備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

伊藤潤二

ホラーファン必読のインタビュー漫画「怪奇まんが道」

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「怪奇まんが道」。つまり、「まんが道」の怪奇版ということで、ホラー漫画家たちのこれまでの歩みを、本人へのインタビューをもとに描いています。インタビューシーンをそのまま漫画として描き、その中で回想シーンとして過去を振り返るというフォーマットで、作家に対してとても親近感が湧いてくる内容です。

これはホーム社が運営しているWebマガジン「Z」に不定期連載されているもので、話数がたまると単行本が刊行されてます。今のところ2冊刊行されています。
取り上げられている作家はとても豪華。
1冊目は古賀新一、日野日出志、伊藤潤二、犬木加奈子という文句なしの布陣。
2冊めでは御茶漬海苔、諸星大二郎というカルト的な人気を誇る大御所も登場しています。

筆者は最近はあまり漫画を読まなくなってしまいましたが、20年くらい前はこの辺の作家はいずれも大ファンで、熱心に読んでいました。特に伊藤潤二と御茶漬海苔は作品を全て揃えるというだけにとどまらず、著書を全バージョン揃えるくらい入れ込んでいましたので、この「怪奇まんが道」の内容はとても興味深く、また嬉しいものでした。

最近の若い人はあまり読んでいないかな、という気もするのですが、一人でも好きな作家がいれば、買う価値アリと思います。
第一話の古賀新一は試し読みもできます。
http://comip.jp/Z/cbs/c565/c52-767/





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「伊藤潤二研究 ホラーの深淵から」入手

201712伊藤潤二研究154

12月20日発売と予告され、心待ちにしていた「伊藤潤二研究 ホラーの深淵から」。
今日(19日)、書店を覗くとすでに積んであり、さっそく購入してきました。

内容は期待以上です!
ロングインタビューは興味深い内容でお腹いっぱい。
しかし、それよりも目が釘付けになったのは仕事場の写真。本棚の写真まで掲載されています。わが家にもある本がちょこちょこ見つかって(しかも結構マニアックなものばかり)、ちょっと嬉しい。(本記事の最後に、リストをまとめました)

それから、単行本未収録作品。
3月にNHK「浦沢直樹の漫勉」へ伊藤潤二が出演した際、「恐怖の重層」という短篇を執筆中でしたが、これが収録されています。(番組ホームページはこちら
初期の作風を思わせる傑作です。
「首吊り気球・再来」は掌編というべき長さですが、ファンには嬉しい内容です。

どの記事も隅々まで舐めるように堪能できますが、資料面でも充実しています。全作品の掲載誌および収録単行本一覧があり、これは伊藤潤二マニアには必携のものでしょう。単行本未収録作品が意外と多いのですが、マンガ雑誌の古本はなかなか集めるのが困難なので、いずれ書籍へまとめられる日を待ちたいと思います。

全体的にファンブックとしては大満足の内容です。旧作をしばらく読み返していなかったのですが、改めて全部読み直したいという気分になりました!




【どうでもよいオマケ】
仕事場の写真で確認できた範囲で、わが家の蔵書とかぶっていた本・DVD(伊藤潤二の著作以外)





映画はやくざなり
笠原 和夫
新潮社



漂流 本から本へ
筒井 康隆
朝日新聞出版



創作の極意と掟
筒井 康隆
講談社









写真の奥のほうがピンぼけしているので、はっきり確認できたのはこれくらいです。せっかく本棚の写真を撮るなら、全景を正面からパンフォーカスにしてほしかったもんです。
自著が並んでいる棚にピントをあわせているため、その他の棚の情報量が少ないのですが、見える範囲でわかるのは、ビートルズ、特撮、つげ義春、筒井康隆がお好きなようです。筒井康隆は上記の2冊に加え、出版芸術社の「筒井康隆コレクション」も何か一冊写っていますが、画面の端にあるためタイトルを確認できません。
 
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伊藤潤二作品目次 「伊藤潤二傑作集」編

伊藤潤二作品目次 「伊藤潤二傑作集」編

これまでに刊行された伊藤潤二作品集「ハロウィン少女コミック」「恐怖マンガCollection」「恐怖博物館」の目次を紹介してきましたが、現行で入手可能な「伊藤潤二傑作集」の目次もご紹介します。
といっても、内容は「恐怖博物館」と同じです。紙質が少し厚めのため、本はかなり分厚く見えますが、「恐怖博物館」の判型を大きくしたものと考えて差し支えありません。
収録作は全く同じなのですが、表題作や巻数順に多少の異動があります。
「恐怖博物館」はなるべく発表順、ということだったようですが、「傑作集」ではまずはシリーズ物を最初に置き、そのあと単発作品をまとめています。
年明けからアニメの放映も始まるようで、そちらで原作に興味をもたれた方は、ぜひこの「傑作集」を揃えて伊藤潤二の世界を堪能していただければと思います。

伊藤潤二傑作集1 富江 上巻
富江
富江 Part2
富江・地下室
富江・写真
富江・接吻
富江・屋敷
富江・復讐
富江・滝壺
富江・画家
あとがき

伊藤潤二傑作集2 富江 下巻
富江・暗殺
富江・毛髪
富江・養女
富江・小指
富江・少年
富江・もろみ
富江・ベビーシッター
富江・ある集団
富江・通り魔
富江・トップモデル
富江・老醜

伊藤潤二傑作集3 双一の勝手な呪い
楽しい夏休み
楽しい冬休み
双一の楽しい日記
双一の家庭訪問
布製教師
双一の誕生日
双一の勝手な呪い
四重壁の部屋
棺桶


伊藤潤二傑作集4 死びとの恋わずらい
死びとの恋わずらい
怪奇ひきずり兄弟
幻痛屋敷
あばら骨の女
リアルウンコノオモイデ

伊藤潤二傑作集5 脱走兵のいる家
バイオハウス
顔泥棒
睡魔の部屋
悪魔の理論
屋根裏の長い髪
シナリオどおりの恋
リ・アニメーターの剣
父の心
耐えがたい迷路
サイレンの村
いじめっ娘
脱走兵のいる家

伊藤潤二傑作集6 路地裏
路地裏
ファッションモデル
落下
相部屋
旅館
許し
煙草会

道のない街
記憶
アイスクリームバス

伊藤潤二傑作集7 案山子
赤い糸
中古レコード
贈る人

サーカスが来た
蜂の巣
地図の町
首のない彫刻
薄命
寒気
案山子
遺書

伊藤潤二傑作集8 うめく排水管
超自然転校生
うめく排水管
血玉樹
首吊り気球
あやつり屋敷
肉色の怪
異常接近~ニアミス~
土の中…

伊藤潤二傑作集9 墓標の町
墓標の街
仲間の家
なめくじ少女
隣の窓
漂着物
ご先祖様
トンネル奇譚
銅像
浮遊物
白砂村血譚

伊藤潤二傑作集10 フランケンシュタイン
首幻想
生霊の沼
ペンフレンド
侵入者
押切異談
押切異談・壁
フランケンシュタイン
地獄の人形葬
顔面固定
ノンノン親分
ノンノン親分のかくれんぼ

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筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
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