前回の投稿は、読書感想文について書こうと思っていたところ、子どもの頃の思い出を語っているうちに話がそれてしまい、軌道修正をあきらめました。
改めて、読書感想文について。

前回も書いたとおり、筆者は子どもの頃から本は好きでした。
しかし、読書感想文に取り掛かる時期は遅かったですね。
ほかの宿題はさっさと済ませて、あとは読書感想文だけ、という状態になっても、なかなか書き始められない。8月20日を過ぎて、そろそろ書かないとヤバイんじゃない、という時期になっても、どの本で感想文を書くかすら決まっていない。

といっても、読書嫌いの子どもとは違うので、本はいくらでも読んでいました。ただ、感想文を書くとなると、果たしてどの本がまともな「読書感想文」になり得るのか?ということで悩んでいたわけです。

世の中の本好きの間では、夏休みの読書感想文も、子どもを読書嫌いにさせる一因では、と言われています。しかし、筆者は自身の子どもの頃を振り返ると「それは違う」と思います。
もっとも、もともと読書に関心のない子どもが感想文を書くことで本好きになるかといえば、そんなこともないでしょうけれど、要するに「本が好きか嫌いか」と「読書感想文」とは何の因果関係もないと考えています。

というのは、読書感想文というのはやはり「宿題」なんですよね。学校の課題です。趣味の読書とは違います。
どんな本であろうと立派な読書感想文を書ける能力があれば一番楽でしょうが、筆者の場合はそういう器用なことはできませんでした。
このため、自分が読んだ本のなかに感想文のネタに使えそうな本がないかと、ずっと考え続けていたわけです。

「感想文のネタ」と書きましたが、感想文は宿題である以上、自由研究と同じで「こういうことについて書きます」というハッキリしたテーマが必要だと思います。
テーマは、実際には本を読む前から決まっていても構いませんし、本を読みながら思いついたテーマであれば胸を張って「感想文」だと言えます。
読書感想文という宿題は、読んだ本の書評をダラダラと書くものではなく、読書を通して得た体験を交えながら、何かしら設定したテーマについて書くものなのです。

本能的にそのことを察知していた筆者は、「テーマ設定しやすいかどうか」という観点でネタにする本を決めようと、8月の後半はずっと考え込み続けていたわけですが、そのように戦略的に組み立てていたおかげで、小学1年生から中学3年生まで、ほぼ毎年のように校内のコンクールでは表彰されていました。校外でも表彰されるほど立派な文章を書く能力はなかったのですが、まあ「読書感想文は本の感想を書くものではない」ということに気づくかどうかというだけで、褒めてもらえるレベルの作文にはなるということです。

筆者の息子はこのような観点を持ち合わせていないようで、これまで毎年、目を覆いたくなるような惨状を呈した作文を、それでもひーひー言いながら仕上げていますが、いつも書き上がってから読ませてもらうため、いまさらダメ出しするのも気の毒かな……と思ってそのままスルーしてしまっています。
今年こそ、ネタ作りの段階から付き合ってやろうかとも思いますが、去年もそんなことを思っていて結局失敗したな……
息子も本好きであるだけに、介入するタイミングがなかなか難しいです。
そもそも感想文以前に、作文能力がちっとも向上していないように感じるので、まずは日記を書かせたりとか、そこからですかね。

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