12月20日「伊藤潤二研究 ホラーの深淵から」と題した本が発売されるようです。
一部で12月7日発売予定と告知されていましたが、20日へ延期になっているとのことです。

紹介を見ると、これは伊藤潤二ファンは必見の内容と思われます。
まず、単行本未収録作品が82ページも! 全体の三分の一にあたります。
また、2万字ロングインタビュー。諸星大二郎との対談!
さらには、特別寄稿者が異常に豪華。ギレルモ・デル・トロの名前も見られます。
デル・トロと伊藤潤二は非常に相性がよいと思われますが、どんなコメントをしているのかとても楽しみです。

ところで、伊藤潤二の特集本ができるのはこれが初めてではありません。
1999年、もはや20年近くも前ということになりますが、「富江」の映画化にあわせて「伊藤潤二WORLD」という本が出ました。

伊藤潤二 WORLD (ネムキ3月号別冊)
伊藤 潤二
朝日ソノラマ
1999年


筆者が伊藤潤二を読み始めたのは「伊藤潤二恐怖マンガCollection」刊行の際で、ちょうどこの時期は頭の中が伊藤潤二のことでいっぱいになっている状態でした。このため伊藤潤二初の特集本ということで非常に期待して買ってきたものです。
とはいえ、ほとんどは「富江」映画化に関する記事で、また作品も自選ベストということで「ファッションモデル」「脱走兵のいる家」「長い夢」が掲載されていましたが、いずれも再録で少しガッカリしました。(ご本人が選ぶベスト1位が「長い夢」という情報は興味深いものでしたが)
インタビューは読み応えがありましたが、本書の価値はほぼそこだけです。価格も本体429円と、それほど気合を入れて作られてものではありません。
刊行から年数が経っており、またその間に類書が出ていないため、古書価は高騰しているようですが、今回の「伊藤潤二研究」があれば、内容的にはおそらくはカバーできてしまうのではないかと思います。

いずれにせよ、伊藤潤二の作品は「ポツポツ拾い読み」ということは許されません。一つでも読んでしまえば、必ず全作品を読み尽くさなければ収まらなくなる、途方もない魔力があります。
今回の本で、 久しぶりに伊藤潤二ワールドに浸りたいものだと思います。

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「伊藤潤二研究 ホラーの深淵から」入手
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