大河ドラマ原作紹介、第6回です。
今回も原作があるものはロングセラーばかりです。

第26作 武田信玄 1988年(昭和63年)

原作:新田次郎『武田信玄』
新田次郎は山岳小説で有名ですが、甲斐・信濃の地形や気象に精通しており、この「武田信玄」をライフワークと語っています。徹底した取材に基づいて、史料にできる限り忠実な内容を目指したという、記録文学のような趣きの小説となっています。
武田信玄の合戦は、信長や秀吉などとは全く異なります。融通無碍、変幻自在とでも言うべきか、三国志の武将のように、人間の心理を手玉に取った神話のような戦いが続き、驚かされます。
この精神を受け継いだのが、真田昌幸、幸村の親子ではないかという印象があります。昨年の「真田丸」でも、昌幸は最期まで信玄への想いが途切れなかった、と描かれていました。
大河ドラマの「武田信玄」でも、個人的に最も印象に残ったのは、橋爪功が演じていた真田幸隆(昌幸の父)でした。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)

第27作 春日局 1989年(昭和64年~平成元年)

原作:原作なし

第28作 翔ぶが如く 1990年(平成2年)

原作:司馬遼太郎『翔ぶが如く』
「花神」以来、13年ぶりの司馬遼太郎原作です。西郷隆盛と大久保利通の友情を描いた原作は全10冊もありますが、物語は明治に入った時期からスタートします。ドラマは幕末編と明治編との二部構成でしたが、原作に沿っているのは後半の明治編のみということになります。
(リンク先はAmazon)

第29作 太平記 1991年(平成3年)

原作:吉川英治『私本太平記』
吉川英治の原作は、戦後の大作「新・平家物語」につづいて書かれたもので、晩年の作品となります。
新潮文庫が「新・平家物語」を一冊ずつ刊行してくれたのが非常に読みやすかったので、続けて「私本太平記」も出してくれないかな、と待っていますが、その気配はありません。諦めて講談社版で読もうかと考えているところです。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)

第30作 信長 1992年(平成4年)

原作:原作なし
原作はありませんが、ルイス・フロイスの視点から描いた信長、という設定のドラマでしたので、強いていえばフロイスが残したとされる「日本史」が原作になるでしょうか。強いていえば、ですが。
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)
(リンク先はAmazon)



関連コンテンツ