先日の「山口三代目」に続き、「三代目襲名」も見ました。

これは、もともと「山口三代目 襲名篇」のタイトルで企画が進行していたもので、「山口組三代目」の続編となります。
監督は、前作の山下耕作に変わり、小沢茂弘。ストーリーはつながっているのに、ガラッと雰囲気が変わりますね。前半は「網走番外地」「女囚さそり」を思わせるようなアクション映画風。後半には渡瀬恒彦が突然登場し、一気に「仁義なき戦い」以降の実録路線風になってしまいます。いずれにせよ前作のコテコテの任侠映画よりはかなり動きの激しい映画です。

面白いのは予告編。
DVDには特報、予告編、予告第2弾と3本の予告編が収録されていますが、本編の映像が使われているのはなんと「予告第2弾」のみ。
では、他の予告はどうなっているのかといえば、ほとんどは「山口組三代目」の映像で、「仁義なき戦い」など、全く別の映画の映像まで紛れ込ませています。
これで通用してしまうのが、当時の映画界のすごいところ。

いずれにせよ、前作のように「これは名作!」といえるような堂々たる出来映えではなく、当時の東映らしい1本という印象でした。高倉健のかっこよさは一作目には及びません。

東映としては、さらなる続編「山口組 激突篇」へと突入する気満々で、ラストは次回作への期待を大いに盛り上げるナレーションで締めくくられています。
しかし、結局のところ警察の締め付けや批判的な世論によって、その企画は幻となってしまったのでした。
まあしかし、「日本の首領」が内容的にはその役割を担っていると言えなくもありません。

三代目襲名 [DVD]
東映ビデオ





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