備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

2017年03月

元ネタ探求 筋肉少女帯「SISTER STRAWBERRY」

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2枚めのアルバム。この頃はインディーズ時代に発表した曲の再録が多めです。インディーズ時代初期からのメンバーである三柴理(三柴江戸蔵)が正式メンバーだった最後のアルバムです。とはいえ、その後もサポートとして頻繁に参加していますが。。

1.マタンゴ

初期の筋少の代表作。インディーズ時代に原曲を発表しています。三柴理の超絶演奏を堪能できる一曲。
【マタンゴ】
1963年の東宝映画。本多猪四郎監督・円谷英二特技監督ということで特撮映画ファンにはカルト的な人気があります。無人島に漂着した男女が次々とキノコ人間に変身していくという怪奇映画。
【呪いの館】【タマミ】
楳図かずおのホラー漫画「赤んぼう少女」に登場する化け物が「タマミ」。「赤んぼう少女」は最初に単行本となったとき「のろいの館」というタイトルでした。
映画「マタンゴ」と漫画「赤んぼう少女」とは、全く関係なく、モチーフの共通点すらなく、それぞれに熱心なファンを持っている作品ですが、なぜか大槻ケンヂが歌うと説得力抜群に同じ世界にぶち込まれてしまいます。。

3.夜歩く

横溝正史の金田一耕助シリーズ第3長編「夜歩く」からタイトルを借りていると思われます。これも怪奇趣味はあるもののガッツリした本格で、この曲とは内容的に全く関係ありません。
非常に美しい曲で個人的には大好きです。。

5.ララミー

インディーズ時代に原曲を発表。「コンビニエンスストアー」が「ファミリーマート」、「なすがままにされてしまった」が「陵辱されてしまった」など、いろいろと放送禁止な部分に手を入れています。。

6.いくじなし

ライブのたびに即興で詩が変わるため、いろいろなバージョンがあります。
【アンテナ売り】
「釈迦」にも出てきました。
【脳髄】
これまた、「釈迦」にも登場。というか、そもそもインディーズでのデビューレコードのタイトルが「とろろの脳髄伝説」でした。この単語にこだわっているのは、「ドグラ・マグラ」の影響では、と推測します。


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元ネタ探求 筋肉少女帯「猫のテブクロ」

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大槻ケンヂの詩集『花火』のあとがきによれば、近所に本当に、テブクロという名前の猫がいたのだそうです。

2.これでいいのだ

【これでいいのだ】
解説するまでもなく、赤塚不二夫の漫画「天才バカボン」のバカボンのパパの決めゼリフ。
【人生いろいろ】
島倉千代子のヒット曲。(1987年)
【黒い服の人びと】
メン・イン・ブラックのこと。
【非常にキビシー】
財津一郎のギャグ。
【そりゃないぜセニョール】
ケーシー高峰の「そりゃあないぜセニョリータ」から。

3.日本印度化計画

【トビマス トビマス】
坂上二郎のギャグ「飛びます 飛びます」から。

5.Picnic at Fire Mountain

6.Go! Go! Go! Hiking Bus

7.最期の遠足

この3曲は連作のような形になっています。
「最期の遠足」はピーター・ウィアー監督の映画「ピクニックatハンギング・ロック」(1975年)がモチーフとなっています。インディーズ時代に原曲を発表しています。
「Picnic at Fire Mountain」、「Go! Go! Go! Hiking Bus」の2曲は、「花火」のあとがきにもある通り、1967年の映画「007 カジノロワイヤル」のテーマ曲に歌詞を乗せたもの。1967年版の「カジノロワイヤル」は、2006年版とは異なり、ボンド映画のパロディ的なコメディ映画となっています。

8.月とテブクロ

乱歩の短編に「月と手袋」というものがありますが、これはカーの「皇帝のかぎ煙草入れ」に触発されたと言われる、乱歩には珍しい純粋な本格ミステリで、筋少の世界とはあまりなじまない話です。
冒頭にも書いたとおり、テブクロという名前の猫は実際にいたということです。この猫について歌う際、単にタイトルを借りてきただけと思われます。


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元ネタ探求 筋肉少女帯「サーカス団パノラマ島へ帰る」

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さて、元ネタがいろいろありすぎて、ついていくのが大変なアルバムです。できるだけ頑張ります。
タイトルの「パノラマ島」は、言うまでもなく乱歩の「パノラマ島奇談」より。
「サーカス団」については、乱歩にも「魔術師」「地獄の道化師」「サーカスの怪人」のようにサーカスが登場する作品が多々ありますし、また「スラッシュ禅問答」でも引用していた中原中也の「サーカス」という詩もあり、どちらの影響が強いのかよくわかりません。
アルバムはデジパックで絵本風に作られています。ジャケットを描いているのは、むらいこうじという、ピエロ専門の画家。

2.ビッキー・ホリディの唄

ビッキー・ホリディという名前に特に元ネタはなさそうです。

3.詩人オウムの世界

【オウム】
オウム真理教事件を描いているように思ってしまいますが、事件が起こる5年前に発表された曲で、むしろ予言的な詩と言えます。
『大槻ケンヂ20年間割りと全作品』によれば、当時、オウム真理教の名前は知っていたが、ここで出てくる「オウム」は、諸星大二郎の漫画の中で、人びとが宗教的な恍惚感にとらわれると「オウム、オウム」と響きだす、というシーンがあり、そこからということです。どの漫画を指しているのかはわかりません。
歌詞カードでは「オーム」となっています。

4.労働者M

インディーズ時代、空手バカボン名義で発表した曲。中学校の同級生が原詩を書いたとのことです。
【アンモナイト】
「花火」のあとがきで「アンモナイトは貝じゃない!」と自ら突っ込んでいますが、オウムガイの仲間。貝よりはイカやタコなどに近い頭足類。
【シーモンキー】
エビの仲間。昭和40年代に卵が学習雑誌の付録となるなどして、子どもたちの間で飼育が流行した。

6.23の瞳

壺井栄の児童向け小説「二十四の瞳」から。この物語で描かれるような感動的な学校生活への嫌悪感が現れています。インディーズ時代にナゴムレコードから出た「子どもたちのCity」というオムニバスアルバムに原曲が収録されており、そちらでは「暗い目をした僕」ではなく、「片目の僕」となっています。。

7.電波Boogie

【マーク・ボラン】
T-Rexのギタリスト・ボーカリスト。

8.パノラマ島へ帰る

【小人】
ここでいう「小人」は、おとぎ話に出てくるドワーフなどの小人ではなく、乱歩がいうところの一寸法師のこと。

12.元祖 高木ブー伝説

原曲はインディーズ時代の「高木ブー伝説」。
昭和40~50年代にかけて、毎週土曜の8時に放映された伝説的なバラエティ番組「8時だョ!全員集合」がネタになっています。
【一人で生きろよ つらくとも死ぬな】
原曲ではここは「フロ入れよ 宿題やれよ 歯みがけよ」となっています。これは、番組最後に全員でエンディング曲を歌う中で加藤茶が入れる合いの手。


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筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
ブログ更新通知:https://twitter.com/squibbon19

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