備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

映画

笠原和夫脚本「博奕打ち いのち札」ようやくDVD化!

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以前の記事にも書きましたが、笠原和夫脚本・山下耕作監督の東映任侠映画「博奕打ち いのち札」は、これまでずっとDVD化されていませんでした。
詳しいことは以前の記事をご参照いただければと思いますが、動画配信はされているため、封印作品というわけではなく、なぜDVDになっていないのか、謎というよりありません。



ゼロ年代を怒濤のDVDコレクターとして過ごしていた筆者としては、動画配信でいつでも見られる映画であっても、笠原和夫の代表作とあらばなんとかDVDでコレクションしたい。
ずっとそう思っていました。

それがついに!

……というのは、以前の記事の続きになるのですが、2014年に刊行が始まったデアゴスティーニ「東映任侠映画傑作DVDコレクション」では、「好評につき100号まで延長」されてもとうとう「いのち札」は出なかったため、筆者はすっかり諦めていました。
当然、このシリーズも100号で終わるものと思って続刊予定のチェックもしていませんでした。
そもそも今は、定期購読者のみを対象に刊行されており、書店店頭には並んでいないため、忘れかけていたというのが正直なところです。
ところが!

ふと思い出して公式サイトへアクセスしたところ、なんと100号を過ぎてもまだ刊行が続いているではありませんか。
これはもしかしたら……と、おそるおそる刊行予定を見たところ!
ついに来ました!

7月16日発売予定119号で「博奕打ち いのち札」の登場です。
今のところ公開されているラインナップはその次の120号で、これが「関東緋桜一家」なので、このシリーズももしかするとここでいよいよ終わりかも知れません。

さて、あとは気をつけなければいけないのは「買いそびれ」です。
今のところAmazonでは1ヶ月程度先のものまで予約を受けているようです。
6月になったら忘れずに毎日、チェックをしないと!ですね。
Amazonの検索窓を貼っておきます。



関連記事:
日本でDVDが発売されていない邦画2「博奕打ち いのち札」(1971年・山下耕作監督)
国書刊行会「笠原和夫傑作選」収録作品解説(第2回)

コーエン兄弟を見たことがない方へ、おすすめ4本

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コーエン兄弟はジョエル・コーエン、イーサン・コーエンという二人兄弟の映画監督・脚本家で、共同で映画を製作しています。
一般的な知名度はそれほど高くはない印象がありますが、映画好きのあいでは非常に人気があり、筆者も以前は、コーエン兄弟の新作が公開されるとなれば「とりあえず見ておかなければ」という感じで、必ず見ていたものです(ここ数年、そもそも映画をあまり見ていないので、コーエン兄弟の作品も追いかけきれていないのですが……)。

基本的にはサスペンスというかスリラーと言うか、ミステリ寄りの筋書きが多いのですが、独特のユーモア感覚が溢れており、どっちかと言うとそこに人気があります。
クエンティン・タランティーノとは雰囲気はまるで違いますが、まあでも映画史の中で大雑把にくくると同時代の同じカテゴリーに入れられんじゃないかな、と思っています。

ここ数年はあまり大きな話題作は公開していませんが、「この人たち何者?」と興味を持たれた方のために、おすすめをいくつかご紹介します。



コーエン兄弟の入門に最適なのは、最高傑作とも評価されているこちら「ファーゴ」でしょう。
アメリカ・ノースダコタ州(ド田舎)の都市・ファーゴが舞台のクライムサスペンスです。
気の弱いが全く善人とは言えないカーディーラーである主人公は、借金の清算のため、チンピラを雇ってに妻を誘拐させ、大金持ちである妻の父親から身代金をせしめようとします。
ところがこのチンピラどもがとんでもないDQNぶりを発揮し、事件は主人公のまるで手に負えない方向へ飛んでいってしまいます。
まあともかく、この短絡的すぎて、逆に全く予想できない悪党2人の暴走ぶり、あまりに情けない主人公のダメっぷり、この辺が見ものです。
事件を追う、妊娠中の女性警官をフランシス・マクドーマンドが演じてアカデミー主演女優賞を獲りました。



「ファーゴ」と並んで評価の高い一作がこちら。やはりクライムサスペンスです。
これはコーエン兄弟にしては珍しく、ユーモア要素控えめ。その分、どこまででも追いかけてくる殺し屋の恐ろしさがこれでもかと描かれています。
一部の映画好きだけでなく、一般客のあいだでも話題になり、アカデミー賞の作品・監督・助演男優・脚色の各賞を受賞しました。



2011年の比較的最近の映画です。
コーエン兄弟初の西部劇でしたが、個人的にはこれはむちゃくちゃ良かった。
14歳の少女が賞金稼ぎを雇い、父のかたきを討つため悪党を追う、という物語ですが、この女の子を演じたヘイリー・スタインフェルドがかわいいこと!
堂々とした小憎らしいトークで2人の賞金稼ぎを翻弄するさまは、まさにコーエン兄弟節炸裂といったところですが、実は原作小説に極めて忠実に作られています。もともとコーエン兄弟向けの素材だったようです。



さて、コーエン兄弟の最高傑作といえばこちら、「ビッグ・リボウスキ」でしょう。
「ファーゴ」がコメディ色もあるクライムサスペンスだったのに対し、こっちは筋書きは同じように犯罪劇ですが、完全にコメディ。まるで予想できない方向に話を転がしながら、抱腹絶倒のシーンが続きます。
何回見ても楽しい映画なので、これはDVDかブルーレイを買って損はありません!

 

スキーが登場する映画おすすめ紹介

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映画にスキーが登場することは割と珍しいです。
マリンレジャーを描いた映画は山のようにあるのに、冬のレジャーの代表であるスキーの方はなぜ?と思われるかもしれませんが、これには事情があります。
筆者もスキーは大好きなのですが、いつも思います。スキー場っていうのは、基本的に悪天候の場所に作られているんですよね。
スキー場のガイドなどを見ていると、澄み切った青空の下に純白のゲレンデが広がる写真ばかり見かけますが、実際にはそんな気持ち良いタイミングというのはシーズンを通してそれほど多くはありません。というか、そんなふうにずっと晴れていたら雪なんか降らないので、スキーは出来ないわけです。
ずっと雪が降り続き、吹雪になることも珍しくない。大規模なスキー場というものは、そういう場所に開発されています。

一方、映画撮影というのは天候が非常に重要です。
ハリウッドが映画産業の中心地となったのは、天候が安定しているから、ということが最大の事情だったりします。
したがって、悪天候のスキー場で気持ちいい晴天の画を狙うとなれば、ずっと「天気待ち」をすることになり、コストがかかります。
また、スキーは基本的に上から下へ向かって一方向にしか進めないため、滑走シーンでリテイクしようと思うと、そのたびにリフトで上がり直すことになり、これまた時間を食います。
というわけで、一本まるまるスキーという映画はもちろん、劇中にスキー場がちょこっと出てくる程度の映画すら、なかなかお目にかかれないということになります。

しかし、スキー好きとしては映画でもスキーを見てみたい。
そんなことを考えながら、探し回ってようやく見つけたスキー映画をいくつかご紹介します。
DVD紹介のリンク先はAmazonです。



言わずと知れたスキー映画の代表格。
1987年の映画なので、若い方はあまり見たことがないかも知れませんが、スキー好きが見てもかなり楽しめる名作です。
志賀高原がメインの舞台ですが、バックカントリーで万座まで走破するのがクライマックスとなっています。
カービングスキーが登場する前なので、ファッションを含めて、今のスキー装備との違いも面白く見られます(と言っても、この頃のファッションのままのおじさん・おばさんも未だによく見かけますけどね)。



古い映画になりますが、1966年の東宝映画。加山雄三主演、若大将シリーズの一本です。
加山雄三はスキーで国体に出場したこともあるほどの腕前であり、一時期、越後湯沢にスキー場を所有していたこともあります(加山キャプテンコースト。現在は閉鎖)。
時代が時代だけに、「私をスキーに連れてって」に比べるとかなりワイルドなスキーを見られます。
若大将は大学スキー部の主将という設定であり、世界中の山を巡りますが、クライマックスは苗場。加山自身がスタント無しでコースを滑る姿を空撮で捉えた映像は見ごたえがあります。
苗場までオープンカーで向かったり、ゲレンデで突然をギターを掻き鳴らしながら歌い始めたりなど、「若大将」らしいシーンも楽しめる映画です。



市川崑が監督した記録映画「東京オリンピック」はよく知られていますが、その8年後、1972年に開催された札幌オリンピックでも、篠田正浩監督による記録映画が作られています。
これも、現代の冬季オリンピックに比べると装備や会場の整備が全く異なっていてかなり面白い映像ですね。スケートも屋外でやっており、1975年生まれの筆者としてはなかなか衝撃的でした。
アルペンスキーの様子もたっぷりと収録されており、滑り方や板の長さが現代とはあまりに違うので、興味深く見られます。



いきなり、スキーとはぜんぜん関係なさそうな映画ですが、1974年・若山富三郎主演シリーズの最終編です。クライマックス、雪山での決闘シーンは山形蔵王で撮影されています。
襲いかかる柳生軍団は斜面をスキーで滑ってきて、迎え撃つ拝一刀はソリ仕様に改造した乳母車に仕込んだ機関銃で応戦する……というデタラメなシーンですが、スキー好きであれば興奮すること間違いなし。登場するスキーヤーの人数では邦画最大規模と言ってよいでしょう。



最後にこちらを。
映画というわけではなく、エクストリームスキーの映像を延々収録したものです。
これが本当に命知らずの、目を瞠るような過激なスタントばかりです。
筆者は15年ほど前、スキー用品店店頭のモニターに映し出されたこの映像に釘付けになってしまい、「このDVDが欲しい!」と調べ回って、ようやくこのDVDだと突き止めました。
暇つぶしに馬鹿げた映像を見たいときは、うってつけ。真似しようという気は全く起きません。

以上、筆者が気に入っているスキー映画をご紹介しました。
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筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
ブログ更新通知:https://twitter.com/squibbon19

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