201709水滸伝130

前回に続き、現在刊行中の新訳「水滸伝」(講談社学術文庫)を読みながら、メモとして作成しているあらすじと登場人物です。赤字は百八星の初登場回です。

第十六回 楊志押送金銀擔 呉用智取生辰綱

登場人物:晁蓋、呉用、公孫勝、劉唐、阮小二、阮小五、阮小七、白勝、梁中書、楊志
あらすじ:公孫勝の胸ぐらを掴んでふざけたのは呉用だった。晁蓋、呉用、公孫勝、劉唐、阮三兄弟の七人は意気投合し、契りの盃を交わす。生辰網がたどる予定の道筋はすでに公孫勝が調べており、それは黄泥岡の街道だった。晁蓋が以前に世話をした白勝が黄泥岡の近くに住むため、そこを拠点に定めた。一方の梁中書は生辰網を運ぶ役を楊志に命じた。楊志は行商人に扮して荷物を運ぶことにした。梁中書は自分の執事と二名の副官にお供をさせた。楊志はこの者たちも道中は自分の命令に従うよう約束させた。夏の時期なので、早朝から出発し、真昼には休憩を取りながら進んでいったが、あまりの暑さに行列はすぐにくたばってしまった。楊志は鞭を振りながら皆をせっついたが、梁中書の部下たちはそんな楊志に反感を抱くようになった。行列は何日もかけてノロノロ進むと黄泥岡へさしかかったところで全員が倒れてしまった。楊志は怒りながら前へ進もうとするが、誰も立たない。すると、向かいの松林にこちらの様子をうかがう人影が見えた。とうとう強盗に出くわしたと、楊志は隠れている集団を怒鳴りつけた。七人の男たちは棗売りを名乗り、暑さに耐えかねて林の中で休んでいるのだという。楊志は安心して、また荷物の方へ戻ってきた。そこへ、遠くから近づいてくる男が見えた。酒桶をかついで、村へ売りに行く途中だという。生辰網の兵士たちは楊志の制止も聞かず、その酒を買い求めようとする。やがて、棗売りたちを交えて酒盛りになった。楊志もついつい一緒に飲んでしまう。すると、棗売り七人以外の男たちは次々倒れてしまった。しびれ薬が混ぜられていたのだ。棗売りたちは生辰網をかんたんに持ち去ってしまった。楊志は追おうとしたが体が動かない。楊志はようやく体が動くようになると、梁中書へ合わせる顔がないため、岡から身を投げようとした。

第十七回 花和尚単打二龍山 青面獣双奪宝珠寺

登場人物:楊志、曹正、鄧龍、魯智深、張青、孫二娘、何濤、何清
あらすじ:楊志は身を投げようとした父母の顔を思い出して思いとどまり、岡を下っていった。一方、残された梁中書の部下たちは楊志が強盗と手を組んで生辰網を奪っていったと口裏を合わせることにした。楊志はしばらくあるき続けると一軒の居酒屋へ食事を取り、酒を飲んだ。そのまま金を払わずに逃げようとすると男たちが追いかけてきて闘いとなる。しかし、なかなか勝負はつかない。すると、若い男が楊志の名を尋ねた。楊志が名乗ると、男は平伏した。曹正と名乗るこの男はもともと、八十万禁軍教頭だった林冲の弟子で、居酒屋の入婿になっていたのだった。曹正は楊志を家へ招いてもてなす。曹正に行くあてを尋ねられた楊志は、梁山泊へ行き、曹正の師匠である林冲と合流したいと語る。しかし、梁山泊の頭領・王倫の心が狭く、受け入れてもらえるかわからないため、曹正はそこから近い二龍山へ行くことを勧めた。頂上にある宝珠寺の和尚は還俗して鄧龍と名乗り、強盗団を率いているという。楊志が二龍山へ向かう途中、林の中で入れ墨をした大男の和尚が寝ている。和尚は楊志を見ると飛び起きて、闘いとなった。しかし、なかなか勝負はつかない。互いに名乗ると、この和尚は魯智深だった。楊志と魯智深はたちまち意気投合する。大相国寺に身を寄せていた魯智深は、林冲を助けたことで高俅の怒りを買い、寺にいられなくなってしまったのだった。魯智深は寺を出て逃げる途中、立ち寄った居酒屋で女将から毒をもられたが、旦那が解毒剤を飲ませて助けてくれた。この旦那は張青、妻は孫二娘といい、二人とも義侠心に富む者たちだった。魯智深は宝珠寺へ身を寄せようと考えたが、鄧龍は門を閉ざして中へ入れてくれない。このため、仕方なく林の中で寝ていたのだった。楊志は魯智深と共にいったん曹正の家へ戻ってきた。曹正は一計を案じる。曹正と楊志とは百姓姿になり、魯智深を縛り上げると、鄧龍の元へ連行し、宝珠寺を襲おうとしていた酔っぱらいの和尚を捕まえたと報告した。鄧龍が面会すると、魯智深を縛った縄がパラリとほどけ、鄧龍はたちまち禅杖で頭を真っ二つに割られた。そして、手下たちを降伏させると、魯智深と楊志とはそのまま二龍山で山賊になった。一方、生辰網を奪った犯人探しを命じられた済州の長官は、事件を担当する何濤を催促するが埒が明かず、その顔へ「~州に流刑」と入れ墨をする。捜索に失敗すれば、どこかへ流す、ということだった。弱った何濤へバクチ打ちの弟・何清が知恵をつける。

第十八回 美髯公智穩插翅虎 宋公明私放晁天王

登場人物:何濤、何清、白勝、宋江、宋清、晁蓋、時文彬、朱仝、雷横
あらすじ:何清の話によれば、何日か前、宿屋で客の宿帳をつける仕事を手伝っていると、荷車を押す七人の行商人がやってきた。親分の顔を見ると、これがなんと晁蓋だったのだが、李と名乗ったため、怪しいと思っていたということだった。また白勝にも怪しい動きがあったので、白勝を捕まえて尋問すればわかるだろうとのこと。さっそく、何濤は長官へ報告し、八人の捕り方と一緒に白勝の家へ向かった。熱を出して寝込んでいる白勝を縛り上げ尋問したが白状しない。家探しをすると、床下に埋められた財宝が出てきた。このためお白洲へ引っ張ってさらに尋問すると、白勝こらえきれず、晁蓋が首謀者だと認めた。しかし、それ以外の者は名前も知らないという。何濤は部下を引き連れ、晁蓋の住む鄆城県東渓村へ向かった。役所へ着くとちょうど朝の執務が終わる時間で、あたりは静かだった。役所の前の茶店で今日の当直が誰かと尋ねると、宋江だということだった。宋江は熱心な役人で、民からも慕われていた。弟の宋清は父とともに農夫として真面目にはたらいていた。何濤は宋江に盗賊を追ってきたと話し、長官からの手配書を渡した。宋江は追われているのが兄弟分の晁蓋だと知り驚いたが、何食わぬ顔で協力を約束する。そして、そのまま茶店で待つよう言いくるめると、こっそり馬を飛ばし、晁蓋へ追っ手が来たことを知らせた。晁蓋は感謝しながら、仲間を宋江へ紹介した。村へ帰った阮兄弟以外の三人が残っており、呉用、公孫勝、劉唐と引き合わせた。晁蓋たち四人は宋江の忠告にしがって逃げることにし、いったん石碣村の阮兄弟の家へ行き、そこから近い梁山泊へ財宝を手土産に身を寄せることにした。一方の宋江は何濤の元へ戻ると、県長官の時文彬のもとへ赴き、夜になってから晁蓋の捕縛に向かってはどうかと提案した。長官は朱仝と雷横とを呼び寄せ、晁蓋の捕縛を命じ、一同は夜までに準備を整えて、日が暮れると晁蓋の屋敷へ向かい、表と裏の両面から攻め立てた。晁蓋はまだ出発していなかったため慌てたが、しかし、実は朱仝も雷横もそれぞれに晁蓋を見逃してやりたいと考えていた。晁蓋が屋敷へ火を放って飛び出してくると、そのままこっそりと通してくれたため、晁蓋たちは逃れることができた。盗賊たちに逃げられたと報告を受けた長官は、阮兄弟の住む石碣村へ何濤を向かわせた。

第十九回 林冲水寨大並火 晁蓋梁山小奪泊

登場人物:何濤、晁蓋、呉用、阮小二、阮小五、阮小七、朱貴、王倫、杜遷、宋万、林冲
あらすじ:何濤は大勢の軍団を従えて石碣村へ向かった。一方、呉用は朱貴に梁山泊への案内を頼もうと考える。そんな相談をしているところへ、官軍が迫っているとの報告を受け、一同は急いで家を出る。何濤が阮兄弟の家へ着いたときはもぬけの殻だったため、船を出し、梁山泊方面へ追った。しかし、官軍は晁蓋たちの軍に散々に翻弄され、打ち負かされる。何濤は両耳をそがれるが、一命は取りとめ、そのまま帰っていった。晁蓋たちは朱貴の案内で梁山泊へ入り、王倫の歓待を受ける。宴会が終わると、関所の下にある客館へ泊まることになった。晁蓋は喜ぶが、呉用だけは味方が違った。王倫はたいした人物ではないと見抜き、反感を抱いているはずの林冲を巻き込んで仲間割れさせようと考える。林冲は晁蓋、呉用らと意気投合し、王倫への反感を打ち明ける。翌日、晁蓋らは梁山泊での宴会に招かれた。晁蓋は梁山泊の仲間に入りたいと王倫へ訴えるが、なんのかんのと取り合ってもらえない。すると、林冲が激高し、日頃の不満をぶつけながら、王倫を殺してしまった。度肝を抜かれた杜遷、宋万、朱貴は林冲へ服従を誓う。呉用は梁山泊の筆頭の椅子へ林冲を座らせようとしたが、林冲はそんなことをしては世間の笑いものになってしまうと、固辞する。

第二十回 梁山泊義士尊晁蓋 鄆城県月夜走劉唐

登場人物:林冲、晁蓋、呉用、黄安、宋江、劉唐、
あらすじ:林冲は、王倫を成敗したのは彼の心が狭いからであり、決して王倫の地位を狙ったものではないと語り、晁蓋こそが梁山泊の頭領にふさわしいと言う。そして、二番目の席に軍師として呉用、三番目の席に公孫勝を据えた。さらに席を譲ろうとする林冲を皆で説得し、四番目の席に座らせた。続けて阮小二、阮小五、阮小七、杜遷、宋万、朱貴と梁山泊の席次が決まった。こうして兵卒を訓練し官軍に備える日々が始まった。ついに黄安を将軍とする官軍が攻め寄せてきたが、呉用の計略により、散々に打ち破られ、大勢の捕虜と船を確保し、黄安も生け捕りにされた。梁山泊は見る見る間に栄えた。この繁栄は宋江の力添えによるところであり、また功労者の一人である白勝もまだ牢へつながれている。呉用は彼らに報いる策を練る。一方、官軍側は梁山泊の強さに困り果て、盗賊逮捕に務めるよう各方面へ布告を出した。これを読んだ宋江は、梁山泊の豪傑たちのあまりの無法ぶりに悩む。そんな宋江のもとを劉唐が訪れ、晁蓋たちの活躍を報告し、朱仝、雷横にも礼をしたいと言う。宋江は礼を受け取らず、朱仝、雷横にも渡す必要はないと告げ、呉用へ手紙を書く。宋江が劉唐を送り出すと、後ろから声をかける者がいた。


『水滸伝』備忘録 あらすじと登場人物(一回~五回)
『水滸伝』備忘録 あらすじと登場人物(六回~十回)
『水滸伝』備忘録 あらすじと登場人物(十一回~十五回)


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