
「シルミド」は日本では2004年に公開された韓国映画です。
金日成暗殺のため、シルミド(実尾島)の基地で極秘裏に結成された韓国の特殊部隊が主人公。彼らの起こした反乱事件を描いたもので、実話がベースになっています。
ちなみにこの映画は東映が配給しているため冒頭に「波ザッパーン」がありますが、実際、往年の東映実録映画と似た味わいがあります。
筆者は、これを父と一緒に劇場へ観に行きました。
これを読んでいる皆さんには全くどうでもよいことなんですが、振り返ってみるとこれまでの人生で、父と二人で映画を観に行ったというのは、このとき一回きりです。今後もたぶんないでしょう。
つまり、生涯で一度きりの父と二人の映画鑑賞が「シルミド」って……。
たぶん、父は覚えていないんじゃないかという気もします。実家へ帰った時、あまりにヒマだったので、近所に新しくできたシネコンを覗きにいくか、という話になり、父が払ってくれるんならちょうど見たかった「シルミド」にしよう、という単に息子のわがままに付き合わせただけなので。
(ちなみに、母と二人だけの映画を見たのもこれまでに一度だけで、それは中学生の時に「ゴジラvsビオランテ」でした。今考えると、中学生にもなって母親とゴジラなんて……と、思いますが、当時は全く何も違和感を持たず「ゴジラに連れてって!」という感じで観にいきました。その翌年には一人で「ミザリー」を観にいったりしていたわけなので、中学生の成長は早いもんです)
と、どうでもよいところで脱線しましたが、当時は韓流ブームの最盛期(だった気がする)でしたが、オバちゃんが釘付けになっていた恋愛ドラマだけでなく、「シュリ」に始まる激しいアクション映画も人気がありました。
「シルミド」も日本の現代映画では考えられないストーリーとアクションとで、かなり話題になり、ベースになった事件についての本もたくさん出ていました。
映画を見てすっかり興奮した筆者は、そのへんの本も買い漁ったものです。
日韓関係は、この映画が公開された当時と現在とでは隔世の感があります。この頃は嫌韓なんて言葉なかったもんなあ。筆者を含めて、ほとんどの日本人は竹島の存在も知らなかったし。
改めて「シルミド」を見て、そんなに仲良しでもなかったけど、今ほど険悪でもなかった当時を皆さん、思い出してほしいもんだと思います。