201808シュワルツェネッガー主義256

著者のてらさわホーク氏は73年生まれとのことで、筆者より2歳年上。まあ、だいたい同世代です。そのため、世代的な感覚で言えば本書の内容には共感しまくりでした。てらさわ氏は9歳のときに「コナン・ザ・グレード」の新聞広告を見て映画館へ駆けつけたということですが、ついていけなかったのはそこくらいか。

今になって振り返ると、確かにシュワルツェネッガーは不思議な俳優です。
大人気スターなのは間違いありません。
しかし、友人と好きな役者の話をしていて「俺が好きなのはシュワルツェネッガー」という人にはなかなか会いません。
シュワルツェネッガーが出てくる映画が好きっていうならわかるけど、シュワルツェネッガー本人が好きってのはちょっとした盲点という印象があります。
そう思うのは筆者だけでしょうか。
でも、同じ筋肉俳優のスタローンやブルース・ウィルスが好き、という人に比べると「シュワルツェネッガー好き」を公言する人はやはり少ないと思います。(あ、淀川長治がいたか)

と、そんなことを言いつつも、シュワルツェネッガーが出てくる映画は筆者も大好きで、DVDは何本も持っています。
スタローンは「ロッキー」「ランボー」の1作目だけ、ブルース・ウィルスは「ダイ・ハード」くらいしか持ってないのに、シュワルツェネッガーとなると
・ターミネーター、ターミネーター2、ターミネーター3
・コマンドー
・プレデター
・トータル・リコール
・トゥルーライズ
と、やたらたくさんあります。「ターミネーター2」は、これまでの人生で一番好きな映画と言って良いくらい好きな映画で、何度も見直しています。「コマンドー」も金のかかった超大作なのかチープなB級なのか、よくわからないのですが、敵の頭皮を丸鋸で削ぎ落とすシーンなんかは、何度見ても興奮してしまいます。
どうも、「好き」と意識しなくても「シュワルツェネッガーのアクションなら見ておかないと」と思ってしまうような存在なんですよね。

ところで、この「シュワルツェネッガー主義」を読みながら思ったのですが、もしかすると筆者が「シュワルツェネッガー好き」というのをためらう理由は、80年代末から90年代頭にいくつか続いたコメディの存在があるのかもしれません。
筆者はこの辺のコメディはテレビで見て済ませている程度ですが、俺はやっぱりシュワちゃん本人ではなく、シュワちゃんが出ているアクション映画が好きなんだな、ということを確認しただけでした。
この辺の映画を支持できるかどうかで「シュワルツェネッガー好き」を名乗る資格があるかどうかが分かれるように思います。

と、本書の内容と全然関係ない話を続けていますが、本書は本当にどのページを開いてもシュワルツェネッガーの話しか書いてありません。おお、この人は、本当にシュワルツェネッガーの大ファンだ。
なんだかんだ言って、シュワルツェネッガーのことが最も好きなのは我々の世代なんだろうと思いましたね。
とはいえ、やっぱり自分のことは「シュワ好き」とは思えないな。わざわざ映画館へ観に行って、いつもどおりの大味な「シュワルツェネッガー映画」以上の何物もなかった「イレイザー」とか、もう一度見たいとは絶対に思わないもんな。
でも、共和党員なのに政策は中道左派になってしまうような大雑把なところは好きです。

シュワルツェネッガー主義
てらさわホーク
洋泉社
2018-08-02


 


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