20170117サーカス団027

さて、元ネタがいろいろありすぎて、ついていくのが大変なアルバムです。できるだけ頑張ります。
タイトルの「パノラマ島」は、言うまでもなく乱歩の「パノラマ島奇談」より。
「サーカス団」については、乱歩にも「魔術師」「地獄の道化師」「サーカスの怪人」のようにサーカスが登場する作品が多々ありますし、また「スラッシュ禅問答」でも引用していた中原中也の「サーカス」という詩もあり、どちらの影響が強いのかよくわかりません。
アルバムはデジパックで絵本風に作られています。ジャケットを描いているのは、むらいこうじという、ピエロ専門の画家。

2.ビッキー・ホリディの唄

ビッキー・ホリディという名前に特に元ネタはなさそうです。

3.詩人オウムの世界

【オウム】
オウム真理教事件を描いているように思ってしまいますが、事件が起こる5年前に発表された曲で、むしろ予言的な詩と言えます。
『大槻ケンヂ20年間割りと全作品』によれば、当時、オウム真理教の名前は知っていたが、ここで出てくる「オウム」は、諸星大二郎の漫画の中で、人びとが宗教的な恍惚感にとらわれると「オウム、オウム」と響きだす、というシーンがあり、そこからということです。どの漫画を指しているのかはわかりません。
歌詞カードでは「オーム」となっています。

4.労働者M

インディーズ時代、空手バカボン名義で発表した曲。中学校の同級生が原詩を書いたとのことです。
【アンモナイト】
「花火」のあとがきで「アンモナイトは貝じゃない!」と自ら突っ込んでいますが、オウムガイの仲間。貝よりはイカやタコなどに近い頭足類。
【シーモンキー】
エビの仲間。昭和40年代に卵が学習雑誌の付録となるなどして、子どもたちの間で飼育が流行した。

6.23の瞳

壺井栄の児童向け小説「二十四の瞳」から。この物語で描かれるような感動的な学校生活への嫌悪感が現れています。インディーズ時代にナゴムレコードから出た「子どもたちのCity」というオムニバスアルバムに原曲が収録されており、そちらでは「暗い目をした僕」ではなく、「片目の僕」となっています。。

7.電波Boogie

【マーク・ボラン】
T-Rexのギタリスト・ボーカリスト。

8.パノラマ島へ帰る

【小人】
ここでいう「小人」は、おとぎ話に出てくるドワーフなどの小人ではなく、乱歩がいうところの一寸法師のこと。

12.元祖 高木ブー伝説

原曲はインディーズ時代の「高木ブー伝説」。
昭和40~50年代にかけて、毎週土曜の8時に放映された伝説的なバラエティ番組「8時だョ!全員集合」がネタになっています。
【一人で生きろよ つらくとも死ぬな】
原曲ではここは「フロ入れよ 宿題やれよ 歯みがけよ」となっています。これは、番組最後に全員でエンディング曲を歌う中で加藤茶が入れる合いの手。


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