201709水滸伝130

前回に続き、現在刊行中の新訳「水滸伝」(講談社学術文庫)を読みながら、メモとして作成しているあらすじと登場人物です。赤字は百八星の初登場回です。

第十一回 朱貴水亭施号箭 林冲雪夜上梁山

登場人物: 林冲、柴進、王倫、杜遷、宋万、朱貴
あらすじ: 林冲は酒によって雪の中を倒れていたため、駆けつけた男たちに簡単に捕らわれてしまった。男たちに連行されたのは、なんと柴進の屋敷だった。柴進は林冲を手厚くもてなす。一方、滄州の監獄では林冲が看守、陸謙を殺害して逃亡したと報告され、捜索が開始されていた。林冲はこれ以上迷惑をかけられないため立ち去ることにする。すると、柴進は梁山泊へ行くことを勧める。梁山泊は周囲八百里余りの水郷で、王倫、杜遷、宋万という三人の豪傑が砦を築き、七、八百人の手下とともに強盗を働きながら暮らしているという。柴進は林冲が無事に滄州を脱出できるよう協力する。梁山泊へ向かう途中、大雪に難儀した林冲は、一軒の居酒屋へ駆け込む。そこで給仕に梁山泊への道を尋ねるが、船がなければ行けない場所で、船など用意できないという返事。林冲は仕方なく酒を飲みながら自身の運の悪さを嘆き、壁に五言律詩を書きつける。その詩には「林冲」と自身の名が詠みこまれていた。それを見た居酒屋の給仕が慌てて林冲を店の裏へ連れ出した。給仕は朱貴と名乗り、実は梁山泊頭領の密偵だった。居酒屋を切り盛りしながら、金を持っていそうな客を見かけると痺れ薬を飲ましたり殺したりして金を奪っていたのだった。林冲の名は天下に知れ渡っており、柴進の推薦状もあることから、朱貴は船を出し、林冲を梁山泊へ案内する。そこは立派な要塞だった。杜遷と宋万は林冲の人となりを認めるが、王倫は信用せず、仲間に入りたければ「投名状」を持ってこいという。「投名状」とは誰かを殺して、その頭を差し出すことだった。山を降りた林冲は刀を手に、旅人が通るのを待ったが誰も来ない。三日目にようやく一人の男が通りかかったが、男は林冲を見ると荷物を捨てて逃げてしまった。仕方なく荷物だけ奪って山へ帰ろうとすると、その男が刀をぶら下げ戻ってきて、「強盗め」と林冲を怒鳴りつけた。

第十二回 梁山泊林冲落草 汴京城楊志売刀

登場人物: 林冲、楊志、王倫、杜遷、宋万、朱貴、世傑(梁中書)、周謹
あらすじ: 林冲は戻ってきた男と闘うが、なかなか勝負はつかない。やがて梁山泊から駆けつけた王倫らに止められる。男は楊志と名乗った。かつては役人だったが、都へ石を運搬する事業でしくじり、逃亡していた。恩赦で罪を許されたため、東京へ戻って元の役職に就く予定だった。王倫は楊志を梁山泊へ招いて宴会を開く。この一件によって林冲は梁山泊を認められ、山賊稼業に参加することになる。一方の楊志は東京へ到着した。多額の賄賂をばらまいたお陰で元の役ヘ戻れることとなり、高俅にお目どおり叶うこととなった。高俅は楊志の経歴書を見て、事業に失敗しながら反省もせず、長期間逃亡するような者は任用できないと告げる。楊志は途方に暮れ、しばらく宿に滞在するうち旅費も底をついた。先祖伝来の宝刀を売ろうと辻に立っていると、ごろつき野郎の牛二がやってきた。牛二は素行が悪く、街の人々も困っていた。二人は喧嘩になり、楊志は牛二を殺してしまう。楊志は見物人を証人として引き連れ、役所へ自首する。役人も楊志に好意を抱き、死罪は免れて北京へ流刑とになる。北京の所司代・梁中書は、太師・蔡京の娘婿だった。梁中書は楊志を副隊長に取り立てようと考えるが、周囲が反対する恐れがあった。このため、現在の副隊長・周謹と東郭門の演兵場で戦わせることにする。

第十三回 急先鋒東郭争功 青面獣北京闘武

登場人物: 楊志、周謹、梁中書、索超、時文彬、朱仝、雷横、劉唐
あらすじ: 楊志と周謹と槍・弓矢で勝負するが、いずれも楊志が勝ち、梁中書は副隊長の交替を宣言する。すると、正隊長の索超が現れ、楊志に勝負を挑む。もし自分が少しでも引けを取ることがあれば、楊志は副隊長ではなく、正隊長に据えれば良いと豪語する。両者は何度も切り結ぶが全く勝負がつかない。観客は喝采を送り、梁中書はこの豪傑二人のどちらか一方でも傷つくことになっては惜しいと、引き分けを命じて二人ともを取り立てることにする。梁中書は舅・蔡京の誕生日に金品を贈ろうとするが、前年は使いの者が強盗に遭い全て奪われてしまった。今年は使いにやる者を部下の豪傑から選ぼうと考える。さて、話は変わって、山東済州に時文彬という長官が赴任した。時文彬は盗賊取締を担当する騎馬隊長・朱仝と歩兵隊長・雷横を召し寄せた。時文彬は二人に梁山泊周辺を巡察するよう命じ、巡回の証として東渓村の紅葉の葉を取ってくるよう言う。雷横が東渓村の紅葉を取り、村の霊官殿の前を通りかかると、中で裸の大男が寝ている。二十人の兵隊で取り囲み捕縛すると、村の保正(世話係)の屋敷へ連行した。

第十四回 赤髪鬼酔臥霊官殿 晁天王認義東渓村

登場人物: 雷横、劉唐、晁蓋、呉用
あらすじ: 東渓村の保正・晁蓋は財産家で人望の厚い人物だった。晁蓋は雷横から、こそ泥を捕まえて連行してきたと聞かされる。泥棒は門番小屋に吊るしたまま、晁蓋は雷横を酒でもてなした。飲んでいる最中、晁蓋は手洗いへいくふりをして泥棒を見にいく。赤毛の大男・劉唐だった。劉唐は晁蓋の豪傑ぶりを噂に聞き、儲け話を持ちかけるため村を訪れていたのだった。それを聞いた晁蓋は劉唐に、自分のことを叔父と言い張れ、自分も甥だと認めるから、と伝える。打ち合わせ通り、雷横の前で一芝居を打つと、雷横は怪しみもせずに劉唐の縛めを解いて、帰っていった。晁蓋は雷横へ十両の銀子を土産として渡す。さて、劉唐の持ちかけた土産話は、梁中書が蔡京へ贈る誕生日祝(生辰網)を強奪するというものだった。これは不義の財だから奪っても構わないという。晁蓋は喜び、いったん劉唐を部屋へ案内して休ませる。劉唐は部屋で一人になると、雷横への怒りがこみあげてきた。雷横が晁蓋から受け取った銀子も騙し取ったものだと思い込み、これを奪い返しにいく。雷横に追いついた劉唐は、往来で挑むが、なかなか勝負がつかない。二人の闘いを見ていた見物人の一人が仲裁に入った。この男は呉用という秀才で、二人から事情を聞いた。呉用は晁蓋とも懇意にしていたが、劉唐のような甥がいるという話は聞いたことがない。これは何かわけがあるだろうとにらむ。そこへ、晁蓋が駆けつけた。呉用も劉唐とともに晁蓋の屋敷へついていった。呉用は生辰網を奪う計画を聞かされるが、わずかな人数ではできないことだと説く。そして、七、八人の豪傑に協力を頼むべきだと、その名前を挙げる。

第十五回 呉学究説三阮撞籌 公孫勝応七星聚義

登場人物: 呉用、阮小二、阮小五、阮小七、公孫勝
あらすじ: 呉用は梁山泊近くの石碣村に住む阮小二、阮小五、阮小七という三兄弟の名を挙げた。呉用は三兄弟の説得に向かうこととした。呉用は三兄弟に歓待され、その晩は阮小二の家へ泊めてもらうことになる。そこで、梁山泊に巣食う盗賊たちの話を聞く。兄弟が盗賊たちに憧れていることを知り、呉用は今回の計画に間違いなく乗ってくるだろうと判断する。梁山泊への仲間入りをそそのかしてみるが、三兄弟は梁山泊の頭領・王倫の心が狭いためためらっていると話す。そこで、呉用は生辰網を襲う計画を話す。三兄弟はそのまま石碣村を出て、呉用について東渓村へついてきた。仲間が六人に増えたところで、晁蓋の門前に一人の男が現れる。晁蓋が来客中だから、と追い返すよう伝えると、男は門前で暴れ始めた。晁蓋が応対するとあごひげを生やしたその男は公孫勝と名乗る。実は公孫勝も生辰網を襲撃する計画を晁蓋へ持ち帰るため訪れたのだった。話をしていると、突然、部屋に入ってきた男が公孫勝の胸ぐらを掴み、「今の話、全部聞いたぞ」と脅した。



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