201803ジェイソンX186

筆者が最も映画をたくさん見ていたのは、2000年代です。DVDが世の中に現れたことで「映画を所有する」喜びに目覚め、さらには独身だったので自由になる金はいくらでもある。
ストッパーがない状態でDVDのコレクションを増やし続け、シネコンのレイトショーに通い続けました。
しかし、それからすでに10~20年。いつの間にかDVDが廃盤になっていたりして、映画好きの若い人とはだんだん話が合わなくなってきました。
というわけで、誰に読ませるともなく、往年の「名画」の思い出を綴ります。

第1回目は「ジェイソンX」。
「13日の金曜日」シリーズの10作目……という簡単な紹介ではこの映画について何も伝わらない衝撃作です。
13金シリーズは、2作目までは割りとまとまりのよい映画だったのですが、3作目からブレーキが壊れはじめ、暴走したり転倒したり、むちゃくちゃになっていき、9作目ともなるとよほどコアなファンでなければ公開されていることすら誰も気づいていない状態になり、そのまま中断していました。
そして、約10年ぶりに製作された10作目。全世界が瞠目しました。
なんと、ジェイソンは宇宙へ飛び出していたのです。
こんなむちゃな設定の話が、パロディではなく、正規の続編。そのことだけでも感動しましたが、さらには、これが途方もなく面白い! 筆者的はシリーズ中ベストです。
とはいえ、前作までは曲がりなりにもホラーだったものが、急にSFになっているわけなので、比べること自体が間違っています。

舞台は遠い未来のことです。不死身のジェイソンは冷凍保存されたまま研究室の廃墟に捨て置かれていたのですが、そこへ遠足(だったような気が)に来た学生たちが、何も知らずに保存庫からジェイソンを出してしまいます。
鉈を振り上げたポーズで固まっていたジェイソンは、そのままの姿勢で倒れ、さっそく一人目をザックリ。見事に冴える技で、観客のテンションは一気に高まります。
その後なんだかんだあって、ジェイソンは「メタルジェイソン」へと進化します。
山場はメタルジェイソンVSカンフーを使うアンドロイド美女。最高に燃えるバトルが展開されます。
ラストまで、宇宙空間を舞台に絶え間なく襲い掛かってくるジェイソン。
これは確かに正規の続編。これぞまさしくジェイソンです!

見終わってからあまりに興奮し、職場の後輩の女の子(映画の話ばかりしていた)に「ともかく見てきてくれ」と話すと、翌週には「どこで興奮したのか、全部わかりましたよ!」と力強い感想が返ってきました。
今後の展開を示唆するオチだったため、当然、続編が製作されるものと思われました。
となると、それは「13日の金曜日PART11」なのか、「ジェイソン11」なのか、あるいは「ジェイソンX2」なのか、ということで、我々はしばらく真剣に議論を交わしたものですが、何年たっても続編は現れず、「フレディVSジェイソン」は期待したほどの出来でもなく、ついにはマイケル・ベイが1作目のリメイクを製作したり始めたので、あきらめましたよ。
この名作SFアクション、すでにDVDも廃盤になっているようで、淋しい限りです。筆者は初回限定パッケージのデラックス版を購入して、その後も繰り返し観直したものです。
さらには、メタルジェイソンのフィギュアも買いました。輸入フィギュアのショップでたまたま見かけて一目惚れ。その後、マクファーレンのムービーマニアックスシリーズを買い集めるきっかけになりました。

メタルジェイソン

ところがこれは、東日本大震災の時に本棚に下敷きになって木っ端微塵に砕けてしまいました。未だに残念でならないできごとです。

Amazon
ジェイソンX デラックス版 [DVD]
パイオニアLDC
2003-01-24






関連コンテンツ