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江戸川乱歩入門 その4 長編のおすすめ
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江戸川乱歩入門 その8 光文社文庫「江戸川乱歩全集」
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亜愛一郎辞典〈ま-わ行〉

《凡例》
・複数作品に登場する項目は青字とした。
・実在する項目については「★」印を付けた。
・各項目の説明は、登場する作品内での記述を総合した。
・ネタバレは無いよう注意を払ったが、亜愛一郎シリーズを読了している方を対象として作成している。
・ネタバレ回避のため、最終話「亜愛一郎の逃亡」に登場する人物は一部を省略した。
・創元推理文庫版を参照して作成した。
・「ホロボの神」は、単行本収録版は《単》、「幻影城」掲載の初出版は《幻》を付した。
・新たな発見があれば随時更新する。

〈ま〉

ますぎん【桝銀】
酒屋。
※「火事酒屋」


まるせるしゅうぉっぶ【マルセル シュウォッブ★】
フランスの小説家。「黄金仮面の王」という短編がある。(乱歩の長編「黄金仮面」というタイトルもこれが元ネタ)
※「掌上の黄金仮面」


まんど【満戸】
花盛線の駅。
※「砂蛾家の消失」


まーてるのあおらべる【マーテルの青ラベル★】
高級コニャック。
※「G線上の鼬」「赤の讃歌」


〈み〉

みぎうでやま【右腕山】
人が肘枕で寝ている姿に似た山。南国にある。
※「右腕山上空」


みそらがおかしんだんち【美空が丘新団地】
たぬきの茂平こと二毛茂平の肝煎りで開発された4階建ての団地。通称・お化け団地
※「曲がった部屋」


みついかめお【三井亀夫】
帽子の持ち主。
※「ねじれた帽子」


みついしぎんこう【三石銀行】
西上野支店が強盗被害に遭った。
※「掌上の黄金仮面」「争う四巨頭」


みどころ【水所団地】
調布の先にある団地。
※「G線上の鼬」


みなとをみるひ【港を見る灯】
加茂珠洲子の曲。
※「珠洲子の装い」


みふねすぽーつびーさんびゃくごじゅうしーしー【ミフネスポーツB350cc】
オートバイ。
※「ホロボの神《幻》」「意外な遺骸」


みまり【美毬】
銀蔵の妻。
※「火事酒屋」


みみなり【耳成】
右腕山中学校天文部1年生。通称「ミミ」。
※「右腕山上空」


みやじりし【宮後市】
以前は温泉街として賑わった町。
※「亜愛一郎の逃亡」


みやまえくうこう【宮前空港】
宮前市にある空港。空港に降りる飛行機の全てがプロペラ機で、週に数える程しか便がない。前年の震度7の大地震で滑走路が亀裂を生じた。
※「DL2号機事件」「珠洲子の装い」


みやまえけいさつしょ【宮前警察署】
宮前市の警察署。署長は江戸幕府旗本の末裔で、趣味は生け花。
※「DL2号機事件」


みやまえし【宮前市】
50年に一度、大地震に見舞われる九州の町。前年の震度7の地震では市の三分の二までが甚大な被害を受けた。
※「DL2号機事件」「掌上の黄金仮面」「珠洲子の装い」


〈む〉

むかいざいばつ【向井財閥】
羽並市の財閥。
※「掌上の黄金仮面」


むしゃのひがしのこうじじろうざえもん【武者東小路次郎左衛門】
双宿中学校の教師。歴史学者。
※「飯鉢山山腹」


むしゃのひがしのこうじたろうざえもん【武者東小路太郎左衛門】
歴史学教授。大竹譲の友人。
※「ねじれた帽子」


むしょうこ【霧昇湖】
北海道釧路の近くにある湖。
※「双頭の蛸」


むろのはじめ【室野肇】
釣りが趣味の会社員。
※「砂蛾家の消失」


〈も〉

もこけいじ【藻湖刑事】
警視庁西上野署の刑事。拳銃の名手。
※「掌上の黄金仮面」


もとおおぜ【元大銭】
花盛線の駅。
※「砂蛾家の消失」


もときちょう【基木町】
金堀町の隣町。市電の始発駅。
※「黒い霧」


もりのさるおまつりの【もりのさる おまつり の】
池本銃吉作 一荷聡司画の絵本。青蘭社刊。
※「掘出された童話」


もろじゅく【双宿】
府館線沿いにある海が近い町。
※「掘出された童話」「歯痛の思い出」「飯鉢山山腹」「亜愛一郎の逃亡」


もろじゅくちゅうがっこう【双宿中学校】
双宿にある中学校。
※「飯鉢山山腹」


〈や〉

やしまうに【屋島ウニ】
双宿の水産加工会社。
※「飯鉢山山腹」


やまねきょうじゅ【山根教授】
昆虫学者。
※「三郎町路上」


やまのうえげか【山の上外科】
青蘭市の外科。
※「火事酒屋」


ヤーマ【ヤーマ】
ホロボ島酋長の息子。
※「ホロボの神《単》」


〈よ〉

よこかわけいじ【横川刑事】
北海道警の刑事。
※「双頭の蛸」


よっこ【ヨッ子】
鐘田を振った女の子。
※「ホロボの神《幻》」


よつやしんたろう【四谷新太郎】
四谷乱筆の甥。
※「球形の楽園」


よつやしんたろう【四谷若菜】
四谷新太郎の妻。
※「球形の楽園」


よつやらんぴつ【四谷乱筆】
蠍町の大富豪。
※「球形の楽園」


よろ【寄呂】
釧路市郊外の町。
※「双頭の蛸」


〈り〉

りんこ【りんこ】
加茂珠洲子の愛称。
※「珠洲子の装い」


りんこりんす【りんこリンス】
りんこちゃんみたいな髪の色になるリンス。
※「珠洲子の装い」


〈る〉

るじり【留尻】
霧昇湖近くの地名。
※「双頭の蛸」


るじりしょうがっこう【留尻小学校】
留尻にある小学校。
※「双頭の蛸」


〈ろ〉

ろくはら【六原】
パチンコ経営者の息子。
※「ホロボの神《幻》」


〈わ〉

わたぬきいわお【綿貫岩男】
最近、山を売って金持ちになった。通称「たぬきの岩さん」
※「意外な遺骸」


わるさーぴーさんじゅうはち【ワルサーP38★】
ドイツの軍用拳銃。
※「掌上の黄金仮面」



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筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
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