前回は乱歩の短編を拾い読みするのにおすすめの本をご紹介しました。
今回は別の切り口をご紹介します。

乱歩が生み出した名探偵といえば明智小五郎ですが、「明智が登場する話だけ読みたい」という方向けのシリーズが現在刊行中です。

明智小五郎事件簿 1 「D坂の殺人事件」「幽霊」「黒手組」「心理試験」「屋根裏の散歩者」 (集英社文庫)
明智小五郎事件簿 集英社文庫

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事件を年代順に並べ直した、ということが売りで、明智シリーズはこれで全て読めるはずです。
とはいえ、明智シリーズで作品の前後が問題になるのは、「魔術師」「吸血鬼」「人間豹」くらいでは、と思います。と言うのは、この3作では明智夫人である文代さんが、「事件の関係者→婚約者→夫人」とステップアップしていくからです。また、戦後の「化人幻戯」では、小じわが増えたり、白髪が混じったりといった部分で時の流れを感じさせます。
しかし、ほかの作品は、全て完全に独立しているため、年代順に読む必要は全くありません。
むしろ年代順に読んでしまうと「黒蜥蜴の事件のときにはもう結婚してんじゃん」というような不都合な真実が見えてしまったりします。

そんなわけで、個人的にはいかがなものかと思っているこのシリーズなのですが、結構よく売れていますので、やはり「乱歩といえば明智小五郎」という印象は世間で強いようです。
あえてこのシリーズの長所を考えると、豪華な解説陣でしょうか。
今のところ出ている分では、法月綸太郎、大槻ケンヂ、麻耶雄嵩、皆さん、非常に面白い解説を書いています。
今後も有栖川有栖、綾辻行人、北村薫と続きます。

全く入門編的な読み方ではありませんが、解説のために買ってもいいかな、と思わせられます。

ということで、今回はおすすめしているのか、していないのか、いまいちよくわからない内容になってしまいましたが、こんなシリーズも出ていますよ、ということで。
次回に続きます。

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