プロデューサーとして佐久間正英を迎えているためか、ポップな曲調のものが多いアルバムです。とはいえ、タイトルや、乱歩ネタだらけの裏ジャケットなど、筋少らしさも横溢しています。
1.おサル音頭
【ボーン・トゥー・ビー・ワイルド】Steppenwolfの1968年の曲「Born to be wild」から引用。おサルの歌に挿入するセンスが最高だと思います。
【ボレボレ島】
歌詞カードや、詩集「花火」では「ボレボレ島」となっていますが、実際の歌唱は「ポレポレ島」と聞こえます。いずれにしてもそんな島はありません。サブカル関係者には馴染みが深い映画館「ポレポレ東中野」と関係があるのかどうか?
【Let it be】
言わずと知れた、ビートルズの曲。
3.くるくる少女
『くるぐる使い』に収録された短編「キラキラと輝くもの」とモチーフが共通する曲です。ちなみに、この短編集の表題作「くるぐる使い」は、タイトルは似ていますが、内容は全く関係ありません。4.高円寺心中
【ヘイ・ユー】1973年の左とん平「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」から。この曲はのちに大槻ケンヂのソロアルバムでカバーもしています。筋少でカバーする計画もあったものの、一部のメンバーから拒否されたそうです。
【高円寺純情通商店街】
高円寺に実在する商店街は「高円寺純情商店街」。ねじめ正一がこのタイトルの短編集で平成元年に直木賞を取っています。
6.きらめき
筋少らしからぬ爽やかな印象のラブソング。その辺の「らしくなさ」を「野口五郎が歌うよな」「あたかもニューミュージックのような」と自身で茶化していますが、筆者は個人的に名曲だと思っています。7.君よ!俺で変われ!
これまた、非常に美しい歌詞なのですが、オーケンの回想によると、受けそうな単語を羅列して意図的に作ったものだそうです。【カフカ・フェリーニ・マザーグース】
サブカル少女が好みそうなものを羅列してみた、ということではないかと推測します。
【ダークサイドだオブ・ザ・ムーン】
オーケンの詩に頻出の「月の裏側」という意味ですが、ここでの元ネタはピンク・フロイドのアルバム「The Dark Side of the Moon」からかな、という気がします。
8.俺の罪
タイトルはレッド・ツェッペリンの曲から。【イージー・カム イージー・ゴー】
「悪銭身につかず」といった意味のことわざなので、一般的な英語表現ですが、タイミング的にB'zの「Easy Come, Easy Go!」を意識している可能性も。(いや、それはないか?)
【ボーン・トウ・ビー・モンキー】
「おサル音頭」の「ボーン・トゥー・ビー・ワイルド」をさらに引用。「Let it be」も再度登場します。
10.パレードの日、影男を秘かに消せ!
【影男】乱歩の長編小説「影男」から。「パレード」という単語も乱歩を連想させます。
【猟奇の果て】
乱歩の長編「猟奇の果」を意識しています。前作アルバム「エリーゼのために」には「世界の果て~江戸川乱歩に」という曲も収録されています。
11.タイアップ
このアルバムがタイアップ曲だらけになったことを自ら皮肉のつもりで歌ったものの、「そんなに金がほしいのか」というコアなファンからの苦情もあったそうです。13.バラード禅問答
【ドアホウ!】水島新司の1970年の漫画「男どアホウ甲子園」が念頭にあるのでは、と推測します。無理矢理な関西弁もこの漫画を意識しているのではないでしょうか。
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