備忘の都

40年間の読書で得た偏った知識をツギハギしながら、偏った記事をまとめています。同好の士の参考に。

何時間でも熟読できる写真集「絶景本棚」(本の雑誌社)

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本の雑誌社から今月出た新刊「絶景本棚」は、この手の本棚写真集としては最強の布陣です。
特にミステリ好きにとっては、京極夏彦、喜国雅彦、日下三蔵、北原尚彦、森英俊、さらには新井素子!……ホントにこれ、オールスターズですよ。
他人の家へ上がり込むと、お茶の用意を待つこともなく、なにはともあれ、まずは本棚チェックに取り掛かってしまうような人種にとっては、眺めているだけで至福のときを過ごすことができます。

一番期待していたのは京極夏彦の本棚なのですが、連載初期だったためか、ページ数・写真枚数が少なくてちょっとがっかり。しかし、その他の皆さんについては目を皿のようにして蔵書をチェックしてしまいます。
特に喜国雅彦の本棚は惚れ惚れします。1枚の写真の中にいったい何冊、横溝正史「呪ひの塔」が写っているんでしょう。いや、横溝はまだわかります。甲賀三郎「妖魔の哄笑」まで、何種類も揃える必要があるんでしょうか? 装丁の問題? 蔵書をスリム化するのが目標ということですが、いやいや、こんなラインナップを散逸させたらもったいない。さらに充実させた上で、最終的にはミステリー文学資料館がまとめて買い上げるべきでしょう。
また、見ているだけで勉強になります。朝日ソノラマから横溝の児童向けリライトが出ていたなんて知りませんでした。ネットで探してみると、かなり入手は難しいようですね。
「バァナビィ・ロッス 紙魚殺人事件」もバージョン違いが2冊ありますが、これはいったいなんだ? と思って検索してみると、ヒットしたのはやっぱり喜国さんのページ。クイーン「レーン最後の事件」の初訳がこのタイトルだったようです。うーん、確かに稀覯本をめぐる話ではありましたが……

と、喜国さんのダブり本をチェックするだけで何時間もかかってしまいますが(いや、それぞれバージョンが違うので、厳密にはダブり本ではありませんが)、登場している方たちのあいだでかぶっている本を探すのも面白いですね。
発見したのは、
「みうらじゅん大図鑑」……荻原魚雷、喜国雅彦
「南総里見八犬伝」(岩波文庫)……祖父江慎、松村幹彦
「光車よ、まわれ!」……藤脇邦夫、北原尚彦
以上、筆者の蔵書にもあるため、おや、と思って気づいた本です。もっとじっくり探せば、まだまだ見つかるでしょう。
ミステリ関係では、喜国雅彦、北原尚彦、森英俊の3氏はかぶりまくりですが、キリがないので省略。日下三蔵氏もかぶっていると思われますが、あまりの魔窟でよくわかりません。日下氏が編集するアンソロジーは膨大な蔵書を活用しているとばかり思っていましたが、この状態の蔵書をどのように活用できているのか、全く謎です。

という形で、ともかくいくら眺めても飽きない素晴らしい本です。続編もきっと出るだろうと期待しています。

リンク先:Amazon
絶景本棚
本の雑誌社
2018-02-22

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ちなみに、以前、別に出ていた同じような企画「書斎探訪」には、なんと島田荘司の書斎も登場していました。「絶景本棚」ほど写真は多くないのですが、ファンには興味津々でした。

書斎探訪
宇田川 悟
河出書房新社
2012-05-17

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江戸川乱歩関係お宝本紹介「別冊太陽88 乱歩の時代」(1994年・平凡社)

201801乱歩の時代174

「別冊太陽」の1994年冬号は「乱歩の時代――昭和エロ・グロ・ナンセンス」というタイトルの特集でした。タイトル通り「時代」に焦点をあて、乱歩本人に関する記述はほぼありません。
しかし、この内容が本当に素晴らしかった。
「構成」ということで米沢嘉博氏の名が記載されていますが、この方はコミケを率いていたことで有名ですね。

目次は以下のとおりです。

エロ・グロ・ナンセンスの時代と江戸川乱歩(紀田順一郎)
エロ・グロ・ナンセンスの系譜(鈴木貞美)
探偵小説の誕生(鈴木貞美)
モダン都市の幻想(鈴木貞美)
「新青年」が生んだ作家たち(伊藤秀雄)
怪奇・幻想小説の流行(八木昇)
魔術・心霊学・霊術(一柳廣孝)
機械への嗜好性―乱歩とプロレタリア文学(荒俣宏)
海野十三と科学小説(會津信吾)
「科学画報」と通俗科学(會津信吾)
電気博覧会(橋爪紳也)
レンズ仕掛けのレトリック(高橋世織)
ロボット・ブーム(米沢嘉博)
「人種と風俗」への好奇心(米沢嘉博)
エロティシズムへの偏奇(中田耕治)
モダニズムへの裸体郷(秋田昌美)
歓楽都市探訪(米沢嘉博)
カフェー(初田亨)
好色燐寸(米沢嘉博)
小野佐世男と風俗マンガ(小野耕世)
異形たちの蜜月(久世光彦)
残虐のグラフィズム(秋田昌美)
サディズム・マゾヒズム(秋田昌美)
伊藤晴雨の「責め絵」(北原童夢)
美少年・美少女と異装(川崎賢子)
万国衛生博覧会(田中聡)
近代・性出版の幕開け(関井光男)
乱歩と同性愛(古川誠)
性科学雑誌と変態性欲(関井光男)
発禁図書文学案内(城市郎)
エロ出版のオルガナイザー、梅原北明(城市郎)
画業から奇書出版へ、酒井潔(城市郎)
猟奇犯罪事件簿(下川耿史)
亡父乱歩のいた風景(平井隆太郎)
特別付録・覆刻[犯罪図鑑](昭和七年平凡社版江戸川乱歩全集付録)

それぞれその筋の第一人者が執筆している豪華な内容です。
乱歩が通俗長編を量産した大正から昭和初期にかけての、文化・風俗をうかがうことができる好企画でした。
この特集の中で特に注目すべきは「伊藤晴雨」と「発禁図書」についてでした。
本書の記事がきっかけになったのかどうかわかりませんが、本書の刊行後、この2つについてはちょっとしたブームが起きます。
伊藤晴雨は乱歩とは特に絡んだことはない、単に同時代の画家なのですが、女性を縛り上げた絵ばかり描いていた奇人です。妊娠中の妻まで逆さ吊りにしたということなので、ハンパではありません。
本書刊行後に伊藤晴雨関係の本がたくさん出て、SM界の大御所・団鬼六による伝記まで刊行されました。また、1998年に公開された実相寺昭雄監督の「D坂の殺人事件」には「伝説の責め絵師」まで登場しますが、明らかの本記事から連想したキャラと思われます。

「発禁図書」については、このあと「別冊太陽」では城市郎氏による「発禁本」シリーズが続きました。性風俗がメインですが、政治的なものも含まれ、非常に興味深い内容でした。

最後に綴じ込み付録として「犯罪図鑑」というものがついていますが、これは江戸川乱歩初の全集である平凡社版全集の全巻購入特典として製作されたものの覆刻です。全巻を通して「探偵趣味」という冊子が付録して挟み込まれていましたが、それとは別に製作されたもので、乱歩作品とはあまり関係なく「乱歩が好きな人は、どうせこんなのも好きでしょ」という感じのエロ・グロ・ナンセンス写真集ですが、戦前においてすでにこの「別冊太陽」を先取りしているような内容です。
乱歩の回顧録「探偵小説四十年」によれば発禁となったそうなのでレアなものと言えますが、現在でも古書で流通しており、それなりの部数が市場へ出回っていたようです。

「別冊太陽」は雑誌とはいえ重版もしているようで、本書もかなり長く書店の棚にあったように思いますが、さすがに20年以上経つともうなくなっています。単行本で復活してほしいなあ、と思うような、このまま忘れられるには惜しい本でした。



2018年3月 文庫新刊おすすめ情報

来月の文庫新刊をご紹介します。要チェックのものはコメント付き。(書名からのリンク先はAmazon)

朝日文庫


週末ちょっとディープなベトナム旅
 下川裕治 阿部稔哉 本体予価:756

魔女は月曜日に嘘をつく(3)
 太田紫織 本体予価:994

ふなふな船橋
 吉本ばなな 本体予価:691

死なせない屋
 七尾与史 本体予価:864

銀の街から
 沢木耕太郎 本体予価:994

銀の森へ
 沢木耕太郎 本体予価:994

岩波文庫


江戸川乱歩作品集(3)パノラマ島奇談・偉大なる夢 他
 浜田雄介 本体予価:未定

源氏物語(3)澪標-少女
 柳井滋 室伏信助ほか 本体予価:未定

田舎教師
 田山花袋 本体予価:未定

大隈重信自叙伝
 早稲田大学 本体予価:未定

岩波現代文庫


平面論
 松浦寿輝 本体予価:未定

新版 哲学の密かな闘い
 永井均 本体予価:未定

中国名詩集
 井波律子 本体予価:未定

角川文庫


学校ジャック
 佐倉淳一 本体予価:未定

男役
 中山可穂 本体予価:未定

売り出された花嫁花嫁シリーズ
 赤川次郎 本体予価:未定

ラストシュート絆を忘れない
 小宮良之 本体予価:未定

柳橋物語
 山本周五郎 本体予価:未定

閉じ箱
 竹本健治 本体予価:未定

キマイラ(19)明王変
 夢枕獏 三輪士郎 本体予価:未定

賞味期限のある恋だけど
 喜多嶋隆 本体予価:未定

かんかん橋の向こう側
 あさのあつこ 本体予価:未定

水木しげるの日本霊異記
 水木しげる 本体予価:未定

見仏記(7)メディアミックス篇(仮)
 いとうせいこう みうらじゅん 本体予価:未定

ねこくま、めしくま
 ナガノ 本体予価:未定

桃色まちおこし
 室積光 本体予価:未定

憧れの作家は人間じゃありませんでした(3)
 澤村御影 本体予価:未定

見習い同心捕物控(仮)
 志木沢郁 本体予価:未定

江戸城 御掃除之者!
 平谷美樹 本体予価:未定

ありがとうは僕の耳にこだまする
 東田直樹 本体予価:未定

宮廷神官物語
 榎田ユウリ 本体予価:未定

とことん板谷バカ三代オフクロが遺した日記篇
 ゲッツ板谷 本体予価:未定

忍法双頭の鷲
 山田風太郎 本体予価:未定

怪奇探偵リジー&クリスタル
 山本弘 本体予価:未定

入り婿侍商い帖大目付御用(3)
 千野隆司 浅野隆広 本体予価:未定

宮部みゆきの江戸怪談散歩
 宮部みゆき 本体予価:未定

ウィンストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男
 アンソニー・マクカーテン 染田屋茂 本体予価:未定

パシフィック・リム:アップライジング(仮)
 アレックス・アーバイン 本体予価:未定

角川ソフィア文庫


現代語縮訳 特命全権大使 米欧回覧実記
 久米邦武 本体予価:未定

いろごと辞典
 小松奎文 本体予価:未定

関ヶ原前夜西軍大名たちの戦い
 光成準治 本体予価:未定

ジャズの歴史物語
 油井正一 本体予価:未定

動きをあらわす「基礎日本語辞典」
 森田良行 本体予価:未定

全品現代語訳 法華経
 大角修 本体予価:未定

稲の日本史
 佐藤洋一郎 本体予価:未定

角川ホラー文庫


ホーンテッド・キャンパス(13)
 櫛木理宇 ヤマウチシズ 本体予価:未定

シェアメイト
 新津きよみ 本体予価:未定

奇奇奇譚編集部(2)幽霊取材は命がけ
 木犀あこ 本体予価:未定

河出文庫


夫婦という病
 岡田尊司 本体予価:756

みがけば光る
 石井桃子 本体予価:799

迷蝶の島
 泡坂妻夫 本体予価:778
 ※待望の復刊

理解という名の愛がほしい
 山田ズーニー 本体予価:691

三面鏡の恐怖
 木々高太郎 本体予価:821

広辞苑先生、語源をさぐる
 新村出 本体予価:821

長く暗い魂のティータイム
 ダグラス・アダムス 安原和見 本体予価:994

島とクジラと女をめぐる断片
 アントニオ・タブッキ 須賀敦子 本体予価:799

ハルキ文庫


幻想古書店で珈琲を それぞれの逡巡
 蒼月海里 本体予価:518

ふたたびの、荒野 ブラディ・ドール(10)
 北方謙三 本体予価:605

美しくなるにつれて若くなる
 白洲正子 本体予価:648

F2B、嵐を越えて レイヴン・ワークス(2)(仮)
 夏見正隆 本体予価:670

講談社学術文庫


精霊の王
 中沢新一 本体予価:未定
 ※2003年に刊行された著者の代表作の一つ。初文庫化です。

ホモ・ルーデンス 文化のもつ遊びの要素についてのある定義づけの試み
 ヨハン・ホイジンガ 里見元一郎 本体予価:未定

天皇の歴史(4)天皇と中世の武家
 河内祥輔 新田一郎 本体予価:未定

宇治拾遺物語(上)全訳注
 高橋貢 増古和子 本体予価:未定

オスマン帝国の解体 文化世界と国民国家
 鈴木董 本体予価:未定

講談社文芸文庫


西南役伝説
 石牟礼道子 本体予価:1620

群像短篇名作選 1946~1969
 群像編集部 三島由紀夫ほか 本体予価:2376

報いられたもの/働き手
 モーム 行方昭夫 本体予価:1836

講談社文庫


監察特任刑事(3)(仮)
 姉小路祐 本体予価:未定

つよく結べ、ポニーテール
 朝倉宏景 本体予価:未定

60 誤判対策室
 石川智健 本体予価:未定

終わった人
 内館牧子 本体予価:未定

スリジエセンター1991
 海堂尊 本体予価:未定

決戦!本能寺
 伊東潤 矢野隆ほか 本体予価:未定

妻よ薔薇のように 家族はつらいよ(3)
 小路幸也 山田洋次ほか 本体予価:未定

涙香迷宮
 竹本健治 本体予価:未定
 ※2016年このミス1位。早くも文庫化です。

風の陣(3)天命篇
 高橋克彦 本体予価:未定

神の時空 三輪の山祇
 高田崇史 本体予価:未定

パーソナル(上)(仮)
 リー・チャイルド 小林宏明 本体予価:未定

パーソナル(下)(仮)
 リー・チャイルド 小林宏明 本体予価:未定

過剰な二人
 林真理子 見城徹 本体予価:未定

恋塚
 花房観音 本体予価:未定

闇の梯子
 藤沢周平 本体予価:未定

黄砂の進撃(仮)
 松岡圭祐 本体予価:未定

誰かの家
 三津田信三 本体予価:未定

ツボ押しの達人 下山編
 室積光 本体予価:未定

スマイルメイカー
 横関大 本体予価:未定

光文社文庫


ロンドン狂瀾(上)
 中路啓太 本体予価:未定

ロンドン狂瀾(下)
 中路啓太 本体予価:未定

奇縁七景
 乾ルカ 本体予価:未定

星宿る虫
 嶺里俊介 本体予価:未定

ロバのサイン会
 吉野万理子 本体予価:未定

悔いてのち
 永瀬隼介 本体予価:未定

屈折率
 佐々木譲 本体予価:未定

D⑥犯罪予防捜査チーム ブリザード(仮)
 早見俊 本体予価:未定

街は謎でいっぱい
 光文社文庫編集部 本体予価:未定

夫婦からくり
 中島要 本体予価:未定

獄門裁き人情同心・神鳴り源蔵(仮)
 小杉健治 本体予価:未定

グッバイ・マイ・スイート・フレンド
 三沢陽一 本体予価:未定

光文社古典新訳文庫


戦う操縦士
 サン=テグジュペリ 鈴木雅生 本体予価:未定

ナルニア国物語7 最後の戦い
 C・S・ルイス 土屋京子 本体予価:未定

集英社文庫


岳飛伝(17)星斗の章
 北方謙三 本体予価:未定

砂の王宮
 楡周平 本体予価:未定


 周防柳 本体予価:未定

マダム・キュリーと朝食を
 小林エリカ 本体予価:未定

手のひらの幻獣
 三崎亜記 本体予価:未定

衣にちにち
 群ようこ 本体予価:未定

人生は「動詞」で変わる(仮)
 齋藤孝 本体予価:未定

棋翁戦てんまつ記
 逢坂剛ほか 本体予価:未定

僕らが目指した明の星
 関口尚 本体予価:未定

お迎えに上がりました。国土交通省国土政策局幽冥推進課(2)(仮)
 竹林七草 本体予価:未定

日本初のビールを造った薩摩藩士(仮)
 池永陽 本体予価:未定

めんたいぴりり
 東憲司 本体予価:未定

ヌヌ 完璧なベビーシッター
 レイラ・スリマニ 本体予価:未定

光のない海
 白石一文 本体予価:未定

小学館文庫


マリーン ワン
 ジェームス・W・ヒューストン 本体予価:1080

師匠、御乱心!
 三遊亭円丈 本体予価:680

弾正星
 花村萬月 本体予価:788

人間の絆
 江原啓之 本体予価:626

新潮文庫


ひみつの王国 評伝石井桃子
 尾崎真理子 本体予価:907

「だから、生きる。」
 つんく♂ 本体予価:529

結婚奉行
 辻井南青紀 本体予価:594

負け逃げ
 こざわたまこ 本体予価:680

話術
 徳川夢声 本体予価:529

ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス
 滝口悠生 本体予価:432

警官の掟
 佐々木譲 本体予価:961
 ※何の文庫化?なのかよくわかりません。

決定版 シェイクスピア快読
 河合隼雄 松岡和子 本体予価:594

パラダイス山元の飛行機の乗り方
 パラダイス山元 本体予価:497

言ってはいけない中国の真実
 橘玲 本体予価:637

ピラミッド最新科学で古代遺跡の謎を解く
 河江肖剰 本体予価:680

ちくま文庫


人生は楽しいか山口瞳ベスト・エッセイ
 山口瞳 小玉武 本体予価:1026

ファッションフード、あります。
 畑中三応子 本体予価:1188

鉄道エッセイコレクション
 芦原伸 本体予価:972

無限の本棚手放す時代の蒐集論
 とみさわ昭仁 本体予価:929

断髪女中獅子文六短編集傑作選 モダンガール編
 獅子文六 山崎まどか 本体予価:821

ロボッチイヌ獅子文六短編集傑作選 モダンボーイ編
 獅子文六 千野帽子 本体予価:821

たまもの
 神蔵美子 本体予価:1296
 ※2002年の刊行時、大いに話題になった写真集。

ちくま学芸文庫


現代語訳 三河物語
 大久保彦左衛門 小林賢章 本体予価:1296

ホームズと推理小説の時代
 中尾真理 本体予価:1296

政治の約束
 ハンナ・アレント ジェローム・コーンほか 本体予価:1512

人間らしさとはなにか?(上)
 マイケル・S・ガザニガ 柴田裕之 本体予価:1404

人間らしさとはなにか?(下)
 マイケル・S・ガザニガ 柴田裕之 本体予価:1404

増補ハーバーマスコミュニケーション的行為
 中岡成文 本体予価:1296

中公文庫


落語ミステリー 新シリーズ
 愛川晶 本体予価:756

ちいさな桃源郷山の雑誌アルプ傑作選
 池内紀 本体予価:907

巡査長 真行寺弘道
 榎本憲男 本体予価:886

マレ・サカチのたったひとつの贈物
 王城夕紀 本体予価:691

老後の資金がありません
 垣谷美雨 本体予価:691

スカーレット・ウィザード(6)
 茅田砂胡 本体予価:886

孤拳伝(5)新装版
 今野敏 本体予価:864

イカロスの彷徨警視庁捜査一課刑事・小々森八郎
 島崎佑貴 本体予価:691

ルネッサンスの光と闇芸術と精神風土(上)
 高階秀爾 本体予価:972

ルネッサンスの光と闇芸術と精神風土(下)
 高階秀爾 本体予価:972

みちのくの武士・狼奉行 傑作時代小説短篇集(仮)
 高橋義夫 本体予価:799

背教者ユリアヌス(4)
 辻邦生 本体予価:1080

日本航空一期生
 中丸美繪 本体予価:994

本で床は抜けるのか
 西牟田靖 本体予価:799

高橋是清自伝(上)
 高橋是清 上塚司 本体予価:1080

高橋是清自伝(下)
 高橋是清 上塚司 本体予価:1080

創元推理文庫


マイロ・スレイドにうってつけの秘密
 マシュー・ディックス 髙山祥子 本体予価:未定

生贄の木
 キャロル・オコンネル 務台夏子 本体予価:未定

魔法使いの陰謀フェアリーテイル
 シャンナ・スウェンドソン 今泉敦子 本体予価:未定

闇の虹水晶
 乾石智子 本体予価:未定

動く標的【新訳版】
 ロス・マクドナルド 田口俊樹 本体予価:未定

怪盗ニック全仕事(5)
 エドワード・D・ホック 木村二郎 本体予価:未定

悪女
 マルク・パストル 白川貴子 本体予価:未定

真実の10メートル手前
 米澤穂信 本体予価:未定

シャーロック・ホームズの蒐集
 北原尚彦 本体予価:未定

創元SF文庫


スタートボタンを押してくださいゲームSF傑作選
 D・H・ウィルソン 中原尚哉ほか 本体予価:未定

ハロー、アメリカ
 J・G・バラード 南山宏 本体予価:未定

銀河英雄伝説事典
 田中芳樹 らいとすたっふ 本体予価:未定

ハヤカワ・ミステリ文庫


生か、死か(上)
 マイケル・ロボサム 越前敏弥 本体予価:821

生か、死か(下)
 マイケル・ロボサム 越前敏弥 本体予価:821

ハヤカワ文庫


真実の魔術師
 チャーリー・N・ホームバーグ 原島文世 本体予価:929

誰が音楽をタダにした?巨大産業をぶっ潰した男たち
 スティーヴン・ウィット 関美和 本体予価:907

その部屋に、いる
 S・L・グレイ 奥村章子 本体予価:864

プラネタリウムの外側
 早瀬耕 本体予価:756

絞首台の黙示録
 神林長平 本体予価:864

遙かなる星(1)パックス・アメリカーナ
 佐藤大輔 本体予価:691

マルドゥック・アノニマス(3)
 冲方丁 本体予価:864

再就職先は宇宙海賊
 鷹見一幸 本体予価:691

見てしまう人びと幻覚の脳科学
 オリヴァー・サックス 大田直子 本体予価:929

サンクトペテルブルクから来た指揮者
 カミラ・グレーベ&ポール・レアンダ・エングストレー 府川由美恵 本体予価:1080

ハヤカワ文庫SF


無常の月ザ・ベスト・オブ・ラリイ・ニーヴン
 ラリイ・ニーヴン 小隈黎ほか 本体予価:1080

宇宙英雄ローダン・シリーズ564 永遠の奉仕者
 マリアンネ・シドウ クルト・マール 本体予価:713

アルマダ
 アーネスト・クライン 池田真紀子 本体予価:972

宇宙英雄ローダン・シリーズ565 指令コード
 クルト・マール トーマス・ツィーグラー 本体予価:713

双葉文庫


はじめまして、お父さん。
 山本甲士 本体予価:660

呪い殺しの村
 小島正樹 本体予価:800

暴発工作―警視庁特殊企画課工作班―
 沢里裕二 本体予価:680

京都寺町三条のホームズ(9)
 望月麻衣 本体予価:650

春の嫌いな僕は桜の下で君に恋をした
 広瀬未衣 本体予価:630

彗星乙女後宮殿(仮)
 江本マシメサ 本体予価:700

小説 ミスミソウ
 押切蓮介 黒史郎 本体予価:620

文春文庫


秋篠宮家の子育て
 髙清水有子 本体予価:886

須賀敦子の旅路 ミラノ・ヴェネツィア・ローマ、そして東京
 大竹昭子 本体予価:1296

名画の謎 陰謀の歴史篇
 中野京子 本体予価:950

昭和史の10大事件
 宮部みゆき 半藤一利 本体予価:734

女ともだち
 村山由佳 森絵都ほか 本体予価:810

王家の風日
 宮城谷昌光 本体予価:1188

八丁堀「鬼彦組」激闘篇 蟷螂の男
 鳥羽亮 本体予価:756

状箱騒動 酔いどれ小籐次(19)決定版
 佐伯泰英 本体予価:864

まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ
 吉永南央 本体予価:734

長いお別れ
 中島京子 本体予価:778

武道館
 朝井リョウ 本体予価:842

闇の叫び アナザーフェイス(9)
 堂場瞬一 本体予価:918

億男
 川村元気 本体予価:756

何度でも食べたい。 あんこの本
 姜尚美 本体予価:918

ある町の高い煙突
 新田次郎 本体予価:810

革命前夜
 須賀しのぶ 本体予価:961

家庭に常備すべき怪談本「日本現代怪異事典」

201802日本現代怪異事典182

発売から少し経ってしまいましたが、ようやく朝里樹「日本現代怪異事典」(笠間書院)を入手しました。
このブログでわざわざ紹介するまでもない話題の本で、出てすぐに売り切れていたため初版を買い損ね、重版されるのを待って購入しました。
「学校の怪談」に代表されるような、戦後日本で語られた都市伝説のうち怪異にまつわるものを網羅した本です。
筆者が知る限りでは、この手の内容を一冊にまとめた本としては、これまでポプラ社から出ていた「学校の怪談大事典」が最強だと思っていましたが、本書は質量ともに圧倒しています。
また、このような本が笠間書院から出たというのも驚きですね。笠間書院は、茶色い箱に入った国文学関係の硬い本ばかり出している印象を持っていました。価格もこの質と量、そして出版元を考えると本体価格2200円は激安です。笠間書院がふだん出している本は安くて3000円超え、たいていは1万円前後ですもんね。

と、値段のことはどうでも良いのですが、この本は一家に一冊あると本当に便利だと思います。筆者の購入目的は「家庭の医学」のように、わが家に怪談を常備することなのです。

筆者の長男は現在小学3年生なのですが、「怖い話を聞かせて」とせがまれることがよくあります。
よっしゃ、怪談好きのパパに任せておけ、と言えれば良いのですが、実をいうと筆者の脳は「物語を記憶する」という機能が欠損しており、本を読んでいるあいだは「むっちゃ怖い!」「面白い!」と興奮していても、読み終わった瞬間にディテールをほとんど忘れてしまうのです。
短い怪談に於いても然り。
「あの話、怖かったよな。確かあの本に載ってたな」
ということはよく覚えているのですが、さて自身で改めて語ろうとすると細かい部分を思い出せず、ちっとも怖くない話になってしまうのです。

以前、子どもから怖い話をせがまれた時、弱り果てた筆者はこんな話をしました。

『悪魔の人形』
あるところに老人と少女が二人で暮らしていた。ある時、老人は外出先でクマのぬいぐるみを買い、少女への土産として持ち帰った。クマを見た少女は叫んだ。
「あ!クマの人形(あくまのにんぎょう)」

『猫のたましい』
ある老人が、タマという名の猫と、やはりタマという名の犬を飼っていた。
ある晩、夜中に猫のタマがしきりに鳴き続けた。やかましくて眠れない老人はこう言った。
「猫のタマ、しっー!(ねこのたましい)」

『悪の十字架』
ある店の主人が、朝から店を開ける支度をしていた。店の前を通りかかった男が、時計を見ながら言った。
「おじさん、開くの10時か?(あくのじゅうじか)」


えー、以上は出典は忘れましたが、小学生の頃に読んだ本に載っていたダジャレです。息子はタイトルを聞いた段階では「うんうん」と真剣な顔になるのですが、オチを聞くたびに「怖くない!」とがっかり。
しまいには、横で聞いていた妻までもが「あんたはしょうもない本ばっかり棚に並べてるくせに、怖い話もできないの!?」と怒りだしました。
こうなってくると、本当に怖い話をしなければいけませんが、なにぶん記憶だけで語れるレパートリーを持ち合わせていません。ここは、小学生なら確実にビビるであろう最強クラスの怪談を持ち出して、「パパの話は本当に怖いから聞きたくない」と思わせるしか、逃げる方法はない。

そこで語ったのが、この話です。

ある若者グループが海へ出かけ、崖から飛び込んで遊んでいた。ところが、そのうちの一人が溺れて死んでしまった。のちに、その時撮った写真を現像すると、海面から無数の手が伸びているのが写っていた。

有名な怪談で、本書「日本現代怪異事典」でも当然、紹介されていますが、筆者は小学生の頃だったかに初めて聞いて、本当に怖ろしい気分になった記憶があります。
さあ、これでどうだ。
自信満々で聞かせた筆者に対し、長男は
「ああ、それはね、海坊主って言うんだよ。怖くない怖くない」
とニコニコしながら流されてしまいました。

さて、そんな形で撃沈した筆者ですが、もしその時この本が手元にあれば「じゃ、こっちの話は? こんな話もあるぞ」と次々と弾を繰り出すことができたはずです。
いやあ、もっと早くに巡り会いたかった本だな。

まあ、そのような使い方だけでなく、1975年生まれの筆者にとっても、小学生の頃に学校で話題になっていた怪談が大量に紹介されていて、とても懐かしい気分になります。
6年生くらいの時に「紫鏡という言葉を20歳になるまで覚えていると死ぬ」という話を聞いたときは、かなり深刻に悩んだもんですね。20歳のころには無事に忘れてましたが、40過ぎてまた覚えちゃったよ。
こんな大部な本の著者がまだ20代というのも驚きです。巻末の参考文献リストは、そのまま戦後日本怪談史というもいうべきもので、本当に勉強熱心ですばらしいと思います。

日本現代怪異事典
朝里 樹
笠間書院
2018-01-17




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夢のなかで見つけた本

201802東西ミステリーベスト100180

読むことを夢想している本ではなく、夢のなかで初めて見つけた本の話です。

文春文庫の「東西ミステリーベスト100」という本があります。
2013年に新版が出ましたが、最初に刊行されたのは1986年のことで、筆者は小学6年生の頃(1987年)に買った記憶があります。
中学入学直前なので、ミステリのことを何も知らない時期に手に入れ、以後、本書をバイブルとして、紹介された内容を手がかりにミステリを読み進めていったものです。

ところで、本書の中には罪深い間違いが一箇所ありました。
「亜愛一郎の狼狽」紹介文の中です。
筆者は亜愛一郎シリーズのことも、もちろん本書をきっかけに知ったのですが、のちにこんな記事を書いてしまうくらい、ドハマりました。
最初に買ったのはたまたま書店で見かけた「亜愛一郎の転倒」で、それから慌てて「亜愛一郎の狼狽」「亜愛一郎の逃亡」も探して読みました。全て角川文庫版です。しかし、あとの一冊がどうしても見つかりません……ん?あと一冊?
そう、亜愛一郎シリーズは3冊で全てのはずなのに、いったい筆者はナニを探していたのか。

実は1986年版「東西ミステリーベスト100」のなかでは、亜愛一郎シリーズは「狼狽」「転倒」、そして「消失丶丶」の3冊だと紹介されていたのです。
このため、筆者は本屋で「亜愛一郎の逃亡」を見つけた時、「あ、4冊目もあったんだ」と思い込み、引き続き「亜愛一郎の消失丶丶」を探し続けていたのです。
当時はインターネットもなく、またミステリに詳しい人が周りにいたわけでもないため、この思い込みは数年にわたって解消されることなく続きました。

その間、夢のなかでは何度も「亜愛一郎の消失」を買いました。
あるときは、徳間文庫から出ているのを発見しました。「なんだ角川文庫じゃなかったのか。道理で見つからなかったわけだ」と納得し、手を伸ばしたところで残念ながら目が覚める。
またあるときは短編集ではなく、長編でした。なんと長編ッ!と、手を伸ばしたところでやはり目が覚める。
結局、「亜愛一郎の消失」という本は存在しない、ということをいつ頃の時期にどうやって納得したのか忘れましたが、インターネットが普及した現代ではこのような悲劇はもう起こらないことでしょう。

さて、ほかに夢の中で見かけた本で印象深いのは、笠井潔の本があります。
筆者は東日本大震災を挟む数年間、東北にいたことがありますが、魚が大好きなので、三陸海岸沿いの港町へ旅行し、観光客向けの市場を覗いて買い食いするのが何よりの楽しみでした。
そんなある時、例によって旅先で市場の中へ入っていくと、一角が古本屋でした。
こんな水気の多い場所で本を売るなんて、と驚きましたが、なかなか雰囲気の良い店で、渋い本がズラッと並んでいます。
その中に、笠井潔の見たことのない本がありました。「オイディプス症候群」に似た感じで、重厚な装丁で、濃いグレーのカバーに黒い文字でタイトルが印刷してあるため、なんという本なのかよく見えません。
こんな本があったのか、と棚の最上段にあった本へ手を伸ばすと……そこで目が覚めました。
うーん、ちょっとでも内容を覗くまで待ってほしかったもんですが、残念でした。
装丁から推察するに、あの本こそ、笠井潔の最高傑作だったのではないか、そんな思いが抜けません。

それにしても、入手困難な本、自分しか知らない本を発見する夢というのは、一番楽しく、しかし覚めると悔しい思いをする夢です。




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筆者:squibbon
幼稚園児の頃から40を過ぎた現在に至るまで読書が趣味。学生時代は読書系のサークルに所属し、現在も出版業界の片隅で禄を食んでいます。
好きな作家:江戸川乱歩、横溝正史、都筑道夫、泡坂妻夫、筒井康隆、山田風太郎、吉村昭。好きな音楽:筋肉少女帯、中島みゆき。好きな映画:笠原和夫、黒澤明、野村芳太郎、クエンティン・タランティーノ、ティム・バートン、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・フィンチャー。
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