201802シナリオ177

2月10日から高橋洋監督・脚本の映画「霊的ボリシェヴィキ」の上映が始まります。
今月5日に発売された月刊誌「シナリオ」にこの映画のシナリオが掲載されたため、一足早く「誌上鑑賞」してみました。ネタバレ無しのレポートです。

そもそも「霊的ボリシェヴィキ」とはなんぞや?
あまりに異様なこの言葉、元は40年近く前にオカルト研究家の武田崇元氏(現在は八幡書店社長)が提唱した概念ということです。高橋洋はこの言葉に興奮し、タイトルに冠した映画を製作するのが悲願だったとのこと。
詳しくは学研の雑誌「月刊ムー」公式サイトに掲載された以下の対談を読んでいただきたいのですが、正直なところ筆者にはさっぱり理解できません。

「20年の時を超えて甦る概念『霊的ボリシェヴィキ』とは? 高橋洋×武田崇元 対談」
http://gakkenmu.jp/column/14585/

ということなので、また「発狂する唇」「ソドムの市」「狂気の海」路線の難解なものを覚悟していたのですが、シナリオを読んでみると意外や意外、映画そのものはとてもシンプルな怪談でした。「リング」「女優霊」と同じくらい、気軽に見てよさそうです。
物語は「あの世に触れたことがある」という共通点を持った人々が集まり、百物語形式で一人ずつ自身の経験した怪異を語る、という心霊実験の様子を描きます。
当初の構想では、この怪談一つ一つを再現映像のようにインサートしていくつもりだったそうですが、予算の問題など紆余曲折を経て、全てを役者の「語り」に委ねることになったそうです。物語も「実験」が描かれていますが、映画の仕組みそのものの実験的であります。この辺が成功しているかどうかは本編を鑑賞しないとなんとも。
とはいえ、それぞれの怪談はとてもよくできていて、怪談好き、ホラー好きであればゾッとできる、レベルの高いもの、あるいは高橋洋の考える「恐怖」をよく反映したものが並びます。
高橋洋ファンとして「おや」と思ったのは、ある怪談の中で、母親が自宅の二階の窓から怖ろしい表情で少女を見下ろしているというシーン。以前に書いた記事の中で「高橋洋の実家の二階が怖い」という話を書きましたが、またもや二階が!と思っていたところ、上記リンク先の対談で、やはり実家の二階が念頭にあったという話をしていますね。

この映画、筆者の地元で見られるのはまだだいぶ先なのですが、楽しみに待ちたいと思っています。
パンフレットも充実しているらしいので、ぜひ入手したいものだと思っています。

ところで、月刊「シナリオ」の今号は、他にも「怪猫トルコ風呂」のシナリオも掲載されていました。これはとっても嬉しいオマケ!(オマケじゃありませんが)
この映画は1975年に東映東京撮影所が製作した映画ですが、タイトルの「トルコ風呂」が引っかかって、半ば封印作品のようになっているものです。名画座などではたまにかかるようですが、テレビ放映・ソフト化はされていません。筆者も未見だったのでこれは嬉しい!
将来的にも価値の出る号でしょう。

シナリオ 2018年 03 月号 [雑誌]
日本シナリオ作家協会
2018-02-05


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