備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

本棚

地震と本棚

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20110311222509(1)

先日の記事でも書きましたが、東日本大震災が発生した時、筆者は東北にいました。
都会に比べると家賃が安いので、今から考えると信じられないくらいだだっ広い豪邸を借りて、優雅な生活を満喫していました。子どもはまだ2歳の長男1人だけだったので、子供部屋を用意する必要もなく、リビングと寝室以外は全て書庫にして、林立する本棚に囲まれる夢のような暮らしをしていたわけです。

ただ、もともと東北は地震が多い地域なので、揺れへの対策はそれなりにしていたハズでした。
先日の記事にも載せた写真ですが、天板の上に耐震突っ張り棒がかませてあるのが写っています。

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基本的に、全ての棚にこのような突っ張り棒をかませていました。
本当は壁へ固定するのが一番良いということはわかっていましたが、借家なのでさすがに壁へ木ネジを突っ込むのはためらわれ、このような対応となっていたわけです。
東北で暮らし始めてから、東日本大震災が発生するまでのあいだに、実は震度5を2度も経験したのですが、その時はこれが効いたのか、本棚が倒れるという事態はありませんでした。

しかし、震度6弱にはこの突っ張り棒というのは全く効果なし。
写真は残していませんが、全て真ん中でバキッと折れたり、ぐにゃっと曲がったり。全部捨てることになりました。
震度5と震度6のあいだになにか境があるのか、あるいはもともと震度5程度では本棚は倒れないものなのか。震度6に至っても本棚ほどの重さがない家具だったら、突っ張り棒の効果はあったのか。
その辺よくわかりませんが、ともかく命の危険が生じるほどの揺れに際しては、本棚にかませた突っ張り棒は全く役に立たないものでした。

また、本棚そのものの壊れ方も予想外のものでした。
ここに写っている黒いスチール製の棚は、比較的安くて丈夫であり、細かいパーツごとに売っているため、判型にあわせて細かく調節が出来てとても便利なもので、学生時代から愛用していました。
ところが、これが信じられない倒れ方をしました。
冒頭1枚目の写真、スチール棚が奥の方へ横向きに倒れていますが、実はこれ、側板の根本がボキッと折れているです。本を詰めていた棚は、全て同じ形で壊れました。
DVDしか入れていないような軽い棚はバタンと前に倒れて凹んだ程度で済みましたが、それもやはり使い物にはなりません。
さらに、木製の棚も側板にヒビが入ったり、裏板が割れたり。1枚目の写真に写っている棚などは、倒れてきたクールラックによって棚板が割られてしまいました。

比較的「安全」といって良い本棚は冒頭2枚目に写っている腰高の棚ですね。これは倒れませんでした。しかし、筆者の使い方に問題がありました。というのは、上に横向きにしたカラーボックスを置いて、そこへ「映画秘宝」をズラッと並べて悦に入っていたのです。
本棚とは何も固定していなかったため、当然、棚から落ちました。本棚の前にゴロンゴロンと転がっているのが、そのカラーボックスです。
「映画秘宝」はギッチギチに詰めてあったため、カラーボックスから飛び出すことなく、かたまりのまま一緒に落ちていて、片付けるのに難儀しましたが、中身がほとんど傷まなかったのだけが幸いでした。

というわけで、結論としては「震度6弱を生き延びた棚は腰高のもののみ」ということになります。
それ以外の棚は全て廃棄することになりました。

そんなわけで、しばらくは本棚のない生活を余儀なくされたのですが、東北からまた引っ越しし、今のマンションへ入ったところで、ようやく持ち家となったので、本棚は壁へ固定することにしました。

はじめは大工さんに本棚を造り付けてもらおうかと思っていたのですが、見積もりを取ってみると、ビックリするくらい高い。しかも、奥行きやビス穴のピッチなど細かいところに注文をつけるとさらに値があがっていく。
そこで、いろいろ探し回り、最終的にネットでオーダーメイドしている「本棚屋」さんへ注文しました。ここは1センチ単位で注文通りの大きさの棚を用意してくれるので、大工さんに造り付けてもらうのとかわらない部屋にぴったりの棚を手に入れられ、なおかつピッチも1センチ刻みなので使い勝手も良いのです。
費用はそれなりにかかり、筆者の場合は2間の壁全体を4本の棚で埋め尽くして、約30万円でした。
この棚を組み立てたところで、リフォームに入っていた大工さんに壁へ固定だけしてもらいました。壁にアンカーを打ち込み、木ネジでL字金具を取り付けてもらったのです。ここはリフォームのついでだったので、特別な料金はかかっていないように記憶しています。
結果、かなりガッチリ頑丈で安定感のある書棚が手に入りました。

さあ、これで来るべき大地震への備えは万全なのか? それは正直よくわかりません。
この本棚を取り付けてから、震度4は一度発生していますが、びくともしていません。といっても、震度4程度であれば、クールラックでもびくともしないので、効果の程はなんとも言えません。

本棚の上にカラーボックスを載せて置いていた「映画秘宝」は、以前に別の記事に書いた通り、OSB合板で固めて二つのボックスを一つの棚にしてしまい、これを映画秘宝専用棚としています。

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これも抜群の安定感があり、腰高なので多分倒れないだろうと思っているのですが、はてさて。

いずれにしても、本棚というのは地震のときには危険極まるものとなり、中途半端な対策では効果がないことがよくわかりました。
壁へ固定していても、壁ごと倒れたらもうオシマイですが(震災のときには壁の一面だけが外側へ倒れている家を見かけましたので、これはあり得ることです)、ともかく生涯を本と共に過ごそうと考えているのであれば、地震対策は常に本気で意識しておいたほうがよいです。

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「本棚屋」さんで買った頑丈で素敵な、現在のわが家の本棚。

わが家の「絶景本棚」

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前回の記事で、本の雑誌社から出た新刊「絶景本棚」をご紹介しましたが、便乗してわが家の「絶景本棚」を公開してみます。
自宅を「絶景」とか言っちゃうのもおこがましいのですが、まあ便乗企画なのでご容赦ください。

とは言え、上記の写真、現在のわが家の本棚はあんまり絶景ではありません。
結婚やら引っ越しやらのタイミングでかなりの本を売り払ってしまったのと、蔵書として残しているうち3分の1くらいは段ボールに詰めて実家へ 預けてしまっているのです。
一番、絶景だったのは結婚直後、ブログのタイトルにも使っている写真を撮った頃でしょうか。

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10年以上前の写真ですが、結婚直後はとんでもなく広い借家にいたため、本棚を置き放題でした。この部屋にはまだ何本か棚がありますし、別の部屋にも本棚が並んでいて、全部で14本の本棚に囲まれて生活していました。引越し屋さんから「何かの商売をしているんですか?」と聞かれたほどです。

その後、転勤のために随分と狭い家へ引っ越し。書庫の格がだいぶ下がりました。

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以上の写真は、棚の一部で総本数は維持していました。

この家で3年ほど過ごしたあと、また引っ越し。
しかし、その次はかなり広い家で、「絶景本棚」復活!と喜んだものですが、それもつかの間、東日本大震災で全て崩壊しました。きれいに並べた状態の写真を撮る間もなく、地震が起きたので、崩壊後の写真しか残っていません。

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実は、この地震でわが家の本棚は全て破壊されて、使い物にならない状態になってしまいました。
当時は、スチール製の「クールラック」という棚を愛用していました。今回、本の雑誌から出た「絶景本棚」のなかでもいくつか写っていましたが、これが実は地震には極端に弱かったのです。
日常使用にはとても丈夫で、パーツごとの買い増しもでき、とても便利な棚だったのですが、震度6弱の衝撃で全てグニャグニャに曲がってしまいました。
幸い、書籍自体の傷みは大したことがなかったのですが、本棚は全て廃棄。
その後数年間、本は全て段ボールに詰めたまま、という生活を余儀なくされてしまったのです。

その後、さらに何度かの引っ越しを経て、中古マンションを買ってようやく今の家へ落ち着いたのですが、この頃には子どもも3人に増えているため、パパの本棚だけで家中を占拠できない状況になっていました。そこで、「手元に残したい本・読みかけの本のみ棚へ並べて、あとは箱に詰めて実家へ預ける」という方針になり、一部屋だけ壁一面を本棚にして、冒頭の光景になっているわけです。

今回は壁のサイズにぴったり合う棚が欲しかったのと、震災に懲りて、高くてもいいから頑丈な棚にしなければ、ということがあり、ネット通販している「本棚屋」さんから購入しました。(http://www.hondanaya.com/
ここの本棚は1センチ単位でサイズをオーダーでき、棚枚数も自由なので、本当に使い勝手がよくて良いです。

さて、今後の人生の目標は、子どもが成長したらさっさと追い出して、子供部屋を本棚部屋にすること。そのときには、また本棚屋さんへ注文をして、実家の本を持ち帰って……ということを夢想していますが、はたして順調にいくかどうか?

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絶景本棚
本の雑誌社
2018-02-22

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関連記事:
何時間でも熟読できる写真集「絶景本棚」(本の雑誌社)
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筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
ブログ更新通知:https://twitter.com/squibbon19

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