来月の文庫新刊をご紹介します。先月までの網羅的なリスト掲載はやめて、当ブログ的に要チェックのものだけご紹介します。11月はこの3冊!(書名からのリンク先はAmazon)

岩波文庫
若人よ蘇れ・黒蜥蜴 他一篇
三島由紀夫


三島由紀夫の「黒蜥蜴」、待望の文庫化です。岩波文庫は先月あたりから突然、三島由紀夫の収録を開始しましたが(しかも落ち穂拾い的なシブいところばかり)、これは戯曲集のようですね。岩波書店のサイトにもまだ情報がないため、詳細はわかりませんが。
「黒蜥蜴」は言わずと知れた江戸川乱歩原作の舞台劇です。映画「黒蜥蜴」は井上梅次監督版、深作欣二監督版のいずれも、原作は江戸川乱歩の小説ではなく、三島由紀夫の戯曲ということになっています。
2007年にも学研M文庫に収録されたことがあります。そのときに買いそこねた方(俺のことだ!)は、要チェックです。

角川文庫
丹夫人の化粧台 横溝正史推理・怪奇探偵小説傑作選
横溝正史 日下三蔵・編


何でしょう、これは。
「表題作他13編収録」ということですが、収録作がよくわかりません。
「丹夫人の化粧台」は、かつての角川文庫では『山名耕作の不思議な生活』に収録されていました。『恐ろしき四月馬鹿』とあわせて、最初期に短編を集めた巻です。この『山名耕作の不思議な生活』がちょうど「表題作他13編」を収録しているので、これの復刊か?という気もしますが、どうなんでしょう。
柏書房の「短編コレクション」は角川文庫版『山名耕作の不思議な生活』と『恐ろしき四月馬鹿』とを合本にしていましたが(これは文庫の親本となった角川書店単行本版『恐ろしき四月馬鹿』と同じ内容)、これを再編集したものでしょうか?
あるいは、ちくま文庫からかつてやはり日下三蔵さんの編集で『怪奇探偵小説傑作選2 横溝正史集』というものが出ており、このときも「丹夫人の化粧台」は収録されていたので、これの復刊かも知れません。
まあ出てみないことにはなんともわからないのですが、だいたい初期作品を集めたものだろうと推測して間違いないと思います。

ちくま文庫
方壺園 ミステリ短篇傑作選
陳舜臣 日下三蔵・編


出ました! 陳舜臣!
以前の記事にも書きましたが(個人的に復刊を希望する昭和のミステリ)、昭和ミステリの復刊が目下のブームなので、いずれは陳舜臣の出番が来ると思っていました。
日下三蔵さんのちくま文庫シリーズでは、結城昌治、仁木悦子、多岐川恭、戸川昌子に続くものということになります。昭和の匂いが濃厚に漂い、頭がくらくらするメンバーです。
これまでのところ、表題の短編集+代表的な短編をいくつか、というスタイルなので、陳舜臣の初期のパズラーはこの一冊にまとまるだろうと期待して良いかと思います。
他社でも良いので、引き続き長編も手がけてくれると嬉しいですね。



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